日本人が乗ることのできる中国のシェアバイク

身分証が無いので実名認証を突破できない

日本人が中国に行って乗ることのできるシェアバイクサービスは意外と多くはありません。

この理由は実名認証に必要な「身分証」がないこと。パスポートで実名認証を認めているサービスは限られており、以下に整理しました。

どうであれ中国の携帯電話番号とAlipay/WeChat Paymentは欲しいところ

いずれも中国のアプリで乗る場合には、利用料の支払いだけでなくデポジットの支払いのためにAlipayやWeChat Paymentとの紐付けが必要です。下の表はいずれも中国のストアで配布されているアプリを前提にしています(mobikeやofoの場合には日本や香港のAppStoreやGooglePlayで配布されているアプリがあります)。例えば、もし日本の方が中国のAppStoreで落とそうとする場合、中国の住所でのApple IDの取得と、ストアの変更が必要です。

さらに、中国のアプリですので、中国の携帯電話番号がないとユーザ登録自体に進むことができません。出張や旅行で中国でのシェアバイクを楽しむためには空港などで中国国内用のSIMカードをぜひ買ってください。

日本の携帯電話番号では無理

日本の携帯電話番号では無理

mobikeの日本のアプリで乗るのがもっともハードルが低い

日本人が現地でシェアバイクを乗るために一番簡単な方法として、mobikeの日本のアプリを落として、デポジットとチャージを予めクレジットカードで払っておく方法があります。(なおWeChat Paymentから支払うとなぜか1元で済むところが16元引き落とされます。たぶんプログラムのミス。2017.10.18現在)

mobikeであれば、シェアバイクが展開されている「大きめの都市」であればほぼ見つけられますから、これがまずは第一段階でしょう。

日本人が乗れる中国のシェアバイク一覧

日本人=外国人がパスポートで乗れるという意味で整理しています(同じく2017.10.18現在)。

サービス名 サービスの種類 日本人でのライド可否
mobike 自転車
ofo 自転車
bluegogo 自転車
youon
(永安行)
自転車 ×
享騎電動車 電動車 ×
mango
(芒果电单车)
電動車 ×
mebike
(小蜜共享电单车)
電動車 ×
DEER BIKE
(小鹿单车)
電動車 ×
7号电单车 電動車 ×
99bicycle
(赳赳单车)
電動車
便利蜂 自転車 ×
FOREVER
(永久智能车)
電動アシスト ×

まだ大量にサービスがあるのですが、書く時間があるときに追加しておきます!

デポジットの返金が・・というのも

サービスによっては、デポジットを払ってから出ないと実名認証が外国人でいけるかかどうかがわからないものもあります(なかなか怖い)。

先にデポジット・・か・・・

先にデポジット・・か・・・

9月には、北京の酷騎単車という会社で、デポジットの返金が滞りユーザがオフィスに行ってみたらもぬけの殻だった、という「事件」もありました。

シェアバイクに限らず中国のシェアリングサービスのほぼすべてでは、デポジットの返金は瞬時にはされません(早くて翌日。遅いと1週間)。もうこの後使わないなと思うサービスについてはアプリ上で返金申請をし、きちんと返金されているかどうか確認をしておきましょう。

ShareBike Labo(シェアバイクラボ)を立ち上げました

日本でのシェアバイク展開を支援します

クララオンラインとスポーツITソリューション(クララオンラインと電通の合弁会社)は、共同でShareBike Labo(シェアバイクラボ)を立ち上げました。(プレスリリースもご覧ください。)

ShareBike Labo (シェアバイクラボ)

ShareBike Labo (シェアバイクラボ)

ShareBike Laboは、「シェアバイクが変える社会、つくる未来」をテーマに、世界中のシェアバイクの調査研究はもちろんのこと、次に掲げるような分野に注力した活動を行います。

  • シェアバイク導入支援(地域・大学キャンパスなど)
  • NB-IoTを活用した次世代自転車・スマートロックシステムの開発
  • 違法駐輪対策・自転車通行帯など社会との共存設計
  • 活動量計と自転車を組み合わせた健康的移動手段のデザイン

スポーツITソリューション、そして10月中に設立予定のスポーツ専門のコンサルティング会社であるSports SNACKS(当社グループ)がメンバーとなり、当初は10名が関与しながら様々な角度からシェアバイクの未来を提案していきます。

なぜシェアバイクなのか

答えは明確です。シェアバイクは環境にやさしい移動手段・IoT・ビッグデータ・広域での街づくり・観光・健康などのキーワードが集合する存在です。単なる自転車の共有サービスで留まるものではありません。

その未来を創っていくハブになろうというのがこのShareBike Laboの目的です。

シェアバイクと社会と健康

中国各地で2016年初頭から急速に普及したシェアバイク。単なるモビリティとしての存在ではなく、今後はスポーティーな存在や健康づくりを支える役割への発展も考えられています。既に中国にもスポーツタイプの自転車によるシェアバイクが出始めてきているところですが、今後、ウェアラブルデバイスのようなセンサーチップが組み込まれたり、活動量に応じたユーザベネフィット(mobikeが9月末のアプリのアップデートで一部はじめました)も出てくるはずです。

もちろん違法駐輪・駐輪場整備の問題や放置自転車対策など様々な課題があり、こと、日本ではこうした問題への適切な対応が求められます。ただ、似たような事情は中国にも当然存在しています。享騎など電動車のシェアサービスではGPSと返却場所と鍵の機能を連動させ、指定した場所以外では返却できない=鍵をロックさせず、課金を停止させない方法をとったり、エリア外に出ると突然高い課金額にすることでエリア内に収めるとした工夫もみられます。すなわち、環境整備と同時に、こうした「テクノロジーとの組み合わせ」が日本で受け入れられる鍵になると考えています。

こうした中で、スポーツITソリューションは、スポーツとITという2つの軸のプロフェッショナルとして様々な大規模プロジェクトを支えてきましたが、アプリやシステム開発面での知見はもちろんのこと、健康、スポーツ施設を中心とした街づくりなどの豊富な実績から、クララオンラインと共同でShareBike Laboに参加します。

NB-IoTとシェアバイク

ようやく規格がとりまとまってきた5G。この5GのうちいわゆるIoTデバイスで広範囲に使われることになるだろうNB-IoTは、シェアバイクとの相性が期待されています。私自身はシェアバイクはNB-IoT搭載デバイスとして最も速く普及するデバイスの一つになるともみています。

ちょうど昨日(10月12日)、ofoがNB-IoT搭載自転車の標準化に取り組む報道が流れていました。中国で2GやBluetoothで展開してきたシェアバイクは消費電力の低さとカバレッジからみてNB-IoTに早晩置き換わるものと思います。

地理的に広範囲でのIoTビジネスは、デバイスを作り、電波を飛ばして、数が出るところで様々なナレッジやノウハウが得られます。世界最大の最初の市場は間違いなく中国であり、その中国市場での知見も大いに取り込んでいくつもりです。

シェアバイクをどのように日本が受容できるかは将来に向けた試金石

私(家本)自身、この1年間、中国のシェアバイク・電動車をひたすら研究し続けてきました。毎月毎月様子が変わるこの動きの激しいシェアバイクの世界の中で、確かに色々と日本でそのまま展開するには課題があります。

ただ、これだけわずか1年で中国の風景を変えたシェアバイクが、かたちを変化させながらも日本でどのように展開できるのかに注目しています。昨年夏、私は中国でmobikeとofoを見たとき、「これは日本では無理だなぁ」とまず否定形から入ってしまったわけです。しかしそれは間違いであるし、そもそも否定から入るべきではない、とその後に思い直しました。

日本が新しいものを受容する力が弱いことは改めて指摘するまでもないわけですが、シェアバイクは、いわば日本社会が新たなものを工夫しながら受容できるかどうかの「試金石」だと考えているのです。

今後、シェアバイク事業者、通信事業者、駐輪場・駐車場事業者、自治体などの皆さんたちとも積極的な連携をとりながら、「シェアバイクが変える社会、つくる未来」を創りたいと思います。シェアバイクに関わることであればなんでもご相談ください!

淘宝でシェアバイクのパーツを探す

無いものは無い

中国のECはエンタメの一つである。というのが私の意見。空き時間はアプリで眺め、面白そうなものがあったらとりあえず買ってみる。

淘宝(タオバオ)を眺めていると、思いもよらない面白いものに引き続き出会うわけで、これだけ様々なECが出てきたとしてもやはり雰囲気を感じ取るためには淘宝が分かりやすい。

あけてびっくり玉手箱、みたいなこともあるがそれも楽しみの一つ。どこにでもあるものであれば日本のAmazonで買えばよいのだが、やはり淘宝で危なっかしいものを探すのも楽しいわけである。同じ「アリババ」だったとしてもAliexpressの中だけではこの面白さは届かない。

なお、中国国内配送に限っていたり、できたとしても慣れていないお店もあるのでその点は自己責任で。初めてならば何かしら転送サービスを使うのもよい。中国に拠点があるならばオフィスに届けてもらうことが一般的。

軽い気持ちで眺めるのがよい

シェアバイクに関するもので面白いものを捜してみる。

スマートロック(鍵)やら子供用のシートやら、あるいは「mobike用のクーポン」みたいなものは私の基準では大して面白くないので飛ばし、買う人いるんだなと驚くものだけを挙げてみることにする。

「パーツ」とタイトルに入れたものの、まずは自転車そのもの。まぁ、そういうことである。

しかし、これを仮に買ったとしてもだ。街にこの自転車が置いてあったら「ofo」であると思い乗ろうとする人が出てくるのではないだろうか。

ofoの工場が横に流していると見られる自転車。

ofoの工場が横に流していると見られる自転車。

個人的にはmobike(Liteではない。シャフト型のmobike)かofoの最新型を輸入して自分用で乗りたいと思っているぐらいだが、そこまでするか、という声が脳の片側から聞こえてくる。気になるのは、これを買った人がそこそこいるってことである(交易成功、の数でわかる)。

雨の用のシートカバー

これは便利だ。我が家にある自転車のうち一つは雨が降るとシートの中のスポンジ部分に雨がしみこみ、そのあと乗るとお尻が濡れてしまう。これは日本でも使える気がする。

スーパーの袋でよいではないかというあなた、「形」が重要なのである。雨上がりの中国でさっとカバンからこのビニールカバーを取り出してシートにつけて颯爽と走ってごらんなさい。

使い捨ての雨の日用シートカバー

使い捨ての雨の日用シートカバー

ただ、mobikeやofoなどの自転車で、こうした浸み込んでしまうタイプのシートが果たしてあっただろうか!? 拭けば良いかなとも。

ofoの鍵(初代)

どう見ても、どこから見ても、ofoの鍵。このタイプのダイヤル式の鍵はだいぶ比率が下がってしまったが、どうだろう、上の黄色い自転車につければより「ofo度」が上がるのは間違いなし。

ofo用と同じと見られるダイヤル式の鍵。だいぶ減ったので買うならば今!

ofo用と同じと見られるダイヤル式の鍵。だいぶ減ったので買うならば今!

ピン付ヘクサロビュラの工具

この手の工具は探せば買えるのでだからなんだ、だが、シェアバイク用に売り出しているところに商売っ気のある中国を感じる。よいよい。

工具は何でもそろう。

工具は何でもそろう。

色々な組み合わせがある。買うならば購入件数が多めのところを選ぼう。

色々な組み合わせがある。初めて買うならば購入件数が多めのところを選ぼう。

少し前に書いた「Mobikeのネジの変化に注目する」で書いた、ヘクサロビュラ(トルクス)、トライウイングのネジにはすべてこれで対応している。

いつでもサドルの高さを変えたいあなたには必携!(何が)

北京大学には教員や学生しか乗れないシェアバイクがある – ofoが展開

北京大学のキャンパスをルーツに持つofo

中国の二大シェアバイク企業のひとつであるofo。このofoは北京大学の学生たちによって立ち上がった(創業メンバーの5人はいずれも北京大学の大学院修了)。もとは、サイクリングツアービジネスに挑戦したものの失敗し、その後シェアバイク事業に移行する。大学構内に使われないまま放置・廃棄される自転車を見て、また、自転車自体の稼働時間が低いことに目をつけた。このofo、お膝元である北京大学に、今月(2017年9月)から「北京大学の学生・教員専用の自転車」を投入している。

そもそも北京大学は「広い」。広すぎる。ま、中国の総合大学は総じて広いので北京大学が特別なわけではない。

その北京大学。この広さでは自転車がないとさすがに移動は不便で、シェアバイクという存在が生まれる前から自転車が構内の移動手段。門の前には駐輪スペースが広くとってあるし、建物の前にも駐輪スペース。张巳丁や戴威ならずとも今まで北大の優秀な学生たちならば考え付いたことはあるだろうが、ofoのかたちになったことはスマートフォンと決済という武器がちょうど揃った時期であったことに理由の一つはあるはずだ。

東門の前の駐輪スペース。

東門の前の駐輪スペース。

キャンパス内のシェアバイク比率はofoが7-8割

さすがに北京大学。走っているシェアバイクの多くはofo。Mobikeも見られるが、市中での比率からすると少ない。ofoとMobike以外にはbluegogo、mebike(電動車)、便利蜂の自転車がチラチラといる。外からシェアバイクで入ることは出来るようだ。

キャンパス内では見かけなかったがキャンパス周辺では7号電単車、智享単車も。智享単車は、第三世代のLIVÉLOと呼ぶソーラーパネルを後輪の上に取り付けた「斬新」(?)なデザインのものが。第一世代と第二世代が何だったのかはもはや分からない。

7号電単車。手前と奥とで型式が違う。

7号電単車。手前と奥とで型式が違う。

智享単車のLIVÉLO

智享単車のLIVÉLO

便利蜂は少なくともフレームの色で2種類があるよう。タイヤが小さめで女性でも乗りやすく、しかもカゴが大きいのがいい。日本の電動アシストも小柄な人でも乗りやすいようにタイヤを小さくしてきたが、このあたりのデザインはまだ中国のシェアバイクでは今のところ少ない。

便利蜂。カゴが大きくていい。

便利蜂。カゴが大きくていい。

なお、7号電単車の手前の車体は、よく見ると上海の享騎電動車の初代と同じものだとわかる。カゴと泥除け部分が違い、それ以外はまったく同じもの。見比べていただくと良いだろう(「享騎電動車 – 上海の電動シェアバイク」)。

7号電単車のバッテリーメーター。上海の方はこのデザイン、見覚えがおありでは。

7号電単車のバッテリーメーター。上海の方はこのデザイン、見覚えがおありでは。

元祖シェアバイク

一度みたいと思っていても見る機会が無かったのが下の写真。お分かりいただけるだろうか。普通の自転車に、カバーとロック機能をつけた「シェアバイク」である。この写真は「智享出行」という海淀区で展開しているサービス。放置・廃棄された自転車の有効利用としては確かに分かるが、エアーも含め自転車のメンテナンスが必要で、かつ一台ずつ仕様が違い、管理は難しい。ちょうど1年ぐらい前から海淀区で始まったが、その後普及している様子は一切見えない。

見よ、この「付けました」感タップリのシェアバイクを! これこそ! ....

見よ、この「付けました」感タップリのシェアバイクを! これこそ! ….

ま、歴史を見れただけも良かった。(まだサービス提供中。念のため。)

さぁ、北京大学生しか乗れないofoだ

投入されているofoの3分の1から半分弱が専用ofo。車体は見たところ第3世代のofoと同じだが、前輪に「ofo 北京大学」と書かれ、前部フレームに同じくパネルがある。

北京大学の教員・学生だけが乗れる。

北京大学の教員・学生だけが乗れる。写真では写っていないが実際には相当配置されている。

なぜか歴史を感じる。

なぜか歴史を感じる。

ただ、玉砕。QRコードを読み取ったら「先生か学生以外は×」。正直、乗りたかった。専用だとは知っていたが、やはり乗ってみたかった。

中国人の身分証しか乗れないシェアバイクのほうが多い中、お願いして少しだけ乗せてもらい、乗り心地や工夫をひたすら見てきた私。しかし今回のハードルは、身分証が必要ということだけでなく、「北京大学の学生」という、ふぅ、別のハードル。

北京大学のことは北大という。

北京大学のことは北大という。

Mobike は、学生向けに10分刻みの0.1元(つまり1.7円)で短距離移動を取り込もうとしている。キャンパス内では30分移動などほぼ無いので、これもこれで面白いアイデア。学生証がもう一度欲しくなった(何か違う)。

学内のあちこちにこの看板が出ている。

学内のあちこちにこの看板が出ている。

中国のシェアバイクは特許の塊

特許大国になった中国

中国における知財領域においては、代表的には発明、実用新案、意匠について特許権がある。これは日本と大きくは変わらない。その中国は近年、特許出願数が急速に伸びている。特許というものが一気に身近になった。

そういえば数日前の日経新聞にも「中国の特許件数が伸びている」という記事が小さく載っていた。もう何年も前からの傾向ではあるが、中国はもはや特許大国の存在である。一方で、シェアバイクの世界においても様々な特許の出願が行われている。シェアバイクを取り囲む自転車の世界には、デザイン、システム、自転車、鍵、駐輪システムなどイノベーションが起きうる素材が山ほど存在する。なれば自然と特許も増えるだろう。

今回は様々な特許の角度の中から、まずは軽めにスタートしようと、スマートロックの意匠権というテーマで取り上げてみる。発明まわりの注目点も今後しばらく追いかけてみるのでお待ちいただきたい。

MobikeとOfoの状況

この2週間ほど、MobikeとOfoの特許公告を眺めている。暇なのではなく(ここ重要)、このあたりに中国の新しい何かが埋まっているのではないかと考えていて、ココホレワンワンと(言われている気になっている)。

Mobikeについては、自動車設計をヒントにした自転車という話題がたくさん出ているが(シャフトの話など)、実はMobikeだけでなくOfoも大量に出願している。公告されているものだけでそれぞれ発明、実用新案、意匠をあわせて50件程度はある。実際の時間軸としてはここまで約1年。まだ公表されていないものもあるだろうし、出願者がMobikeやOfo本体ではないケースも考えられるため、実際にはさらに多いと考えられる。

中には「これ、発明かな…んーむ」と悩むものもあるが、とにかく取っとけという中国の流れは間違いなくある。私自身は中国の特許については専門外だが、読み進めている限りでは実用新案のハードルは低そうで、見たことがありそうなものでもバシバシと出している。

きちんと分類整理するのは誰かにお願いするとして、ざっとした印象ではMobikeは初期はフレームや車体など「ブツ」を中心に、システムも含めて広く出願している様子。車体に関する発明は圧倒的にMobikeほうが多い。一方のOfoはシステム領域のほうが多く、いわゆる自転車自体に関する特許は少なめ。これはMobikeとOfoのそれぞれの状況を概ね現していると指摘できる。

Mobikeの実用新案公告より

意匠についてはMobikeは自転車が中心。一方、Ofoは自転車が一種類、鍵が3種類、それからQRコードと自転車の番号を表示させている車体番号の板を登録しているぐらい。

変わったものには、Ofoで「自転車のハンドルバーの取り付け補助具」の特許があった。どのように使うのかは説明を読んでもわからないが、おそらく日本語で読んでもわからない。

どうやら、スマートロック(鍵)や基礎的にシステムに関する発明・実用新案・意匠はあらかた出きったようであり、最近の公告を見てみると製造法やフレーム、応用的なシステムの話に移ってきている。

Ofoは鍵をどうしようしたかったのか

ところで、意匠権の公告を見ていると、色々と考えていたのだろうという「痕跡」が見つかる。

上に書いたようにOfoは少なくとも鍵については3種類の意匠登録をしている。先に説明しておくと、スマートロックについてはそもそもMobikeやOfoが自社でデザイン・開発をしているものだけでなく、鍵メーカーが開発したものを採用した実績も多くある。そのため、出回っているデザインの中にはMobikeやOfoが権利を直接持っているわけではないものも存在するわけである。中国のECサイトや関連する企業のWebサイトを見れば、この普及タイプの自転車用スマートロックのデザインにはもはや独自性も何もない。誰かが最初に考えたのだろうが、ベーシックなデザインはコピーが繰り返されすぎて誰がオリジナルなのかにはたどり着けない。

それでは、Ofoが何を登録していたかを時系列で並べるとまず最初はこれだ。一番上のモノクロのものを見ると(CN304011666S)、4桁の数字キーがないことに気づく。Ofoは初期にダイヤル式ロックで展開したことに引っ張られたか、4桁の数字キーでここまできている。NB-IoTでのテスト機を見ても変わっていない。一方でこの意匠の出願時期は昨年3月。数字キーを外すことも考えていたのかもしれない

Ofoが2016年3月に意匠権の出願をしていたスマートロック(鍵)のデザイン。Ofoの特徴である4桁数字キーがなかった。

Ofoが2016年3月に意匠権の出願をしていたスマートロック(鍵)のデザイン。Ofoの特徴である4桁数字キーがなかった。

余談だが、この時期はOfoは代理人を使っておらず自ら申請していた(この後はMobikeもOfoもそれぞれ複数の事務所を使っている)。まだ「スタートアップ」感があった時期だったなと。

見たことがあるデザインだぞ

次に出てくるのは2016年12月に意匠登録を出願していたタイプ。そう、これはこの後、投入されている。4桁の数字キー付き、まさにOfoである。

これは見たことがあるOfoのスマートロック。

そう思っていたのだが、よくよく見ると何かが違う。そうどこか違う。比較してみたところ、レバーの位置が違った。出願されたものはレバーは横についている。しかし投入されたものは表についている。

投入されているバージョン

投入されているバージョン

横より前のほうが良いと考えたわけだろう。ただ、そうならそうと、これも登録したほうが良くないだろうか? なおこのタイプは、レバーの黒い小さなハンドル部分がよく取れている。もう2台に1台はなくなっている。このあと投入された似たデザインのものはだいぶ頑丈になっているのでそれでヨシ。

バッテリー交換可能なタイプが出願されていた

上のスマートロックと同じ2016年12月21日に出願されたものに、別のデザインがあった。これは今のところ採用されている様子は見当たらない。遡ること1ヶ月前、すなわち2016年11月にこの鍵の実用新案も出ている。なんだデザインの違いかと思ったわけだが、実用新案の内容を読んでいくと、このタイプではバッテリー交換を可能にしていた。正確にはバッテリーへのアクセスを容易にしたことがポイントだが、申請書にはメンテナンスプロセス、メンテナンスコストが大幅に削減できるぜ! と書いてある。

バッテリー交換可能なタイプとして実用新案・意匠登録されているOfoのスマートロック

どこにバッテリーが入っているかといえば、4桁の数字キーがある左側ではなく、右側の耳のような部分。ここのカバーを取り外すとバッテリーにアクセスできるそうである。へーへー。

実用新案の資料より。

実用新案の資料より。

どのようなバッテリーを使っているのだろうかと探していたら、最後のほうにバッテリーパックのデザインもご丁寧に書いてある。それがこれ。ドン。

つまり3本の電池を入れましょうということである。

つまり3本の電池を入れましょうということである。

3本の電池用のバッテリーパックを入れ替えられるようにしているということであろう。日本でいう単三なのか単四なのかということは資料には見当たらなかったが、このサイズからすると単四、中国でいう7号だろうか。

斜めからの図

斜めからの図

斜めから見てもデザインは無骨すぎず悪くない。しかし、今のところこのデザインが採用された気配もなければ、6月に参考出品されていた新型の自転車でも見当たらない。日の目を見ることがあるのか、それともお蔵入りなのか。