HELLO CYCLING の電動アシスト自転車

HELLO CYCLING の自転車は?

ソフトバンクグループのOpenStreetが展開するHELLO CYCLING。このHELLO CYCLINGで採用されている電動アシスト自転車の仕様を外から眺めてみたので簡単に整理する。

なお、以下は都内で「シェアペダル」が展開しているサービスの自転車仕様であり、他の地域や時期によって異なる車両が各運営会社によって投入されている。 HELLO CYCLINGのサービスは、スマートロックと操作パネルを取り付けられればどの自転車でも実現できるといわれており、実際に、以下に書く「PASナチュラ」ではなく、PAS CITY-Cをベースにしたサービスなども見かける。(大半のサービスはPASナチュラをベースにしているようだ。)

HELLO CYCLINGの電動アシスト自転車

シェアペダルはヤマハのPASナチュラ

自転車はヤマハの「PASナチュラ」シリーズをベースにしている。

PASナチュラには2017年モデルまではPASナチュラM、PASナチュラXL、PASナチュラXL、PASナチュラデラックスXLの3ラインナップがあるが、MとXL、デラックスXL(2つをあわせてここではXL系という)はフレームサイズが若干違う以外にパーツが異なる仕様である。このナチュラ、2018年モデルではナチュラMしか展開されていない。

HELLO CYCLING用にはこの「PASナチュラ」の市販車とはいくつか異なるパーツのカスタマイズがされているので次にまとめてみた。

仕様を眺める

電動アシスト自転車の仕様は主に以下のとおり。

  • まず、ベースとなる自転車は少なくとも2種類ある。これらはタイヤの太さで見分けられ、26インチの26×1 3/8と26×1 1/2の二つがある。つまり太さがほんの少しだけ違う。XL系は1 1/2、Mは1 3/8なので、ここでベースの車両が違う可能性が見つけられる。つまり、ナチュラMと、ナチュラXL系の二つがあるのではないかと推測する。導入時期の違いだろうか。この太さについては外観からでは分からない。また、ナチュラMとナチュラXL系はごくわずかなフレームのサイズの違いががあるが、それもほぼ外からは分からない。なお、メーカー仕様上はXLのほうがMより2kg程度重い。
  • サドルはテリー型サドルで統一されている。これはナチュラデラックスXLに採用されていたものと同じタイプのようで、これをナチュラMベースの車両にも統一してつけているようだ。耐久性もあるし座ったときの安定感も良い。
  • カラーはホワイト系で統一。
  • 前かごはスチール製のバスケットで統一されている。ナチュラM、ナチュラXL(2017年モデル)に載っているものとは異なるため、これも全体的にカスタマイズと考えられる。
  • 市販車との最大の違いはリアキャリアを取り外していること。二人乗りを避けることを考慮しているのだろうか。
  • スタンドは全ての車両がヤマハでいう「かるっこスタンド」。少しだけ先端が折り曲がっているタイプ。これもナチュラMにはなくXL系に標準採用されているもの。仮にナチュラMもベース車両であるということが当たりであると、統一するようにカスタマイズされているようだ。
  • バッテリーに2つのタイプがある

    バッテリーは大容量タイプと標準容量タイプが混在している。標準容量タイプはX90-20(X90-82110-20)という型番の8.7Ahのもの、大容量タイプはX91-20(X91-82110-20)という12.8Ahのもの。この二つは自転車側の互換性があるのでX90-20に対応している自転車であればX91-20を載せることができる。その逆が出来るかどうかはメーカーの公表資料をぱっと探した限りでは見当たらなかったが、形状や電圧からして可能であるのではないだろうか。

    私が見た範囲では、X90-20のバッテリーを載せている車両は26×1 3/8をはいており、これはナチュラMをベースにしていそうだが、バッテリーと車両の運用がどのようになっているのかは気になるところ。

    大容量タイプの良さは走行距離。バッテリーが走行中に足りなくなる、もしくは切れているという問題の発生を少なくすることができる。確かにコストには跳ね返るだろうが、自転車の使用期間を考えれば一日あたりの金額さは小さく、逆に悪いユーザ体験を減らせるメリットを考えれば、出来るだけ大きなバッテリーを積むほうがよいと考える。

    ファンクションメーターの違い

    ファンクションメーターは少なくとも2種類が確認できた。これは、市販車で比較すると2017年モデルとそれ以前のモデルの違いによる。

    従来のファンクションメーター

    2017年モデル以降で採用されている液晶ディスプレイ型のファンクションメーター

    新しいファンクションメーターは液晶ディスプレイにほぼ全ての情報が表示される。2017年モデルの市販車でも試したところ液晶ディスプレイの見やすさは昼間でも十分にあった。どちらのメーターの車両にのってもユーザ体験は大きく変わらないだろう。

    リアブレーキ

    これは市販車と同じ仕様。どの自転車も共通してシマノのハブローラーブレーキであるBR-IM-31Rが載っている。

    シマノのBR-IM-31R。多くの自転車で使われている。

    我が家でも同じブレーキの自転車があるが、経験上、相当程度乗らないとブレーキ鳴りがするほどにはならない。たとえ音が鳴っても黒いキャップを外してローラーブレーキ用グリスをいれれば普通は鳴りはなくなる。高温注意と書いてあるが、特に長い坂道をブレーキをかけながらずっと降りてくると外側も本当に熱くなる。

    そもそもこのレンジでバンドブレーキを使っている自転車は見当たらないが、シェアバイク用の自転車として考えると若干パーツが高くてもこうした部品を採用している自転車は結果としてメンテナンスの箇所や頻度を下げることに繋がるかもしれない。

    スマートロック

    HELLO CYCLINGのスマートロックは、もともとフレームのシートステイ部分にあるロック用の台座に載せられる形状になっている。

    スマートロック部分。もとからある台座にそのまま載せている。

    リアキャリアがあるとこのスマートロックにアクセスがしにくいということにも気づく。二人乗り防止という意図以外にもリアキャリアはいずれにしても外される運命か。

    ICカード用の操作パネル

    HELLO CYCLINGは操作パネルで暗証番号を入れるかICカードのタッチで借りることができる。この操作パネルは日本語、英語に対応している。(説明では中国語、ハングルにも対応していると書いてあるがサービスの実利用では確認できなかった。無効化されているだけなのかもしれない。)

    操作パネル。ドコモバイクシェアと違い、ロック部分と分離している。

    少し気になるのは、この操作パネルの電源をバッテリーから取っているのだが、給電のためのケーブルをたどっていくと白いコネクタが2つ外側から見えること(いわゆる4ピンコネクタのようなもの)。ピンの数までは外からみては分からなかったが汎用のコネクタであるとみられ、いたずら防止や防水などを考えると何かしらカバーをとりつけたほうが良いのではないだろうか。もちろん、ケーブル類はインフレームにしない以上そもそもハサミでのいたずらのリスクは付きまとうものなのでどこまで気にするかということはあるが。

    白いコネクタ。よく見ると3ピンのと4ピンのがある。

    白いコネクタ。よく見ると3ピンのと4ピンのがある。

    (追記: 2018/2/7) 白いコネクタを露出させずにバスケット(カゴ)部分に少し隠れるようにしている自転車もある。

    市販車をベースにしつつ細部に提案が感じられる

    一見すると市販車からリアキャリアを外しただけのように見え、さらに一車種で統一しているかのように見えるところ、このようによく見ると市販車からのカスタマイズや車種、バッテリーの違いがわかる。

    ラック部分に白線が引かれている場所もあれば、ラックだけの場所もある。

    自転車は、こうして眺めているだけでも、その裏側で誰かが何かを考えたり工夫した結果が感じられ、面白い。

シェアバイク用自転車のグリップ

グリップ部分に注目する

今回は中国のシェアバイクの自転車の「にぎり」という部分に注目する。その名のとおりハンドル部分の握る部分、グリップなどと言われるところである。「にぎり」という表現は一般には分かりにくいのでここでは全てグリップと表現する。

横から見たmobikeのグリップ

横から見たmobikeの自転車のグリップ。この写真では2種類が見える。

mobikeやofoに限らず中国のシェアバイクの最近の自転車を見ていただきたい。グリップの形状がストレート(円筒形)だけではなく、握りやすさを考えたものが多くみられるようになった。各社は様々な形状のグリップデザインを投入してユーザの反応を得てきたようだが、どうやら特にmobikeやofoの2社の自転車では車種は違えど各々デザインが落ち着きはじめているようにも見える。(ほかの会社は事業が落ち着いていない)

一方、私たちが日本でよく見てきた日本のシティサイクル(いわゆる「ママチャリ」)として売られている一般用自転車を見るとグリップはほぼすべてが円筒形のもの。これをベースにした日本のシェアバイク・レンタサイクルでも、あえて形状を変えた動きはない。

中国の動きを見ていると、mobike liteとしてチェーン型の自転車の料金設計を分けていた世代の初期では円筒形のグリップだったが、その後はほぼ握りやすさを考慮した形状に変わってきた。

ただこれらのグリップ形状は決して珍しいものではなく、日本でも各自転車メーカーがオプションで販売していたり、パーツだけでパーツメーカーが扱っているものが多くある。人間工学設計、エルゴノミックというあたりでグリップを検索すれば商品はたくさん出てくる。一般車ではわざわざ取り替える人は少ないようにも思うが、クロスバイクに乗る人の中には様々な形状のものの中から選ぶ人もみられる。

(なお、今回の話題はあくまで一般用自転車のグリップの話に対象を絞っているため、ロードのバーテープの話やクロス用のグリップの話はあえてスコープからは外している。あくまでシェアバイク用の自転車のお話し、ということでご理解を。)

なぜグリップが必要か

言うまでもなく、金属で出来ている自転車のハンドルバーはそのままではツルッツルである。そのままでは雨や汗で手が滑ってしまうことも考えられ危険である。

日本における自転車規格は、主として標準化を目的としたJIS以外にも安全性などを目的としてJISをベースにしたものが複数あり、ここでは個別に詳述はしないが、にぎりについても一部触れられている。その中でも主だったものとしては

  • JIS規格(自転車 にぎり、JIS D 9413:2011)
  • SGマークにおける安全性品質のうち操縦部における規定

などがある。

JISではその形状についてまでは細かく定めてはいないが、にぎりの口が裂けないか、引っ張っても抜けないか(離脱力)、構造的にくるくるとグリップが回らないようになっているか、エンドは丸みがあるかという点などに限られる。サイズは円筒形のものが複数例表示されているが、推奨寸法でしかなく決まりがあるわけではない。すなわち各メーカーによる工夫・デザインの余地が存在する。

一方のSGマークでは例えば「一般車では、ハンドルバーの両端はグリップ(にぎり)、エンドキャップで覆われていること」とし、その他の規格はJIS準拠としている。一部の自転車を除けば一般車ではグリップのないものを販売店で見ることは無いので、はじめから「ある」ものである。

まずは今の中国のシェアバイクから見てみよう

mobikeは、車種の違いがあっても2017年秋以降に最近投入されている車両は全てこの形状になってきている。mobikeの車両の系譜は主にシャフトとチェーンの2モデルに大別され、このうちシャフトは現在までに3世代、チェーンはmobike liteの初期モデル、中期モデル(現在最も多くみる車両)、塗装が変わった最新モデルの3世代に分かれている。このグリップはシャフトの2モデルめ以降と、チェーンの中期モデル以降で共通だ。

最近のmobikeで全般的に採用されているグリップ

当初のmobike liteのDNAを引き継ぐ標準仕様車。チェーン。

昨年末から投入が始まった新仕様車。チェーン。上のどちらも同じグリップが採用。

一方、ofo用の車両は製造メーカーの数がmobikeの2倍以上あるのと、そもそも自転車の車種がメーカーごとに細かく分かれており、採用されているパーツも多様である。2017年秋頃までのofo車は円筒形のものが大半だったが、その後変化してきた。

直近の自転車に採用されているグリップは、下の2つのいずれかの写真のグリップが使われ始めている。1枚目のものより2枚目のもののほうが、親指から中指までの3本で「握れている」という感覚がある。逆に手が小さい方ならば1枚目のもののほうが良さそうだ。

ofoの直近のグリップの一つ。やや全体的に太め。

ofoの標準的なグリップのうち一つ。

他のシェアバイクのグリップを見てみると

北京で急速に台数を伸ばしている「便利蜂」の1次車と2次車(1次車は初期に数百台だけ作られ、2次車はほぼ同一デザインで万単位で製造されたもの)は、このように大きめのグリップを採用している。

なかなかここまで大きめのものを使ったことがなかったので最初は違和感があったが、手のひらをちょんと置けるので決して悪くはない。ブレーキの制動力にどの程度影響するのかは分からないが、便利蜂自体が買い物ユーザを意識したサービスであり、大きめの前かごを採用していることから、主として女性を意識しているのではないだろうか。

便利蜂の1次車、2次車で共通のグリップ。

次はbluegogo proに採用されていたグリップである。手元の写真素材では残念ながら全部が写っているものが見当たらなかったが、個人的にはこのグリップが一番握りやすい。もっとも、人によって手の大きさが異なるので握りやすさはかなり個人の主観によるところ。とはいえ、bluegogo 自体は車両には細部にこだわりがあったので色々と本当に惜しい。既に投入が始まっているdidi仕様車の今後に注目である。

bluegogo proに採用されていたグリップ。

bluegogo proと同じく内装三段の変速付き自転車で似ているところでは香港のHobaBikeがあるが、これも似たようなグリップ。シマノのNexusのレボシフトとデザイン的に一体化している。

香港のHobaBike。bluegogo proと同じくシマノの内装三段を採用。

そして比較的見慣れている円筒形のグリップ。7号電単車と享騎の初期車に使われているもの。ただこれらはいずれも電動車で、自転車としてのグリップの意味合いとは異なる。スクーターのスロットルグリップと同じで手首を回転させる必要があり、グリップエンドを太くしたり形状を変えると回転させにくくなる。7号電単車と享騎の電動車は単に自転車の形状に近いだけであり、こうした電動車の車両では大きな形状の変化は今後も考えにくい。

7号電単車と享騎の1次車に共通のグリップ

劣化や傷の影響

普通の自転車にのっていてもグリップは経年劣化でぼろぼろになったりベタベタになることがある。シェアバイクの場合には一年中外に置かれ、さらにはなかなか丁寧に扱われるわけではないために乱暴に扱われやすい。倒れされたり、再配置の際の積み込みなどで傷がつきやすいともいえる。

まだ現時点でそこまで傷だらけのグリップに出会ったことはないが、1-2年のうちに初期投入車から順に目立つものが増える可能性がある。シェアバイク用の自転車という特性上、チェーンやホイールのトラブルだけでなく前かごやグリップの損傷も丁寧に意識する必要があると考えているが、車両自体を次々に交換する方法をとるのか、それとも丁寧にパーツのメンテナンスをするのか、その対応方法も注目している。

北京のシェア電動車事情

電動車のシェアリング

電動車。mobikeが今月から電動の自転車を投入し、中国のシェアバイクは次のステージに行こうとしている。電動車とはその名のとおり電気で動く二輪車。日本のスクーターの形をしているものもあれば、自転車にモーターがついているだけ(日本の電動アシスト自転車がアシストではなくそのままスクーターのように走るとイメージしていただくとよい)のものもある。とにかく様々なデザインのものがある。

北京では昨年夏ごろからこの電動車のシェアリング(共享电单车または共享电动车)が出始めたが、上海で見かける享騎のように自転車型(ペダルがあり、フレームが自転車のかたちをしているもの)と違い、北京に生息するシェア電動車は7号电单车を除くといわゆる電動スクーターに近いかたちである。

私が確認してきた限りではこの1年で6社のサービスが北京に登場し、少なくとも2社は現時点でもサービスを提供している。ただし、いずれも外国人はサービスは利用できない。(パスポートでは登録できず身分証番号の登録が必要であるため)

北京の場合、電動車の走行が禁止されている道路があったり、そもそもの(1)電動車のコスト (2)電動車が北京で本当にどこまで必要なのか(電動車が移動できるエリアは制限がある一方、そのエリアは自転車でも十分に移動できる) を考えると、シェア電動車の伸びの期待は上海のそれとはだいぶ環境が違う。

北京における各社の動向

北京の状況を一つずつ整理してみよう。ここでは

  1. mango(芒果电单车)
  2. mebike(小蜜单车)
  3. deer bike
  4. ponygo

の4つのサービスについて眺めることにする。

なおdeer bikeは後述のとおり既に北京でのサービスを終了している。これ以外にも似たサービスはいくつかあるが、たとえば松果电单车は北京にいる(いた?)ことになっているが見たことがなく外している。さらに7号电单车は北京に来ているが、普段の私の生息地ではなく五道口、中関村のほうに多く投下されており日々の動きをウォッチできておらず外させていただく。小ネタとしては、7号电单车と享騎の初期の車両は同じ自転車を採用している。また北京は上海と違ってナンバー規制がないためいずれのバイクにもナンバーはついていない。

ところで、ponygo は北京で登場してから1ヶ月程度であるはずだが、そもそも公式アプリがダウンロードできず生態系がよく分かっていない。私が見てまわった感覚では、当社のオフィスがある周辺で東三環路の三元橋から三里屯あたりまでの南北5キロ、幅1キロぐらいではおよそ数十台はありそうだが、100台はまだないぐらいの台数。走行している様子は一度も見ていないが車両自体は使われている様子はあるので、探し方が足りないだけの可能性がある。

これ以外には、昨年の記事ではあるが

の2つの過去記事をそれぞれご覧いただきたい。

よって、北京という中国の中でも限られた場所での様子をまとめている点、ご理解願いたい。中国は広いのだ。

芒果电单车(mango)

北京で生存が初めて確認できたのは2017年7月。黄色の車両に黄緑色のリアフェンダー(泥除け)が特徴だ。およそ25cm四方の前かごとステップ部分のバッテリーという至ってノーマルな電動車。

mango

mangoのシェア電動車

車両は新日(江苏新日电动车股份有限公司)のもので間違いないと思われる。新日の車両は街中でもよく見かける大衆車でトップメーカーの一つ。ECサイトで見ると似たような車両が2000元前後ぐらいで売られており、現実的に見積もっても一台あたり1200-1500元ぐらいが投入コストだろうか。16インチのホイールをはいている。

299元の保証金で、1分あたり0.15元+1キロあたり0.35元という距離+時間の併用制。停めてはならない場所、走ってはならない場所、そもそもサービスエリア外という3つのエリアはアプリ上の地図から確認できる。今回書いている4社のサービスの中では最もアプリの出来も運営もしっかりとしている。

小鹿单车(DEER BIKE)

続いて2017年9月に登場したのがDEER BIKE。ただしわずか2ヶ月の命だった。10月23日までにはサービスを停止し、もはや北京市内で DEER BIKEの車両は見られない。

出たての時に書いた記事はこちら。まさかそこまで早くいなくなるとは。

在りし日のDEER BIKE

在りし日のDEER BIKE

料金体系は2キロまで1元、そこからは1キロ0.5元。エリアから出ると1分3元という距離制料金。乗っている人も9-10月はチラホラ見たが、そもそも投入台数も多くなかった。

車両はペダルあり。14インチのホイールをはいていた(14×1.75)。メーカーは判別しない。手元の2017年版のカタログを見ても似たようなフレームは見当たらない。使われているパーツが圧倒的に北京・天津方面のメーカーで固められているので工場は天津あたりで間違いはないと思われる。

その上で、ほぼこのメーカーだろうと推測できるのは索罗门(SOLOMO)。ここは北京の自転車・電動車メーカーで、天津の武清に工場をもつ。パーツだけでは何ともいえないが、インフレームのバッテリーのデザイン、同一のシートでデザイン性が全体的に似ている。十中八九当たりではないか。今度聞いてくる。

報道によると、北京から持ち出された車両はその後河南省の洛宁の街に12月に移動されたようだが、1月に入って自転車が湖だか池だかに放り込まれている写真などが微博に上がっており、あまり歓迎されている様子はないのが心配だ。今日アプリで生存を確認してみたところ、洛宁にある車両は確かに反応しているが、さてさてどの程度使われているのか。

DEER BIKEのアプリの画面から見える洛宁での様子

DEER BIKEのアプリの画面から見える洛宁での様子

なおDEER BIKEにも細かく見ると2つの型が存在しており、その見分け方の一つは後期投入型にはフロントライトが搭載されていたり、バッテリーのコネクタ部分にカバーが付けられたりしていたことで確認ができる。

DEER BIKEの後期型

DEER BIKEの後期型

小蜜单车(mebike)

mebikeは生存している。先週、新車に偶然出会いもした。2017年9月に北京市内で見かけるようになり、10月頃には台数がだいぶ増えた。299元の保証金で、2.5元からスタート。1分あたり0.15元+1キロあたり0.4元という距離+時間の併用制だ。エリアから出ると25元が一律で課金される。利用前には10分以内の予約が可能で、一日あたり10回まで予約取消が出来る。

調べてみた限りでは北京と重慶、南京、合肥で車両投入が今日現在で確認できているが、他にももう少しありそう。(投入したはずの街でも確認できないものもある)

mebikeもどうやら2種類の型があり、昨年投入された型ではシート下部分にバッテリーを搭載しているが、1月に入って確認できた型ではステップ部分にバッテリーが確認できる。新型のメーカーは新日で確実だが、旧型のメーカーは確定できる情報はない。また旧型の車種は、後述するponygoの現行車両と同一のフレームである。(若干、後輪の仕様などが異なる)

mebikeの初期投入型

mebikeの初期投入型

mebikeの新車

mebikeの新車(2018.1確認)

優しいのは予約時に走行可能距離が分かること。以前に書いたドコモの自転車のバッテリー残量が確認できないという記事と中国のサービスの比較記事 (http://www.iemoto.com/2017/10/docomo-cycle/)を見ていただきたいが、これぐらいの表示で十分である。見ていると5km単位ぐらいだがこれぐらいの大雑把さでいい。

大まかな走行可能距離が分かるよ

大まかな走行可能距離が分かるよ

このmebike、初期の頃に南京に投入していた車両は現行の型とはまったく違うもの(以下の2枚は公式Weiboから)。

南京に投入されたときの初期のmebike

南京に投入されたときの初期のmebike

そしてこんな自転車まで検討しているようだ(実戦配備はされていない)。

mebikeの電動自転車のデザイン案

mebikeの電動自転車のデザイン案

mangoに並ぶぐらいに運営とアプリの出来がしっかりとしており、しかも全国展開がもっとも速く今後の展開が期待される。

小马单车(ponygo)

さて、もっともよく分からないのが小马单车(ponygo)である。そもそもponygoは昨年夏に北京で突如「真っ赤」な自転車を投入してシェア領域に参入してきた。チェーンまで赤く、センスという以前に何を訴えたいのかよく分からない自転車だった。ポニーを現したいのかもしれないがザリガニだよねという声も。

自転車版ponygo (Source: PCPOP)

自転車版ponygo (Source: PCPOP)

この自転車、スマートロックの形状が特徴的で、電池パック部分がいかにもゴツい。正直なところ自転車としての特徴はそれ以外には特になく、しかも「鍵が開けられない」という投稿が相次ぎ、私自身は少なくとも一台も見かけることなくどこかへいってしまった。赤いチェーンも今頃は既にだいぶ錆びているかもしれない。

昨年夏ごろであれば1-2ヶ月でいなくなるプレイヤーも珍しくなく、お金もつきたか、と思ったら、なんと思わぬ方向からボール飛んできた。電動車を投入してきたのだ。冒頭のとおり2018年の年始になって台数が増えてきており、自転車で5分移動すれば1台は見つかるぐらいの頻度になりつつある。

ponygoの電動車

ponygoの電動車

2台が並んでいるところも。

2台が並んでいるところも。

ところが使いようがない..。iOSのアプリは(これだろうと思うアプリは)サーバへの通信に失敗して使い物にならず、Androidアプリは過去に自転車時代にAPKが配られていた様子があるがまともにダウンロードできるところが見つからない。調べてみるとどうやら「宝驾出行」というシェアカーのアプリで自転車時代は解錠できたようなのだが、実際のところ車両に目新しさがあるわけではないため特に乗りたいわけでもなく早々に諦め。よっぽど暇なときに見つけたら再度試してみる。どうなるザリガニ。

中国で夜にシェアバイクに乗るときにはライトをつけよう

法律に書いていない

中国の自転車はライトの装着が求められていない。中国の道路交通安全法実施条例では自動車などエンジンが搭載されている車両までの範囲ではライトの装着が義務付けられているが(第58条)、自転車にはこの義務が見当たらない。ないのでメーカーはライトをつけて売らない。シェアバイクがというわけではなく、そもそも自転車全体の話。自転車工場に行って話しを聞いてみると、「中国向けは法律で必要とされていないからつけていない」というごく当たり前の答えが返ってくる(わかって聞いててごめんなさい)。

シェアバイクに目を向ければ、もちろんmobikeやofoなど海外に展開しているシェアバイク企業はその現地の規制にあわせており、mobikeの日本向けや、いつになったら日の目を見るかわからない日本向けofoの車両にもライトがついている。近いところでは香港も台湾も同様。

一方、ライトが必要だという認識はそれなりについている。その証拠に中国国内のライトメーカーブランドも増えてきているし、ECサイトを眺めれば自転車用ライトはたくさん売られている。たとえばFerei(飞锐)Fenixあたりは街で見かけることがある。

暗闇を走るのは本当に怖い

いくら法律でライトが必要ないからとはいえ、暗闇を走るのはかなり怖い。自転車同士や歩行者との衝突がこわいという次元ではなく、突然電動車(電動の原付みたいなものから自転車に近いものまで)が音を立てずに前から後ろから横からやってくるのが中国なので、こちらの危険を避けるためにもフロントもリアもライトは欲しい。リアは特に後ろからの衝突ゴッツン対策。

まぁ、ここまで(シェアバイクに限らず一般の)自転車が出回ったあとに「ライトつけようね」というのを中国ではいまさらできるかーという気もするわけで、こうなったらせめてシェアバイクにだけでもルール化すべきではないか。ライトも売れるからライトメーカーもハッピー、みんなの安全対策にもなってハッピー。

ライトを持っていよう

本当はリアもライトがほしいが、こちらはシェアバイクではリフレクター(反射板)がある。よってせめてフロントはと思うと、もはや自前のライトを持つしかない。

ということで私は中国にいるときにはカバンに自転車用のライトをいれるようにしている。取り外し忘れることもあろうかと、値段は低めのものをチョイスした。

ただ、日本で売っている数千円以内の製品の多くはマウントをつけてからライトを固定するものが多い(こちらでは数十元ぐらいから買える)。いちいちシェアバイクに乗るたびにネジやバンドの固定をし、さらにライトをつけるというのはやや面倒だ。もちろん固定するという意味では安心感があるので常用する自転車ならば当然そのほうがいい。しかし乗るのはシェアバイク。付け外しが簡単でなければならない。

私はこれを選んだ

そこで、(探せばいくらでも近いかたちのライトはあるので珍しくもなんともないが)私はバンド固定式のライトにしている。するっと取り付けられるし、ハンドルバーの太さが自転車によって違えど調整もききやすい。

バンド固定式のライトがいい。

バンド固定式のライトがいい。

取り付けるとこのようなかたちになる。これで十分。ものの5秒で取り付けられる。シェアバイクを安全な移動手段として利用するためにも、中国で自転車に乗る際にはぜひライトを一つ。

mobikeの車両に取り付けたところ。

mobikeの車両に取り付けたところ。

あとは手袋

もう一つ付け加えるとするならば冬の季節、手袋も必須。そもそもこの寒い時期、中国の北のほうでならば自転車に乗るわけではなくとも持ってこられているだろうが、たとえ10分の移動でも気温がマイナスになる地域での自転車移動で手袋なしには無理がある。なのに手袋なしで走っている人がなぜか多い! 指先は大丈夫なのかとこっちが勝手に心配になる。

そして今日、mobikeから手袋が届いた。たくさん乗ってポイントを稼ぎ、それにいくばかのお金を払うと送ってきてくれるポイント交換アイテム。今週からポイント交換レートが悪くなったようですべりこみセーフ。

mobikeの手袋

mobikeの手袋

昨年末に出たときには男性用、女性用ともに一瞬で品切れになりすぐに申し込めなくなったところ、年が明けてから再度申し込みを受け付けはじめ、ようやく手に入れた。

ofoもこういうオフィシャルグッズを作ってくれたら..。

日本に輸入される自転車の大半は中国から

輸入自転車はどこから来ているのか

2017年は中国国内の多くの自転車工場を巡ってきた。シェアバイク領域はオレンジ色と黄色で決着がついたかと思いきや、滴滴によるbluegogoの買収のニュースが飛び込み、青色復活の兆しがでてきた(どうもほぼ何も引き継がないようだが)。今年も中国の自転車工場は急がしそうである。

さて、自転車の話をしていると「えー、日本製の自転車のほうがよくない?」「イタリア製の自転車かっこいいよね」「アメリカ製のがいい!」というお話しが身近なところからたくさん聞こえてくる。自転車がお好きな方にとってはブランドの国籍と製造国が一致しないことはもはや当然中の当然、という話だろう。ただ、自転車を普段利用するだけという一般ユーザーにとってはどこかで聞いたことがある、ぐらいの話でしかないかもしれない。あるいは、そもそも意識したことさえないかもしれない。

イタリアやアメリカの国旗が並ぶのだが

眺めているだけ幸せになれるロードバイクのカタログ本『ロードバイク オールカタログ 2018』(エイ出版社)を開くと、ブランドごとに整理されたページを見れば国旗は豊かにさまざまななものが並ぶ。先週末、ある自転車店で1時間以上話し込み、試乗してドキドキし、そして最後に「キャンペーン中ですよ!」という甘い言葉に危うく(!?)「買う!!」と言いそうになったのがドイツブランドの自転車。でもそれはドイツで作っているわけではない。余談だが、そのカタログムックは危険である。物欲が刺激されすぎる。そして家人に値段が見えるのはよくない。値段部分は暗号化しておいてほしい。

そう、実際には高い単価の自転車以外にはイタリアやアメリカからの輸入車はほぼ存在しない。20-30万円ぐらいの自転車でもかなり難しい。それどころか、完成車はほぼ中国からの輸入である。1台あたりの輸入単価がそれを裏付けている。

アメリカの貿易統計を眺める

さて、貿易統計の時間がやってきた。今日はまずアメリカの貿易統計(USA Trade Online)で日本向けの輸出を調べることにする。

2017年1月から11月までの11ヶ月間でアメリカから日本に輸出された自転車の台数は合計2,575台。アメリカの貿易統計では25インチを超えるか超えないかで分類(輸出)が分かれるが、ロードバイクやMTBなどはほぼ25インチを超えるとして、該当する「8712002600」を眺めていく。その数、858台。1台あたり2,281USD。

アメリカの貿易統計での日本への自転車輸出(2017/1-2017/11)

アメリカの貿易統計での日本への自転車輸出(2017/1-2017/11)

この輸出単価からわかるとおり、まず輸出側から見ても比較的価格レンジの高い自転車が輸出の中心であるということがわかる。なお、アメリカの貿易統計はFAS(船側渡)価格であるが、FOBと大きな差はない(と、貿易会社もあるのに大雑把なことを言ってみた)。

次に日本の貿易統計を眺める

続いて、日本の貿易統計で輸入状況を確認する。今日も手間を省いてCSVをExcelに落としたものを切り取る適当さをお許し願いたい。日本の貿易統計ではロードバイク等のスポーツ車が「その他」なのでアメリカの貿易統計とブツけると分かりにくいのだが、同じく2017年1月から11月までに輸入され通関した自転車の合計数は649台。

日本の貿易統計。アメリカからの輸入。(2017/1-2017/11)

数字が合わないわけだが今日は重要な論点ではないので置いておく。このような論点については『貿易統計の不整合問題』(小坂・布施・鹿島, 2011)などがある。

そこでほかの国を眺めてみよう。イタリアは11ヶ月合計で313台、ドイツは同じく641台だ。なお、特に貿易統計でロードバイクまわりを見る場合にはその他の分類である「8712.00-299」を、マウンテンバイクやロードバイクは「8712.00-100」を見ればよい(細かい点は後述)。

同じくイタリア

ドイツからの輸入(2017/1-2017/11)

ところがこの期間、中国からは全数で612万5,706台、台湾からは13万3,206台である。残念ながらアメリカ、イタリア、ドイツなど自転車ブランド国とは数量の単位がかけ離れている。

11ヶ月間の国・地域別ランク(自転車輸入台数)

11ヶ月間の国・地域別ランク(自転車輸入台数)

ただし、一台あたりの単価は圧倒的に違う。前述の8712.00-299に対象を絞れば、中国からの単価は1台あたり11,581円、台湾からは70,266円のところ、ドイツからでは286,184円、イタリアからでは381,102円、アメリカからは426,584円となる。欧米からは高級な自転車の輸入が中心である、ということがわかる。

「その他自転車」の地域別ランク(自転車輸入台数)。その他といっても色々入ってる。

「その他自転車」の地域別ランク(自転車輸入台数)。その他といっても色々入ってる。

統計の読み取りには注意が必要

上の表を読み解くには少し難しい問題もある。8712.00-299にはロードバイクだけでなく、「外装変速機付軽快車」と「ジュニア用マウンテンバイク」も含まれる(日本自転車産業振興協会)。「外装変速機付軽快車」とは、簡単にいうとギアが外側に見えるタイプの変速機付のママチャリである。ところがロードバイクとママチャリ、となるとこれらは単価が違いすぎる。そしてドイツやイタリアから変速機付ママチャリがきているわけではない(!)。つまりドイツやイタリア、アメリカからきている自転車は、その単価が示すようにほぼロードバイクだと推測できる。一方、中国からはロードバイクもママチャリもジュニア用マウンテンバイクも全部来ている。分類が一緒になってしまったせいでもはや何がどうなっているかは日本側では読み取れない。

他方、ロードで比較しても同じ「自転車」とはいえ、フレームやコンポだけでなくありとあらゆるものが違うものであるといえる。輸入量や輸入価格から見れば販売価格が10万円を切るものの大半は中国から輸入されているということは明らかだ。もっとも、中国が安い自転車しか生産していないということを言いたいわけでもない。中国も高級ロードバイクの人気がどんどん上がっている。それはECサイトを眺めてみても、専門サイトを見ていてもわかる。

先日深圳の自転車展示会に行ってきたところでは、このような自転車も見かけた(販売価格は聞いていないが、上のはコンポまわりみるとお安くはなさそう)。

MISSILEという深圳のブランド

こっちは105が載ってる。おそらく5500元ぐらいのモデル。

カンボジアだ。

ところで貿易統計は常に新しい発見を提供してくれる。カンボジアだ。

カンボジアからはこの11ヶ月で1,595台の自転車が輸入されているのだが、実は世界的に見るとカンボジアが自転車の生産拠点として拡大している。日本向けは僅かであるが、世界では既に上位に入る生産国になりつつある。

その主な仕向地はEUだという。少し古いが日経の記事(2015.9.26)によれば「カンボジアの自転車輸出額は4.2億ドル(約500億円)で、10年に比べ約6倍に急拡大」という。確かに、台湾メーカーを中心としてカンボジアに生産拠点を展開してきた報道がいくつかみられる。(もともと自転車産業に限らず台湾企業のカンボジア展開は大きい)

カンボジアの統計を調べようと思ったが、カンボジアの税関のWebでは残念ながらまったくデータに到達できない。eurostatあたりを探すとして、これらは後日にとっておくことにする。

自転車創業さんへの出資と自転車領域への姿勢

自転車メディアなどを運営されている

「FRAME」という国内屈指の自転車メディアなどを展開されている自転車創業さんに出資させていただいた(TechCrunchでの記事はこちら)。

社長の中島さんにお会いして事業のストーリーを伺った瞬間からご一緒したいとビビっときた。メンバーも皆さんすごい。取り組むべき場所も、気づかれている方向性も共感する。共感どころか、学ばせていただきたいと思った。さらには社名のネーミングセンスにもひっくり返りそうになった。社内でこの話を説明したら全員がまず社名に驚いた。スタートアップにとって印象に残る社名は絶対的に強い。出資させていただくことに至って本当に幸せである。

自転車創業さんの事業内容は記事などにお任せするとして、今日は今後のクララオンラインの自転車領域への取り組みの意欲を残しておきたい。当たり前だが、クララオンラインがなぜ自転車なのか、何を見出したのかは皆さんにとってクエスチョンマークだらけだと分かっている。

本当はずっとクエスチョンマークだらけのままでもいいと思っていたが(気づかれたくないので)、12月に入ってそれは違うと気づいた。私の気づいていない多くの知恵を頂いたほうが実現性が高いと感じたからだ。

自転車が来る。2018年は日本は「シェアバイク元年」になる。

この iemoto BLOGをお読みいただいていもお分かりいただけるとおり、最近の私の頭の中は「自転車×社会」というキーワードに占められている。仕事でもシェアバイクのコンサルティングに関わり、中国で自転車工場にあちこち回り、中国に限らずあちこちのシェアバイクをなめ回すかのように見てきた。

ところが、クララオンラインが取り組むcross-borderでのborderは国境と既成概念の二つだといい続けているのだが、「自転車×社会」にはまさに隔たりがある。長年、日本では自転車は便利であれど行政的には扱いにくい存在としてみられてきた。

しかし、2017年5月の自転車活用推進法の施行、中国のこの1年半のシェアバイク市場の急成長、そして来年いよいよ日本でも大きく広まるだろう「eBike市場」、そして環境や災害時対策だけでなく二次交通課題の対応としても自転車は注目を集めている。すくなくとも日本は自転車市場に劇的なイノベーションはなかった。むしろ自転車産業は弱まる一方だった。ついに自転車の流れが変わろうとしている。

自転車×バッテリーでイノベーションが生まれ、通信と位置情報と電子決済で進化した

まず、電動アシスト市場の成長はご存知のとおりである。街中で見る電動アシストの数は明らかにこの5年で増えた。それは決して偏った見方ではない。まず世界の自転車産業は年率3%程度で伸び、2022年には349億ドルになるという(Lucintel, 2017)。世界でみれば衰退産業ではない。さらに、街中で見る量が増えているのは数字が裏付けており、日本国内の電動アシストの市場は対前年比で1割以上伸びていのだ(GfK, 2017)。

ただし、いわゆるママチャリ・街乗りのレンジである1万円台の自転車の出荷台数や売上規模はどう考えても伸びないし、実際にそうなっている。世界の自転車生産を支える中国も、今回のシェアバイクブームがなければかなりの数の工場が倒れていたはずである(功罪あるのでこれはまた別に書く。低い価格レンジの自転車だけの生産で今の自転車のバリューチェーンは到底支えられない。)

具体的には、市場を牽引するのは電動アシスト領域と、電動アシストのユニットが搭載されるロードバイク・クロスバイクの領域。Boschが日本市場向けにも2018年からついに電動アシストのユニットの投入をはじめるが、eBikeと呼ばれる領域に関心が集まる理由の一つはこのユニット市場がついに国内メーカーだけでなくグローバルメーカーも供給を始めるということだ。自転車産業は水平分業が歴史的にみられ、こうした新しい動きが完成車のモデルにも影響を及ぼす。もちろん、電動アシストユニットをつけていないロードバイクの領域も素材やデザイン面での変化が進み、高級路線を中心に単価の高い自転車領域も伸びる。

そして中国ではシェアバイクでの変化がきた

1年ほど前、mobikeがバッテリーとソーラーパネルと通信機能と位置情報を自転車に組み合わせ、市場に大量投下した。ofoも追いかけて通信機能と位置情報を組み合わせた。これで絨毯爆撃並みに中国はオレンジ色と黄色に染まったわけである。この間、言葉通り「鍵」となるスマートロック自体の製造メーカーも広東を中心に増え、単価も下がってきた。そして中国は世界でもっとも早くNB-IoTがくる。

しかも中国政府がこの大きな流れを止めなかった。全体的には受容し、細かなところを整えようとしている。ルールは夏以降に次々と出てきているし、日本の報道で出てくるような無茶苦茶な駐輪状態は、地方政府単位でだいぶ改善しようという流れがある。投入量が多すぎる場合には減らせといい、強制的に撤去させたり投入数を制限したりもしている。

この変化を起こしたイノベーターは私などより若い2人である。mobikeは1982年、ofoは1991年生まれの創業者である。中国はこの若い2人の挑戦を許容し、同時に自転車という中国でも実は相当古い産業の一つに若い世代が切り込んだ。

自転車と社会というBorderに取り組む

クララオンラインはインターネットインフラの会社として経営基盤を作ってきた。そして10年以上前に中国に進出し、一度は失敗しながらも中国と日本でのお客様のビジネスの架け橋・先導役になろうと取り組んできた。この間に、日本が中国に進出する目的は大きくかわり、低コスト工場の中国から、市場の中国になった。ところが、早くも次の段階にある。タイムマシン経営が「China to Japan」で成り立つ状況にあるのである。

深圳の記事を書くとそれに違う方向から反応する人がいたり、中国すごいという記事に対して何を限られたところを見ている、という人もいる。私の身近にもいる。しかし経営という立場から見れば、2017年は恐ろしいほど立ち位置が変わった。どうかそういう日本のビジネスパーソンには気づいてほしい。タイムマシンが全ての正解ではないが、日本が20年見てきたSilicon Valley to Japanだけじゃない。China to Japanがもはや成り立つ。加えてLocalizeは欠かせない。それがまさに前稿の駐輪課題であり、あるいは走行ルールの課題である。

モビリティとしての自転車、IoTとしての自転車

私は自転車のモビリティとしての進化、スポーツ競技としての存在に興味をもつのは当然のこと、もう一つ、IoTのデバイスとしての自転車に興味がある。なぜこぞって中国の通信キャリアがmobikeやofoと組んだか。間違いなくそれはIoTのデバイスとして自転車を見ているからである。今まで出来なかった人の移動の可視化があっという間に完成した。

通信キャリアから見れば、スマートフォンに入るSIMカードの数には限界がある。ユーザ数の勝負でしかない。そこで新たな開拓市場としてIoTデバイスに注目が集まるも、大量にSIMカードが出るようなデバイスは実はさほど出てきていない。ところが自転車はどうだ。中国に限れば、今年前半までの自転車を除けば、その後はほぼ全てがデータ通信の端末だ。以前、人と自転車の関係をセンサー・アクチュエーターだといった中国の投資家の言葉を書いたが(「全ての人はセンサーに、アクチュエーターになった」、本当にそうなる。

自転車には、スポーツ競技、ホビーとしての存在と、移動手段として人が便利に使う存在とがある。そこで盗難と違法駐輪と走行ルールという3つの課題が日本社会での受容を阻んできたが、少なくとも前2つはIoT×自転車で変化が起きると信じている。そして走行ルールや環境は、冒頭書いたように日本中で整備が進む道が始まっている。

ある日ここに書いたことに気づいたときに、広い意味での「自転車」が来る、と確信した。

自転車領域に取り組む

動くものという意味では2017年はドローンがきた。そして2位、3位のフランス米国メーカー(Parrot、3DR)との競争に勝ち、DJIが世界の8割の市場をとった。ただし、本質は、DJIがすごいということだけではない。DJIのドローンを使って何をするかだ。自転車も同じではないか。人の移動は、今までの交通手段だけではカバーできない。もう地下鉄のためにトンネルを掘ったり、不採算路線のバスを行政がサポートするには限界がある。

そこで2018年の変化は自転車だ。クララオンラインは、今までのIT・クラウド・通信領域の積み重ねが大量にある。そして中国と日本との間にいる。中国との事業経験の豊富さは日系のベンチャーの中では負ける気がしない。さらに、スポーツとITという概念のborderを越えることにも取り組んできた。もちろん自転車領域では小僧だ。学ばせていただきたい。先生を求めている。するならば、自転車領域の方たちと一緒に働かせていただくしかない。今までの自転車産業の歴史についても深く勉強する必要がある。自転車のレジェンドにも教えを乞いつつ、スタートアップの方たちとも組んでいきたい。そう考えて、まず一社目に組ませていただく先に自転車創業さんという存在に出会うことができた。

年が明けたら、次々と自転車領域での取り組みをまとめいく。イノベーターたるスタートアップの方たちには資金も人的リソースもシステムも必要だ。到底私たちの思いだけでは支えられない。一緒に動いていただける仲間をもっと増やしたい。資金も必要としている。中国の、世界の若い自転車ベンチャーとも組んでいきたい。

私自身も猛烈に学んでいる最中だが、とてもとても日本の自転車産業の方たちの積み重ねには及ばない。IoT、スポーツ競技、自転車とその部品、観光、災害対策、新たな販売方法などといったテーマで自転車に関わる新しい動きをされている方がいらっしゃれば、ぜひお取り組みを教えていただきたい。

浜松町・大門エリアの駐輪場事情

浜松町・大門エリアには駐輪場が少ない!

クララオンラインの東京オフィスがある浜松町駅の周辺には本当に駐輪場が少ない。Googleのキーワードプランナーで検索数を見ると「浜松町 駐輪場」「大門 駐輪場」と検索している人がかなりいることもからもわかる。

ビル下には駐輪できるスペースがあるが、これはビル上にあるマンション住人の方のためのスペース。ビル入居者が勝手に置くことは認められていない。

東日本大震災のあと、非常用に自転車を会社で購入したのだが、なんとそもそも置くスペースがないことにその後気づき、やむなくビルから離れたところに停めざるを得なかったということもあった。

駐輪場難民なのである。

浜松町駅北口自転車等駐車場

唯一あるのが浜松町駅前にある公共の駐輪場。港区が運営する地下平置きタイプのものだ。定期利用と一時利用が可能で、一時利用ならば1日1回あたり150円。

普段は自転車通勤はしていないが、その理由の一つに駐輪場の空き具合がわからないことがあり、なかなか挑戦できなかった。定期利用は年に一回の募集、もしくは空きがあれば申し込める、ということに限られている。きっと年末のこの時期ならば一時利用の人も少ないだろうと思い、今日は自転車で浜松町まできてみた。

浜松町駅北口自転車等駐車場

汐留ビルディングの目の前にある駐輪場の入口はわかりやすい。地下に降りれば管理されている方がいて、一時利用と伝えてチケットの販売機で150円を買いタグをつける。

スタンドなしのロードバイクでも置ける

事前に空き具合以外にもう一つ不安だったのが、スタンドなしのロードバイクでも置けるのかどうか。自立できないのでラックタイプの駐輪場でないと立てかけるしかない。

係員の方に「スタンドないですか?」と聞かれたので「ないんですが大丈夫ですか」と答えると、奥には工事現場にあるコーンとパイプで一台ずつ柵のようにしてあるスペースがあり、そこに案内していただいた。スタンドなしのロードバイクでも安心である。既に私以外に5-6台ぐらいが置かれていて、私の直後にも別の利用者が止めにきていた。

ドコモのバイクシェアのポートも空白

さらに当社のオフィスのまわりはドコモのバイクシェア(港区自転車シェアリング)のポートも空白地帯である。港区役所に行くか、赤羽橋の方向に歩いて住友芝公園ビルまで行かねばならぬ。

機会があったのでビルの管理会社の方に聞いてみたところこの状況はご存知のようで、検討もされたようだ。ただ、空白であることが逆に自転車のオーバーフローに繋がる可能性がとのことで見送られたと聞いた。それ以外にも事情があるようだが、そうか、あれば便利ではなく、あるとそこにたくさん停まりすぎるという懸念もあるわけか。このあたりは中国的な再配置を丁寧にすれば良いわけだがコストも当然かかる。現状では、それこそ虎ノ門あたりに大量に並んでいたりする様子を見ると実現は期待はし難い。我慢。

都心部になればなるほど駐輪場は難しい

港区の場合、民間に運営委託しているとみられる駐輪場を含めて26ヶ所の駐輪場がある。田町、品川のあたりには複数あるが、浜松町はこの一つに限られる。

民間が駐輪場事業をやろうと思っても、土地の値段からして都心ではどう考えても採算があわない。浜松町は決してど真ん中の場所ではないが、それでも駐車場が1台5万円という相場の場所である。置けて車一台分のスペースには自転車が6-7台。民間で土地を借りて駐輪場をやろうという話には、少なくともこの場所ではなりにくい。

地上が無理ならば地下、といっても、上で触れた浜松町駅の公共駐輪場の場合、そもそもビルの建設時にあわせて作られたもの。駐輪場のためだけに地下を掘るということは、大規模工事が伴わなければ勘定があわない。

実は法律の変化や制度面で歩道活用の可能性はゼロではないが、ラック式の導入をしていくにも誰が金を出すかというところで止まりやすい。

遊休スペースの活用

クララオンラインの古くからのお客様が「みんちゅう」という駐輪スペースのシェアリングを始められた。個人や企業が遊休スペースになっている場所を駐輪場として貸し出し、それを個人が借りれるようにしようというもの。駐車場ではこのようなサービスがいくつもあるが、駐輪場に目を向けられたのは新しい。

まだサービスを立ち上げられたばかりだが、聞くと来年以降は提携先を増やされていくよう。ほしい。オフィスに近くに本当にほしい。駐車場で車を置くスペースには足りないが、駐輪ならばできるという遊休スペースはきっとあるはず。

シェアバイクの日本での可能性を拡げるための最大の要素の一つが適切な駐輪スペースの確保であると考えている。「みんちゅう」のサービスには頑張ってエリア拡大していただきたい!

追記:
帰りに上に出てくる浜松町の駐輪場で係員の方に聞いてみたところ、一時利用でスタンドレスが置ける場所は14台。「でもこれが満車になることはまずないなー。どんどん使ってくださいよ」と。あら素敵!

中国のシェアバイクを支える自転車メーカーたち – ofo編

自転車メーカーとシェアバイク

2017年は、中国の自転車史上、最も多くの自転車が製造されたのではないだろうか。1930年代に中国に自転車産業が根付き始めて以来、2016年に起きたシェアバイクブームで一気に街の自転車はカラフルになり、そして早くもこれらはオレンジ色と黄色の二色に落ち着こうとしている。

既に中国は世界最大の自転車生産国であり、GIANTやMERIDAといった台湾メーカーでさえその製造は中国が中心。一方、中国のシェアバイク業界は、mobikeの無錫や、もともと自転車メーカーである上海の永久によるGONBIKEを除き、そのほとんどを委託生産で行ってきた。ここしばらくは多くの自転車工場を視察してきたが、実際、多くの自転車工場のラインには街中で見たことがあるシェアバイクが並んでいる。

他方で、中国には自転車メーカー(正確には完成車の組み立てができるラインを持つ企業)は大小あわせて数百あるとされるが、その全ての自転車メーカーがシェアバイクの製造を請け負っているわけではない。もちろん、飛鴿、永久、鳳凰、富士達といった従来からの歴史ある大手メーカーは相当量の自転車製造を請け負ってきた。このうち飛鴿は天津、鳳凰と永久は上海の老舗メーカーで、80年代までの中国の自転車はほぼこの3社で占められてきた歴史がある(なお、正確には飛鴿は1999年に業績悪化により事業が行き詰まり、新たな法人格に飛鴿ブランドを引き継いだ。よって現在の飛鴿はこちらである)。その後深圳で香港・台湾メーカーによる生産が進んだことにより、中国の自転車産業は天津・上海・深圳の3エリアにまとまってきた歴史がある。

ところで天津は天津で面白い。北京からほど近い武清をはじめ北辰、東麗、西青などのエリアに自転車産業が長年集積している。いずれ天津、上海、深圳の三大自転車産地の歴史についてもまとめてみたい。

話題がそれすぎた。シェアバイクの話に戻る。

作りたくないというメーカーも

先日、ある準大手自転車メーカーの社長は「安く質の悪い自転車はつくりたくない。唯一、mobikeだけはしっかりしていたので請け負うことにした。」と語った。シェアバイクと一口にいってもコストはバラバラだが、中国全土で小さなシェアバイク企業が乱立した中では、そうした企業に対してはいわば100元、200元単位の自転車が求められた。必然的に、質は落とさざるを得ない。

そうした中、前述の大手メーカーの中には「他ブランドのシェアバイクの製造はこれ以上はやらない」と言っているところも出てきている。個人的にはbluegogo pro (bluegogoの変速付きタイプ)ぐらいの出来が好きだった。

中国向けだけではない

決して中国市場向けだけではない。自転車の型を見ても分かるが、アメリカやヨーロッパ、アジアなど世界各地で展開しているシェアバイク企業の自転車の大半も中国製だ。大手の工場では世界各地に向けた自転車が出荷を待っている。むしろ今や中国製ではない自転車を探すほうが難しい。こうした自転車は、展開先の地域によって自転車の規格や規制、そして乗る人の体型も異なるため、一部分はカスタマイズされて出ている。

体型の話はわかりやすい。アジア向けではなく欧米向けにはシートとハンドルバーの高さを上げたデザインが多い。また、中国はライトの装着が義務付けられていないが、大半の国向けには当然LEDのライトが装着されている。

では、どのメーカーが作っているのか

さて、ではいったいどのメーカーがシェアバイクの製造を請け負ってきたのだろう。以前このblogではスマートロックや通信用のチップの話については触れてきたが、完成車の話については触れてこなかった。

中国のネットにはいくつかメーカーの情報が載っているが、残念ながら網羅されている様子はない。また、mobikeは、シャフト型以外の自転車は委託先で製造しているが、現在6社と言われている委託先(もともとmobike Liteは委託生産だった)については全てを見たわけではないので明言しにくい。(工場で生産工程を見たメーカーについても残念ながら言えない。)

そこで、委託先が「自転車を見ればわかる」ofoについて、下にリストを作ってみた。私がコツコツためた写真によるものなので完全に網羅しきれている自信はないが、ほぼカバーできているはずである。

そして結論から言うと、驚きである。ここまで多いとは思わなかった。この1ヶ月、ひたすら自転車を覗きこみ続けてみてきたところ、13社が見つかった。mobikeの6社という数字が先に頭にあったため、せいぜい同程度ではないかと思っていたため、調べるにつれて「まだ出てくるか」と。しゃがんで自転車をひたすら見続け写真を撮る怪しさは、まわりから見ればただ滑稽かもしれない(わかっている)。ただ、こちらはその見えにくいところに貼られているラベルに関心があるのである。

深圳市台峰自行车有限公司

これは「深圳市台峰自行车有限公司」だと分かる。

ofoのメーカーラベルの一覧

台峰以外の12社分のofoのメーカーラベルの一覧

  • 深圳市台峰自行车有限公司
  • 天津飞鸽自行车业发展有限公司
  • 凤凰(天津)自行车有限公司
  • 天津富士达自行车有限公司
  • 深圳市聚创车业有限公司
  • 深圳信宝自行车有限公司
  • 深圳雷克斯自行车有限公司
  • 深圳市泰丰永达自行车有限公司
  • 深圳市南盾科技有限公司
  • 爱地雅(东莞)自行车有限公司
  • 天津科林自行车有限公司
  • 宁波途锐达休闲用品有限公司
  • 深圳麦可斯车业有限公司

当初、ofoの自転車にはメーカー名は書いていなかった。むしろほぼ中国のシェアバイクでは製造メーカー名は判別しない。ただ、ofoの自転車では今年のある時期からメーカー名が分かるようになってきた。現時点では投下されているうちおよそ8割はメーカー名が記載されているシールが貼ってある。

初期のofoにはメーカー名は書かれていなかった。

初期のofoにはメーカー名は書かれていなかった。

他にシールで分かるのはu-bicycleや赳赳单车(99bicycle)ぐらいで、あとはフレームなどを見て「同じ型だ」と気づくしかない。

この赳赳单车(99bicycle)は浙江佳捷时电子科技有限公司が作っているとわかる。

この赳赳单车(99bicycle)は浙江佳捷时电子科技有限公司が作っているとわかる。

同じようにこのu-bicycleは永久が作っていると分かる。

同じようにこのu-bicycleは永久が作っていると分かる。

なお、上のリストについては現時点でも請け負っているかは定かではないので予めおことわりしておく。

ofoが韓国向けに準備していた?

興味を引かれたのは、「韓国」の文字を見つけたことだ。今回しばらくの期間ひたすら調べて続けていたところ、上記のofoのシールで「韓国線」と書いてある自転車を発見したことだ。これは完全に推測だが、韓国向けに製造するラインがあった可能性がある(ofoは現時点では韓国には出ていない)。ただ、一見したところでは富士达が作っている他のofoと外形上の違いは見当たらなかった。

富士达にofoの韓国向けのラインがあったのか?

富士达にofoの韓国向けのラインがあったのか?

一方、ofoが日本向けに持ってきた自転車が一部で公開され、その際に実車を見たところ、メーカー名がわかるシールは貼付されていない。ただ、KENT (Kent International はアメリカの自転車メーカー)のエンブレムが前面に付いている。他の国向けのofoの自転車でKENT のエンブレムがついているものは見つけられていないが、どうもこの日本向けの自転車はKENT の委託先の中国工場で作られているとみるのがよいだろう。

天津の古い自転車製造メーカーが厳しい状況に追い込まれているという報道がつい最近あったが、実際にあちこちの工場を見てみると、新たなトレンドに追いつこうとしているメーカーや、付加価値の高い自転車をつくろうとしているところは依然元気である。最近は20代、30代の若い経営者が自転車業界に入ってきている。新しいメーカーの話はいずれご紹介する。

ofo のベルトドライブモデルの自転車

中国のシェアバイクにベルトドライブの自転車が投入

ofo にベルトドライブモデルの自転車が出てきた。電動アシストのシェアバイク用自転車には既に永久が上海で展開している自転車(GONBIKE)にベルトドライブが採用されているが、自転車タイプのものでシェアバイクに採用してきたのは初めてだとみられる。

ofo のベルトドライブを採用した自転車

ofo のベルトドライブを採用した自転車

ベルトドライブの採用の一番のメリットはチェーンと違ってメンテナンス性。チェーンは使い続けていると磨耗で伸びてくるし、そもそも雨にさらされ続ければ注油しないと錆びてくる。1年近く投下され続けているシェアバイクの車両に乗ってみれば、まぁチェーンがガリガリ言うこともよくある。

その点、ベルトドライブは優秀だが、ベルト自体のコストだけでなくスプロケットやクランクセットもベルト専用になり、全体でコスト面にも跳ね返ってくる。もっとも、シェアバイク用に大量生産することになれば、一台あたりの製造コスト差は小さくなるはず。

ベルト部分

ベルト部分

もちろんチェーンドライブと比べて自転車がやや軽くなるし、乗り心地もスムースになる。シェアバイクにベルトドライブが出てくる時代になったか、と思うわけである。

ベルトドライブはシェアバイクに向くのか

もっとも完全なメンテナンスフリーではない。ベルトドライブの自転車に乗っておられる方はお分かりだろうが、カーボンベルトから汚れで少しすれるような異音はしてくることもある。カーボンベルトは油はさしてはだめなので水で洗うことが必要。チェーンと比べればメンテナンスは楽だろうが、それでも1年や2年、外で過酷に扱われていれば、個人で大切に扱われる自転車と違う

カーボンベルトは切れないのかという懸念もあるが、実際にベルトドライブの自転車を作っているメーカーの人に質問したところ、「そりゃ、チェーンを切るのと同じように専用の工具があれば切れる」というが、実際には結構硬い。車のタイミングベルトが相当乗らないと切れないのと同じ(だと思う。我が家で一時期乗ってたイタリア車が相当な距離でようやく切れかかったという経験のみ。説明が雑で申し訳ない)。

使っているカーボンベルトはGates

そこで、どこのメーカーのカーボンベルトが使われているのか見ると、Gatesだ。Gatesはドイツのメーカーで、もとは自動車やバイク向けで始まり、そこから名だたる自転車メーカーで使われている有名な「Gates Carbon Drive」というカーボンベルトブランド。

いいベルト使ってるじゃない。

実際のところ乗り心地はどうだ

実際に乗ってみるとスイスイ来る。乗り心地も悪くない。ワーイと言って「乗り心地がよくなった」とTwitterに機嫌よく書いたら、今日になってダメな車両に当たりまくることになる。

問題は乗り心地ではない。それ以外の問題。多いのはシートポストのロックが甘くなっているもの。今日だけで3台。イタズラされたのかブレーキワイヤーが抜かれているものが1台。フロントハブのロックナットがおそらく甘くなっているだろうというのが1台。さらに、スマートロックのレバー部分が早々に壊れているもの1台(壊れにくそうな形状だったのに..)。出たばかりの新車でこれかよーと内心思うところ。

ブレーキのワイヤー部分が壊されている。。。

ブレーキのワイヤー部分が壊されている。。。

壊れていたり故障しているものは1台ずつ丁寧に通報。出たてだから仕方がない。そのうち改良されてくるだろう。しかしシートポストが甘いのはイケてない。サドルをあげて乗った瞬間にがくっとお尻が下がったときのあのガッカリ具合といえば…。

供給は一社だけのよう

この自転車を誰が作っているのかが気になり、手当たり次第メーカーを調べてみたが、どうも「深圳市台峰自行车有限公司」の一社だけのよう。この会社はbanianブランドで自転車を出している深圳のローカルメーカー。

ここで言いたいのは、ベルトドライブがダメだということではない。むしろベルトドライブの自転車を頑張って増やしてほしい。しかし自転車自体の完成度が高くないと、せっかくのベルトドライブが泣いてしまう。

もう少しがんばろう!

そして2モデルあることに気づく

何台か乗っているうちに、カゴ無しのものにあたった。最初はカゴを外されたかかわいそうに、と思ったら、そうではないよう。よく見るとカゴありとカゴなしの2モデルが投下されている。カゴなしのモデルはカゴの取り付け部分がリフレクター(反射板)になっている。カゴありのほうは、カゴの前面部分にリフレクターが付いている。個人的にはカゴありで統一していただいてもよろしいのではないかと思うところ。

カゴありのベルトドライブモデル。

カゴありのベルトドライブモデル。

カゴなしモデル。

カゴなしモデル。

カゴなしモデルは取り付け部分にリフレクター

カゴなしモデルは取り付け部分にリフレクター

一つ気になるのは、ベルトガードをつけていないこと。上に書いた永久の自転車はベルトガードをつけて巻き込みを防いでいるがofoの自転車にはついていない。スカートや裾の巻き込みを防ぐためにはベルトガードがあったほうがよいのでは。

永久が作り展開しているGONBIKEのベルトガード。

永久が作り展開しているGONBIKEのベルトガード。

と、まぁベルトドライブの自転車だけでこれだけもネタを提供してくれるofo は相変わらず楽しい。

正直、ofoの元気が最近なさすぎて、黄緑+金ピカ、青色に続いてどうにかなってしまうのではないかと思っていたので、新しいモデルが出てくるだけで嬉しい。きっと上に書いたような不具合は次のモデルですぐに改良されてくるだろうから期待して待つことにしよう。

CYCLE MODEでe-BIKEを見てきた

日本最大のスポーツ自転車の展示会といわれるサイクルモード・インターナショナル2017(CYCLE MODE international)に行ってきた。個人的な関心はスポーツバイクだが、今回の視察目的はe-BIKEと呼ばれる電動自転車(日本では電動アシスト自転車)。日本のシェアバイクの流れの重要なポイントは、電動アシストだと考えている。中国のように平らな環境が多い街と違い坂道が多い日本。(それでも、中国は一括りにはできず、大連や青島のように坂道が多い場所もある。)

最初から話がずれるが、マラソン人口がこれだけ日本で増えたあと、一定程度のランナーが「自転車に行く」と思っている。マラソンを走り続ける楽しみを覚えた人以外に、長距離・長時間自分と向き合うスポーツの中ではバイク・トライアスロンの声がまわりから否応なしに聞こえてくるものである。大きなマラソン大会では相変わらず抽選の倍率も高い。マラソンを数年から5年ぐらい続けたランナーがその1割でも自転車に興味を持ったら…。

話しを戻すと、今回は、前回のイベントにも出ていた中国のTSINOVA、小米の出資を受けて開発されているQiCYCLE、台湾の達方電子(DARFON)のBESVなど、e-BIKEと呼ばれるものが日本でまとめて見られるチャンス。BESVは最近都内でもチラホラと見かけるようになってきたところだし、TSINOVAは今週からちょうどリテールの販売が始まったところ。中目黒に専門ショップが出来たらしい。

小米のQiCYCLE

そのQiCYCLEは1年ほど前に小米が売り出したときに個人輸入で中国から買ってきている人もチラホラとblogなどで見かける。折り畳み式の電動アシストで、中国では同じくEF1という型番で2999元(5.5万円弱)で売られている。日本向けの代理店も決まり、日本仕様にあわせたマイナーチェンジを経て来春日本発売の予定。レッド、マッドブラック、レッドの3色で展開されるそう。

QiCYCLEのEF1。日本では来春発売予定とのこと。

QiCYCLEのEF1。日本市場向けの仕様で来春発売予定とのこと。

タイヤは16×1.75、シマノのギアとDCブラシレスモーターの仕様などは中国と変わらず。一方、ディスプレイは日本語化したり一部日本仕様にあわせる対応をしているとのこと。認証まわりはこれからと聞いた。気になる値段はパンフレットに定価128,000円(税抜)と書かれているが、このとおり13万円前後になる見込みだという。TSINOVAが同程度の価格でTS01を出してきているので似たレンジでの競争になるのだろうか。

QiCYCLEもベルトドライブを採用。TSINOVAなど中国メーカーでも採用が増えている。

QiCYCLEもベルトドライブを採用。TSINOVAなど中国メーカーでも採用が増えている。

TSINOVA

一方のTSINOVAはTS01という型番の販売が始まっている。ほかにも折り畳み式電動アシストのALIAS、「ママチャリ」と言い切っているMIRAIが展示されていた。TSINOVAは北京に本社がある電動車・電動アシスト電車のスタートアップで、仕事での機会もあって先日訪問してきた。

TSINOVAのTS01

TSINOVAのMIRAI。いわゆるママチャリ。

TSINOVAの折り畳み電動アシスト「ALIAS」

TSINOVAの折り畳み電動アシスト「ALIAS」

日本では既にいくつかのチャネルで販売が始まっている。実物に触れたいのであれば中目黒のsneecleがおすすめ(回し者ではない)。sneecleでしか扱われていないTSUYAという赤いモデルと、ブルー、ブラックの3種類が実際においてある。お願いすれば試乗もさせてくれる。

中目黒のsneecle。中目黒駅から徒歩5分ぐらい。

中目黒のsneecle。中目黒駅から徒歩5分ぐらい。

店舗ならではの発想もあった。TS01の標準のサドルをBROOKSの黒いレザータイプのサドルに変えてしまうのもどう?と。確かにかっこいい。また、カゴもTSINOVAにあわせたデザインのオプションを検討しているという。とはいえ、ここまで来るとシェアバイクラボの範囲からは超えてしまう。私は個人的には自転車は大好きだが、あくまでこれを書いているときには仕事。

月額レンタルのモデルも始めるとのことで、このビジネスモデルが楽しみ。

TS01のブラックにBROOKSを載せるカスタマイズのイメージ。よい。

TS01のブラックにBROOKSを載せるカスタマイズのイメージ。よい。

店舗の方によれば、TS01以外にもALIASが今年中に日本で入ってくるかどうか、またTS01の藍色と白色のモデルはもうまもなく日本に来るのではとのこと。

BESV

一方、もう少し高級路線を行くBESV。台湾メーカーだが台湾というブランディングはほぼ見当たらない。会場ではPS1やPSA1、それからスポーツタイプのSF1などが展示されていた。

BESVのPS1。最近、少しずつ都内で見かける。

BESVのPS1。最近、少しずつ都内で見かける。

メーカーである達方電子(DARFON)は1997年5月設立のメーカー。もとはLCD TVやノートパソコン用キーボードなどの専業メーカーとして大きくなった。私も10年前の印象ではそのようなイメージが残っている。昔はAcer、今はBenQとして知られている明基友達のグループ。台湾最大手の電機・電子部品メーカーである。達方自体はBESV以外にvotaniというe-BIKEのブランドを持っている。

中国・台湾メーカーである印象が見当たらない

このほか、e-BIKEではないが、上海メーカーであるJavaBikesも参考出品。日本での取り扱いは未定とのことだが、イタリアでデザインしたミニベロが展示。電動も中国で展開しているとのこと。

上海のJavaBikes

上海のJavaBikes

BESVにしても展示もパンフレットも完全にヨーロッパデザインのブランディング。この点はTSINOVAも同じような感じ。実際にパンフレットを見ていただきたいが、紙質やデザインテイストは中国メーカーだと分からない。(とはいえ、TSINOVAの一部の動画やパンフレットの翻訳が中国っぽさを残してしまっているのでもったいない。これは日本本格進出時にクリアしておいたほうが絶対にいい)

ま、そもそも自転車の相当程度は中国と台湾で作られているという事実を考えれば、設計・デザイン・ブランディングによる差をつけていくという点に異論はない。その点、イメージを欧米に求めるというのは合理的。

さてさて、こうした新しいスタイルの電動アシスト自転車が日本にも揃い始める2018年。こう書いてる私も一台通勤に揃えたいところで、はやくオフィス周辺の駐輪場問題を解決せねば..。