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mobikeとofoの日本向けスマートロックの仕様

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mobikeの技適を眺めていた

朝のコーヒーを飲みながら、mobikeのスマートロックの日本での技適(005-101530)を見ていて第2条19号も通しているのを発見。第2条11号の3及び7はWCDMAなので3Gの通信だということはわかるが、19号の2.4GHz帯なのでBluetoothが載っている。へー。

mobikeのスマートロックの技適情報

mobikeのスマートロックの技適情報

空中線電力をみると0.00128Wなので1.28mWだから、Bluetoothの規格でいくとClass3(1mW)よりは強いがClass2ほどでもないので、実際には1メートル強ぐらいが範囲だろうか。日本のmobikeのサービスではBluetoothは使われている様子はないが、何かしらメンテナンスに用いるのか、それともただ単に採用しているチップとして載っていてあわせてとっただけということなのか。

19号は「2.4GHz帯高度化小電力データ通信システム」。Bluetooth。

19号は「2.4GHz帯高度化小電力データ通信システム」。Bluetooth。

mobikeのアメリカの状況は

一方、mobikeはFCCでは3つの認証番号が通っていることが確認できる。今年3月に2AK4SLBC4-5US、9月に2AK4SLBC-CATM01、10月に2AK4SLBC4-5の3つだ。

このうちLB4-5USとLC4-5US、あるいはLB4-5やLC4-5という二つの型番の違いは、見るとLB4-5/LB4-5USはシャフト型のmobikeに使われている形状と同じ、LC4-5/LC4-5USはmobike Liteや、非シャフト型の最新のmobikeに使われている形状と同じであることがわかる。札幌で展開されているmobike に使われているスマートロックの形状はLB4-5タイプのもの。

mobikeが初期にFCCに申請した2つの型式。

mobikeが初期にFCCに申請した2つの型式。

LC4-5USと同様の形状とみられるもの。mobike Liteや、最新のチェーン式のmobikeで見られる。

チップは何が載っているのか。

  • FCC ID「2AK4SLBC-CATM01」であるLC_CATM01とLB_CATM01は写真や情報が確認できず不明。これ、きちんと調べきれていないものの、どうもLTEのBandなど見ているとNB-IoTではないか。さらに、FCCに提出するときにはRequest for Confidentialityというレターをあわせて出すことができるのだが、この中でExternal Photos、Internal Photos をすべて非公開にするようリクエストしている(Short Termで)。つまり中も外も見せたくないというわけだ。2G/3Gをうかがわせる情報も見当たらない。これは...。
  • FCC ID「2AK4SLBC4-5US」であるLB4-5USとLC4-5USは、チップにGemalto(Cinterion)製が採用されている。2G/3Gに対応しているEHS5のアメリカ用の型番とみられるEHS5-USが載っている。バッテリーは不明。
  • FCC ID「2AK4SLBC4-5」であるLB4-5とLC4-5は、チップにSIMComのSIM800Lが採用されている。バッテリーは、东莞壹凌电子(YiLiNK)製の5800mAh(3.7V/21.46Wh)のリチウムイオンが使われている。下に書くofoのと違い、このタイプは再充電ができる。なおSIMComの話は以前にも記事にしているので詳しくはそちらを(「中国のシェアバイクを支えるConcoxとJimiとSIMComに注目してみる」)。

    ofoのスマートロックは

    一方のofoの日本用の自転車のスマートロックは「022-100027」で技適は既に通っている模様(ofoが東京で展示していた自転車に記載されていた情報より)。ただ、データが総務省のWebでは即時には反映されないためだろう、検索できていない(10月31日現在)。

    よって、先に通っていることが確認できたFCCで探すことにする。FCC IDは「2AMBSTWX5G02-1」。mobikeと違い、型番から見て日本とアメリカは同じスマートロックとみられる。

    バッテリーはER34615。充電は出来ない。

    まず、バッテリーは3.6V 19Ah。提出されたマニュアルの控えを読むと1日10回の使用で1.5年持つ設計だと書いてある。バッテリーの写真がちらっと写っているのを見ると「ER34615」。ER34615は塩化チオニルリチウム電池といい、これは充電は出来ない。組み込み系のモジュールにはよく見られるもので、自己放電が少ないのは特徴だけれども、そうか、一回切りか。

    ER34615が使われている。

    ER34615が使われている。

    ただ、設計上1.5年と書いてあっても(実際の消費電力によるが)、もう少し長く使用できるとみる。

    Quectelのチップ - SORACOMも採用したメーカー

    チップを写真から読み取るとQuectel(上海移远)のUG96が載っている模様。QuectelといえばSORACOMが採用したり、グローバルの無線/GPSのチップメーカーとして急成長している中国メーカーである。

    QuectelのUG96 が載っている。

    QuectelのUG96 が載っている。

    FCCへの資料では「GSM 850/1900 GPRS,EGPRS, WCDMA Band II(1900MHz), Band V(850MHz), BT 4.0 BLE, GPS L1:1575.42MHz」と書いてあり、UG96のスペックシートにあるFrequencyの情報を見ても同様。いわゆるUMTS/HSPA。

    ofoは、現時点ではFCCに持っていってるのはこの一つの型番だけの模様。またofoの外資側の法人であるとみられる东峡大通(北京)管理咨询有限公司の名義で申請している(ofoの名前で検索しても出てこない)。このあとの展開が楽しみ。

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