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香港DCでのサービスを開始しました

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アジア8都市めのサービスロケーション

本日付けのリリースの通り、香港データセンタでのサービス提供(IaaS)を開始しました。これでクララオンライングループでのサービス提供可能なロケーションは、東京、名古屋、北京、上海、台北、シンガポール、ソウルに続いて8都市めとなります。

香港の位置付けは、ずばり「中国大陸と香港市場向けへのコンテンツ配信」の拠点です。似たような位置付けでもある台北データセンタは「中国-台湾間の良好なインターネット接続性を活用」して、海外と中国のインターネット通信のハブとなったり、中国・台湾向けのコンテンツ配信を集約する拠点としてご利用頂いていますが、最近は香港向けにというニーズが特にモバイル関係で増えてきており、ついに香港でのサービスを開始することにしました。

香港の通信事情

香港はモバイル・インターネット共にブロードバンド化は早くから進んでおり、香港で契約されているモバイルユーザのうち、既に4G契約も16パーセントを超えています(ポストペイドSIMと、アクティベートされているプリペイドSIMの契約数の合計値に対する4Gの契約数)。

OFCAによる香港のモバイル契約の数値(http://www.ofca.gov.hk/)

OFCAによる香港のモバイル契約の数値(http://www.ofca.gov.hk/)

また、人口700万人強の香港において、200万世帯以上の家庭と、20万以上のオフィスにブロードバンド回線の契約がある状況です(出典:全てOCFAの2014年2月末時点の公表数値)。

OFCAによる香港におけるISP契約数のデータ(http://www.ofca.gov.hk/)

OFCAによる香港におけるISP契約数のデータ(http://www.ofca.gov.hk/)

さらに、ブロードバンド契約からのインターネットのトラフィック量を年次推移でグラフにしてみると、引き続き拡大し続けていることがわかります。

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そして、興味深いデータもOFCAが公開しています。下のグラフは、香港と中国(Mainland China)間のIPLCの帯域のうち、インターネットサービスに使われている回線の推移をあらわしたものです。これによれば、最新のデータである2013年9月時点では約1,000Gbpsが香港と中国間で提供されているとされており、香港が中国のインターネットの国際出口としての重要な役割を担っていることがわかります。

Use of International Private Leased Circuits ("IPLCs") for the Provision of Internet Service

香港でのサービスの位置付け

香港データセンタの位置付けは、冒頭に書いたとおり中国大陸向けへのスムースなコンテンツ配信という側面があります。ただ、中国のISPから香港で中国向けのインターネットの接続性(IPトランジット)を買おうとすると、残念ながら決して安いわけではありません。またデータセンタのコストも、同様に中国大陸向けの配信拠点として活用できる台北と比べると香港の方が高いというのが現状です。特に香港のデータセンタ市場は金融向けに需要が継続的に旺盛でもあります。最近、中国大手のクラウド事業者である阿里雲も香港データセンタでのサービス提供を開始しました。提供価格を見ると北京や青島、杭州のデータセンタの3倍ぐらいの価格設定になっており、恐らくはこうした香港のコストが影響していると考えられます。クララオンラインとしても、中国大陸向けに、中国の外から安価に配信したい(中国国内に置くとどうしても様々な規制の対象になってしまう)ということであれば、台北データセンタの活用をおすすめします。

ただ、上述のように香港という市場自体にも十分に魅力があり、特に簡体字向けのモバイルゲームやアプリ・動画コンテンツの配信ということになると、これはやはり香港内から配信する方が圧倒的にコスト面でもユーザからのアクセス品質の面でも有利です。中国向けの接続性はベストエフォートでご提供し、主に香港と国際向けの接続性だけであれば、十分に競争力のある価格でご提供することが可能です。

クララオンラインの強みとして、国・地域の違いをお客様に意識させず、コンテンツを届けたい対象に対してクロスボーダーで適切なサービスをご提供できる点があります。

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