Mobikeのネジの変化に注目する

Mobikeの初期型はサドルの高さが調整できなかった

中国のシェアバイクの最大手「Mobike」には、投入時期などによって様々な種類の自転車が存在しています。このうち、初期型のMobikeと、Mobike Liteのすべてのモデルはサドルの高さの調節ができません。

初期型の後に出てきたMobike はクイックリリース式のシートクランプがついていたり、油圧で上下するタイプが出てきたりしています。なお、Ofoは初期普及型以降すべてでクイックリリース式です。このようなサドルまわりの改善の話はいずれ書きます。

Mobikeのサドル

Mobikeのサドル。クイックリリース型のシートクランプ。油圧で上下する。

サドルの高さが低くて困った

初期型Mobike、そしてMobike Liteはサドルの高さの調整ができず、私の身長(177センチ)ではどうしても低く感じていました。そのため、周りを見渡して他にあればサドルの高さを変えられるものを選んでいました。上に書いたとおりOfoは当初からシートクランプがついており、しかもかなり高くできるので、一時期はOfoばかり乗っていたのです。

初期型のMobikeは完全にシートポストが固定されていたのでどうにもなりませんが、Mobike Liteはサドルの部分が動かせたので、ユーザの中には工具をもってきて触る人も。それが最初は六角ナットだったため、ソケットレンチを持ってきて簡単に触ることができました。

六角ナットだった初期のMobike Lite。

六角ナットだった初期のMobike Lite。

Mobike Lite。

Mobike Lite。六角ナットと六角ボルトの様子が分かります。

なお上のMobike Liteの写真は、2016年10月に最初に投入されたMobike Liteではなく、その後に続いて投入されたモデルです(違いはフレームとカゴの色で見分けられます。パーツの違いはほぼ見当たりません)。

六角ナットからヘクサロビュラへ

しかし、ユーザに勝手にサドルの高さを変えられても困ってしまうわけで、この「六角ナット」がこの1年間で変化してきました。先に結論をご説明すると、今は、いわゆるトルクス(トルクスは商標ですので「ヘクサロビュラ」などといいます)のいたずら防止のピンがついているタイプのボルトが使われています。

ヘクサロビュラ型のピン付きボタンボルトが使われている

ヘクサロビュラ型のピン付きボタンボルトが使われている

ヘクサロビュラでは一般的に流通している工具でも開けられてしまうので、一般的にはこうして真ん中にピンが立っているものがいたずら防止を目的に用いられています。日本で売られている街乗り用の自転車でピン付きのヘクサロビュラのボルトを見ることはなかなかありません。「いたずらを避けるための工夫」が伝わってきます。

なお、Mobike以外にもピン付きのヘクサロビュラをシートポストの部分に採用しているのは、確認している限りでは永安行(youon)だけ。他の自転車はほぼ全てサドルの高さは可変で、クイックリリース型のシートクランプが採用されています(Ofo、bluegogo、U-Bicycle、Unibikeなどなど…。例えば上海だとクランプではないものが見当たりません)。

ヘクサロビュラの前にはトライウイング時代があった

さて、調べていくうちに、ヘクサロビュラの前にはトライウイングのボルトだった時代が挟まっていたことが分かりました。私は中国にいるときにはひたすら自転車の様子をつぶさに見て何か工夫しているところがないかと上から横から下から斜めから見ているわけですが、ちょうどヘクサロビュラのボルトが採用される前に投入されていた自転車では、トライウイングだったようです。

なお、いたずら防止で使われるボルトの穴形状ではトライウイング以外にもトライクル、ワンサイド、ツーホールなどと色々とありますが、穴形状によっては締め付けトルクのバランスで壊れます。

しかしなぜトライウィングが採用されなくなったのだろうと街中を探していたところ、見つけました。イタズラの跡。

トライウイングの穴をイジられた結果、穴が壊れ錆びている。

トライウイングの穴をイジられた結果、穴が壊れ錆びている。

しっかりとイジられたんでしょう、この潰れ方を見ると、まともな工具ではなくマイナスドライバーぐらいを使われたのだと思います。もうしっかりと錆びていて、いわゆるネジ穴はボロボロです。ここまでくるともうお手上げです。

一方、この元の形状は下の写真です。まだキレイでした。

Mobike Liteのトライウイングのネジ。

Mobike Liteのトライウイングのネジ。

ただ、この穴形状ではマイナスやプラスのドライバーを突っ込もうとする人がでてくるわけで、結果、上の写真のように穴がボロボロになってしまいます。こうした事態を避けるためには、穴に関係ない形状のドライバービットがそもそも入らないよう、真ん中に「ピン」が立っている形状のネジを用いるわけです。

苦労と改善が見える

ここまでで僅か11ヶ月(Mobike Liteが出たのが昨年の10月という意味で)。100万台単位の自転車を、おそらくは数ヶ月単位でこのように細かく仕様を変えてきているMobikeのスピードに興味がわきます。

はじめからイタズラ防止に気を配っていたらヘクサロビュラのネジを採用できていたのではないか、との指摘を考えつくこともできるでしょう。しかし私はそうは思いません。市場に出してみてどのように使われるのか、仮にイタズラがあるとして、それが本当に困ることなのか、それともサービスの維持に影響するものなのか。これはやってみないと判断できないわけです。

ここまでのことは私が中国で見続けてきたことからの推測でしかありませんからMobikeの公式な見解ではありません。しかしおそらくは、

  1. まずは最もコストの安い六角ナット・六角ボルトで展開した
  2. そして、それではだめだと気づいたのでトライウイングにしてみた
  3. なおもさらにイタズラされるので、ヘクサロビュラにした

といった経緯があったとみられます。

一方、Mobike LiteではなくMobike の方も、単純なシートクランプから油圧式になる改善がされています。日本に投入されているタイプもこの油圧式。改めてサドルのシートピンなどの変化についても取り上げたいと思います。

JALの国際線でWiFi機材にあたりたい – 767と787の場合。

一往復だけ767が投入された結果

日本航空(JAL)の羽田-北京便のうちJL025/020が787-8から767に置き換わってはや1ヶ月半。正確には7月15日あたりからちょこちょこと767が入り始め、8月1日からは767だけになりました。朝に羽田を出て夕方に北京を出てくるJL021/JL022は引き続き787が飛んでいます。いわゆる夏ダイヤ・冬ダイヤというタイミングだけでなく、機材繰りや需要によって機材はちょこちょこと変わっています。

JALの国際線用の767すべてではなく投入されている機材によるのですが、北京便にアサインされているシップ(A41かA43のconfigでくると非搭載)ではWiFiがありません。ここしばらくは787でもWiFiサービス対象機材がアサインされることが多く(E11のconfigがアサイン)、羽田-北京の往復の上空で集中して仕事ができる環境があり助かっていました。が、JL025/020が767になってふと、「上空で仕事できない」と。

上空でどのように過ごすか

人間、新しいものが得られるときにはよいのですが、あったものがなくなる方への適応能力は低いものです。日本-中国移動でCAやCZ、もしくは海南航空などに乗るときにはタブレットに本と雑誌を突っ込んで読むことにしていますが、JAL便/ANA便となると期待値が自然に高くなってしまい、このように「WiFiがない機材」になった瞬間にフリーズ。

人は上空で、仕事をするという以外には、寝る・読書をする・ビデオ/映画を見る・ゲームをする・誰かと話す(誰かがいれば)・おいしいご飯を食べる(ビジネスクラス以上ならば)などの選択肢があると思います。このうち、寝ること、ビデオ/映画を見ることは、昼間移動の場合、頭が仕事脳からリセットされてしまうので私はどうしてもイヤで避けています。ゲームもいまどき通信しないと何もできません。

さらに、ワタクシ、機内で誰かと話すのはとても苦手なので(静かにしておいてほしい)、出張が重なりそうな人が社内にいる場合でも「同じフライトに乗ってもいいけど(本当はイヤ)シートを離しておいてねー」ということにしています。

だととすると残るは自然に「読書をする」ということになりますが、タブレットにちょうどよい本が入っていなかったり、ダウンロードが不完全だったりすると悲しいことに。最近は紙の単行本を買うこともないですし…。JALの機内誌では浅田次郎の連載、ANAの機内誌ではお弁当のコラム。これしか「読みたい」ものがないのもまた本音。

そう、乗りなれた路線になればなるほど慣れは禁物。時間を効率的に使いたいのであれば搭乗前に事前確認と準備をしましょう。

中国の上空でもFacebook/Twitterにつながる

なお、日本-中国便でWiFiがことさら有難いのは、上空のインターネットは国際ローミングですので、たとえ中国の領空であっても、いわゆるGreat Firewallの影響を受けないこと。日本からならば着陸ぎりぎりまでFacebook Messengerやtwitterが使えます。外の方とのやり取りに意外とFacebookが多いのです。

ところで、大連の上空あたりで衛星の電波が途絶えるのは、あのあたりで衛星のカバレッジエリアの空白があるのか、何かしらハンドオーバーが途切れるタイミングがあるのでしょうか。どなたかご存知であれば教えてください。一度衛星のカバレッジを調べていたのですがよくわかりませんでした。このあと数年でさらに上空の衛星は増えるようですので楽しみにしています。

冬ダイヤで羽田-北京便はまたすべて787になるよ

ここまで書いておいてなんですが、JL20/JL25は冬ダイヤ(10月29日から)で787-8に戻ることに、またNRT-PEKのJL860/869は737-800から767になる予定です。

もちろん787-8のすべてがWiFiサービス対象機材ではなく、シップによります(確かあとE01で6機ぐらいが未対応。E11のコンフィグでシートマップが出ていれば対応です。E01だと一部が未対応なのでレジで調べましょう。)。

それでは最後にまとめ

ここまでの話を箇条書きで書くと、このような感じです。

  • JALの787-8の場合、シートマップを見てE11のConfig の場合には全機がWiFi対応。なおJALは787-8は国際線にしか投入されていない。
  • E11なのかE01なのかの判断をしたい場合には、オンラインチェックインか予約のシートマップの画面を見て、JALの機内座席配置のページと見比べればよい。2017年9月現在、プレミアムエコノミー用のシートがあるかないかで簡単に判別でき、あればE11。
  • E01の中で未対応機材はおそらく6機。JA822J、JA825J、JA826J、JA829J、JA830J、JA834J。飛ぶ前にどのシップがアサインされるかは色々な調べ方があるが、例えば Flightradar24のデータ検索ページで「Search for flight」に便名を入れると、当日の予定機材が()の中に書いてある。試しにここにJL22と入れてみると、ここしばらくはJA841Jが張り付いていることがわかる。(2017.9.15執筆時点)
  • JALの767の場合、A41とA43のconfigの計7機がWiFi非搭載。これも比較的見分け方は簡単で、767の機内座席配置を見ればわかる。なお、通常は国内線を飛んでいるA25とA27が国際線で飛ぶ場合、国内線用のWiFiサービスにしか対応していないため、国際線区間ではWiFiサービスは提供されない。同じく座席配置をみればわかる。
  • ざっくりとならば SeatGuruで調べるのでもいい。(ただしシップチェンジにまでは対応していないことがある)

中国のシェアバイクの「再配置」事情

利用ニーズにあわせた自転車の再配置

MobikeとOfoは、シェアバイクの自転車が溜まったエリアから必要と見込まれる場所へ移動させる「再配置」をしています。

例えば朝の通勤時間帯に駅からオフィス街に移動が集中すると、いったん昼間は稼動が減るのでまた別のエリアに持っていくわけです。そして夕方になるとまたオフィス街に集中的に移動させてきます。単に朝昼晩の時間帯だけでなく、量を見ながら細かく配置を工夫している様子が伺えます。

移動をしているのは

北京で見ていると、再配置をしている様子を見かける量は圧倒的にMobikeの比率が高く、その半分ぐらいの量でOfo。移動させる手段に用いられているのは写真のような電動三輪車が主です。

Mobikeの自転車を移動している。比較的綺麗に載せているほう。だいたい何台かの自転車がピーピー鳴ってる。

必ずしもユニフォームや電動三輪車のデザインは統一されておらず、電動三輪車にMobikeのシールをつけて走っている様子もいれば、Mobikeのビブスを着ているだけの人も。つまり、これらの作業を請け負っている人たちがいるわけです。最近、OfoのTシャツを着ている人を初めて見かけました。あのTシャツ、欲しいです。

Ofoの自転車を移動している様子

Ofoの自転車を移動している様子。はみ出しているのはどこも同じ。

Mobikeのビブスを着ているオジサマ

Mobikeのビブスを着ているオジサマ。これも欲しいなぁ。

Mobike

夕方のお仕事。これから移動させにいくようです。写真、ブレてる。

何度か大型のトラックで移動しているのを見ましたが、どうやら「投下」作業が中心で、再配置には細かく電動三輪車が活躍しているようです。

再配置の単位

一台あたりで再配置できる量はせいぜい10台。人によってきれいに積んでいる人もいれば、下のOfoの写真のようにとにかく詰め込んだぜという人も。さすがにステキな乗せ方で興奮したのであわてて写真を撮ろうにも手がブレました。

いつもよりたくさんのっておりまーす

そう、ワタクシ、この再配置をしているオジサマを見るのが好きで必ず写真を撮っています。そういえばこの仕事をしているのはオジサマしか見ていません。

 当社のオフィスの周りでよく見かける再配置オジサン。

当社のオフィスの周りでよく見かけるオジサマ。

他社はどうしているのか

一方、この2社以外のシェアバイクでの再配置の様子は見えません。bluegogoは一度だけ移動しているオジサマがいましたが、それ以来ありません。ほかの自転車は「ユーザお任せ」のようです。

ところで、Mobikeの方によれば移動・再配置は利用データに基づいているとのことですが、正直、本当にほしいときにはすべて移動させられているときがあり(特に、夜でタクシーが捕まりにくい時間帯)、「あれだけ昼間にダブついてんのに今ここに一台も無いの!持っていきすぎだよ!」と思うことも。そういうときに限って、「見つかった!やった!」と思ったら自転車が壊れているというガッカリに出会い、コノヤローと思うわけです。よってオジサマ、全部持っていかずに、もう少しだけ残しておいてください。

敷地の入口に「共享自行车禁止进入本小区」「共享单车禁止入园」と書いてあったり建物の正面に「禁止停放共享自行车」という看板が出てたりと、一気に「ここ入るなよ・置くなよ」という文字を目にすることが増えました。また、歩道がこの写真のようにほぼ自転車で埋め尽くされている場面もあります。

歩道の様子

歩道埋まっちゃってるよ!

中国中で「問題」として取り上げられることが増えてきていますが、これだけの量を投下した以上、人間の移動だけで自転車が最適化された配置になることは難しいでしょう。私個人は、こうした状況にイライラとするのではなく、きっとすぐに改善策を考えるだろうなとそちらを楽しみにしているところです。今後各社がどのように再配置を工夫するのかに注目しています! ガンバレ!

シェア電動車「小鹿単車」(DEER BIKE) – 後から追いかける人たちが次々と工夫してくる

「小鹿単車」(DEER BIKE)が北京で頑張っている

シェアバイクの電動車版「シェア電動車」が増えてきています。中国語では「共享电动车」。シェア電動車には以前blogに書いた上海の「享騎電動車」やmangoなどがありますが、北京の一部では「小鹿単車」(DEER BIKE)の展開が進んでいます。

シェア電動車「小鹿単車」(DEER BIKE)

「小鹿単車」(DEER BIKE)。当初投入されていた形状からはバッテリーまわりが変化している。

どこで展開しているのか

北京の一部のエリアだけで展開をしています。地図を見ると南は亮馬橋路、東は三環から光煕門、そしてずーっと北にいって北五環、そして東五環から酒仙橋を囲むエリア。望京をぐるっと囲んでいると思っていただくとよいでしょう。この会社が三元橋にあるからなのかもしれません。

エリア指定がわかる。北京の北東エリアでのみ展開。

エリア内の電動車の状況。よく見ると左下に一台はずれているものがいる。

料金と使い方

2キロまで1元、そこからは1キロ0.5元。エリアから出ると1分3元とられます。出られないわけではありません。出られました。あとは特にシェアバイクと変わりません。QRで開けましょう。

ただし「日本人を含め外国人は使えません」。そもそも身分証番号がないと登録できません(もぅ..パスポートで使わせてよ…)。日本人でどうしても体験したい方は、中国人にお願いしましょう。

バッテリーを完全固定にしている

享騎電動車はバッテリーが盗まれる事が続き、がちがちに固定する工夫をしています。

再掲。カバーがついた第二世代。

そしてmangoはバッテリーを足元においてカバーで完全ロックしています。ただ、これでも鍵を開ける人が出そうです。ここまでくると、あとはカメラをつけて監視するしかないのではと思いますがそれでもバッテリーほしいですか…。売れるか…。

mango(芒果共享电动车)

mango(芒果共享电动车)

しかし、小鹿単車のこのバージョンでは、どこからどうみてもバッテリーは抜けません。いいですねぇ。どうやらサドルを上げるといけそうですがガチガチ。後方に充電用のコネクタを装備していて、ここにおそらく電源ケーブルを接続して充電するのでしょう。よりイタズラされにくくなっています。おっとだめですよ、ここにガムとかつけちゃ。

小鹿単車のバッテリーの充電コネクタ部分

小鹿単車のバッテリーの充電コネクタ部分

エリア指定をしているのも工夫の一つに見えます。三環の中に入ろうものなら事故も増えそうですし管理も大変。パークアンドライドではないですが、亮馬橋・望京・酒仙橋あたりの生活圏ならばちょうど使いやすい範囲です。(あれ、そもそも三環に入っちゃいけない交通ルールがあったかもしれない。調べておきます)

ユーザとして使っているだけではなかなか気づきにくい小さな変化ですが、MobikeやOfoも小さな改善が次々と行われています。細かく見ていると改善するべきポイントを考えている様子が想像できて楽しくなります。そして何より、私はこのような新しい工夫が次から次へと出てくるのがとにかく好きです。

小鹿単車は、出だしで事業がうまくいっていない報道を見かけていたのですが、踏ん張っているよう。ガンバレー

中国のシェアバイクを支えるConcoxとJimiとSIMComに注目してみる

3社の中国企業に注目

中国で普及し続けるシェアバイク。シェアバイクの仕組みを支える一つの要素は衛星測位システム(GNSS)+自転車施錠システム。スマートフォンで自転車についているQRコードを読み取ると、サーバと自転車が通信して解錠し、さらに利用終了時には自転車を施錠すれば同じく通信によって課金が停止する。あの「鍵」の中には通信機能が搭載されており、GNSSによる位置情報の把握と、サーバとの通信が行われている。

日本では中国のシェアバイクに関する技術的要素について説明される機会が少ないため、まずは簡単に通信まわりについてご紹介する。ここで知っていただくべきブランドは3つ。Concox、Jimi、SIMCom。いずれも中国企業だ。

SIMCom

先ごろスイスのu-bloxが買収したが、もとは中国のチップメーカー「SIMCom」。無線モジュールを作る中国発のトップベンダーの一つ。u-bloxは以前から日本に拠点がある。

シェアバイクに限れば、トップ2社のうち、Mobikeは初期からGNSS+GSM/GPRSでの通信解錠システムを持つ一方、Ofoは当初は通信せずに4桁ダイヤル錠だった。その後、4桁ボタン式に変える際、Mobikeと同様に通信機能を入れている。Ofoに限って言えば、当初投下した4桁ダイヤル錠モデルがそのまま出回っているからか、鍵番号を表示させる方法に今までは寄せてきた。しかしこのあと触れるConcox&Jimiの製品を見ると、4桁ボタンが無いものも検討していたよう。ただ実際にはこのモデルは見たことがない。

先週の展示会では、SIMComはMobikeとOfoの両方の「鍵」を展示。Mobike用にはSIM800L、Ofo用にはSIM868を提供したとのこと。このSIM800LとSIM868の目立った違いは、SIM868にはGNSSが統合されていること。とすると、Mobike用には位置情報は別チップなのかと思い、開けてみたい衝動にかられるところ。AliExpressで調べてみるとSIM800Lは4ドル以下、SIM868は6ドル以下ぐらいで出回っている。実際にはさらに安いと推測できる。もっとも、上のとおりSIM800L単体では位置情報が実装できないようにみえるので、SIM800Lが採用されたシステムの中身を詳しく調べてみたい。

展示されていたMobikeとOfo用のリモートロック

展示されていたMobikeとOfo用のリモートロック。SIMComは通信モジュールを提供している。

なおSIMComの担当者によればNB-IoTでは既に日本向けの型番を用意しているという。

Concox と Jimi

Concox Jimi

次に紹介するConcox(深圳市康凯斯信息技术有限公司)とJimi(深圳市几米电子有限公司)はいずれも深圳に本社のある「兄弟会社」。実際にはそれぞれのWebサイトで同じプロダクトラインナップが並んでいるし、カタログはConcox&Jimiとしてダブルブランド。2015年から今の関係のようだ。そしてConcox&Jimiの製品でシェアバイクに採用されているものが「BL10」。Ofoが採用したとのニュースがあったが20万個と書いてあり、供給はごく一部に限られているようである。

Concox&Jimiの「BL10」

Concox&Jimiの「BL10」

このConcoxとJimi。2社のストラクチャは複雑すぎて登記を見ただけではよくわからないが、流れから見るとConcoxの方が規模は大きい。一方、高行新氏という人物が両社に関与されているようで、Jimiの創業者のようだ。そして今、キーマンはこの人のように見える。写真を見る限り若そうでもある。そしてさらに調べていくとJimi Cloudというプラットフォームビジネスも展開しようとしている。

なお、このBL10。どうもSIM800LやSIM868が採用されているシステムとは違う。スペックを調べるとNewMobi(新移科技。これも深圳の会社)のMTK2503が載っており、このMTK2503はARM7EJが搭載されている。正確にはMTK2503というチップ名の商品がNewMobiのWebサイトには見当たらないが、MT2503の開発用ドキュメントを読むと概ね一致しているのでこの派生だろうと推測できる。ここまで調べてきてわかるのは、「鍵」についてもいろいろな製品が市場に出現してきているということ。

しかし、やはり我慢できない。これはBL10を買って中身をみるしかないと思いAliExpressを調べたら499ドルと出てきた。1個売りにしても高すぎる。好きとはいえ500ドルほどの話しではない。。。残念。

後日、手元にある永安行、U-bicycle、bluegogo、七彩単車、GONBIKE、天天騎、99の写真を並べて、どこか同じ機器を採用していそうなところがないか調べてみることにする。

Ofoもよく見ると4桁ダイヤルの次に出てきた電子錠でも異なるタイプのものがある(赤丸部分)。

ソーラーパネルで発電している

ではこうした機器の電力をどのように確保しているかといえば、当然バッテリーから供給しているわけだが、BL10はソーラーパネルからの供給を受けることをインテグレートしている。

Concox&JimiのBL10の説明資料。ソーラーパネルのインテグレートができる。

Concox&JimiのBL10の説明資料。ソーラーパネルのインテグレートができる。

実際、新しい世代のMobikeのカゴを見てほしい。カゴは荷物を置くためにあるだけではない。ここにパネルがある(実はこれが出てきた当初はしばらく気づかなかった。)。よく見るとカゴの下から電源ケーブルが出ているのがわかる。ある意味でOfoの初期は自転車側に電力を必要としないことで良かったのだが、結局、4桁ダイヤルと個人のスマホによる位置情報の限界に当たってしまった。

Mobikeのカゴにつけられているソーラーパネル

Mobikeのカゴにつけられているソーラーパネル

今のGSM+GPRSでの通信でも必要最低限のことは出来ているが、この次にはNB-IoTが出てくる。速度が変わるわけではない。ただしNB-IoTになればバッテリーの問題がかなり解決する。まだまだ中国のシェアバイクとIoTまわりは面白い。

広州で自転車に乗る

広州でもMobikeにもOfoにも乗ってみる

広州に来ています。夕方、中心部へ食事のために移動した時に色々な道を少しだけ走ってきました。ところが広州は北京と上海と比べてシェアバイク率が低い気がします。十分に自転車は(そこらじゅうに)あります。MobikeとOfo、そしてbluegogoが少々。さらに僅かにいくつか。これは標準的な比率構成です。しかし、自転車に乗っている人が少ないのです。いないわけではなく「徒歩:自転車」の比率で自転車比率が低く、ものすごくざっくりいうと1パーセントを切っているように見えます。これが北京や上海だと定点観測すれば3~5パーセントぐらいにはなるのではないでしょうか。

ラウンドアバウトと地下道が自転車を分断している?

最初は単なる違和感でしたが、地下鉄の駅を一駅分、歩いて様子をみてみました。そこで気づいたことが、ラウンドアバウトと地下道の存在です。そして、例えば上海の浦東エリアのように「片側4車線でラウンドアバウトもあるが横断歩道もある」ではなく、歩行者が渡る手段は地下道しかなく(南北と東西のどちらかにだけ横断歩道があることも)、かつ太い通りには中央分離帯ががっちり。よって自転車が道を横切ったり大きな交差点を渡るこどか容易ではないのです。東西南北いくつか見て回りましたが同様でした。

百度地図で目的地に向けて走ろうとしたら逆方向を向き、ぐるっと回れというので、こいつなんで南に行くのに東を向くというのだよと思ったら、つまりそういうことだったわけです。

地下道に自転車を持ち込むこともできますがスムースな移動とは言えません。実際、少し様子をみていたらちょうど自転車から降りて地下道に向かう人がいました。アップダウンがきついわけでもなく、歩道と車道の幅の支障もありません。私が持った違和感が恒常的な状況だとすれば、こうしたことが要因の一つかもしれません。

広州の様子です

地下道に入るために自転車を降りる人。このあと立て続けに5人が同じように。

今日は細かく調べずに書いていますので、改めてデータや規則などを調べておきます。なお、広州は大変広く、私が見た場所はごく一部。少し離れれば様子は違うことでしょう。よって、ある部分を切り取ってみた一視点に過ぎないということをおことわりしておきます。

ソニーは韓国?

ところで、ホテルに荷物をおいて仕事に向かい歩いていたら、たまたま同じ方向に行きたいが道が渡れない(新港東路という道路を前に私も途方にくれていた)というエチオピア人だという男性に話しかけられました。

こちらも10分ぐらい歩く道のり一人じゃつまらないからと、なんで広州きてるんだという話や(ものすごい見た目からの偏見に聞こえるかもしれないけど、アフリカの人のようである時点で広州には商売で来ている人が特に多い)、エチオピアというのは何が特徴があるのかと聞いていたら、話の流れが日本に。そして一言。

「日本の会社もいろいろといっているよ。ソニー。あれ、ソニーは韓国か。 キヤノンとトヨタは日本だよね!と」。おぅ…。ソニーは日本だよ!、Samsungが韓国だよ!と訂正しましたが、遠く離れた場所から見れば日本も韓国も東の外れの小さな国。我々が遠く西の国を見ているのと変わりません。が、軽くショックでした。

今日の仕事の話はまた今度。広州に来て面白かったのは、中国ではどこでも街で色々なものを売っている人を見かけますが、ここではドローンを飛ばしながら売る人をたくさん見かけました。さすが! そして先ほどテレビで天気予報を見ていたら、また台風が香港・広東に向かってるようですよ…。

カンボジアに和牛を輸出している地域(税関)はどこか

カンボジアに和牛を輸出している地域

日本の冷凍和牛の輸出先第1位が5年連続カンボジアであるわけですが、2017年も順調にその傾向がみられます。さて、その冷凍和牛は日本のどの地域から輸出されているものが多いのでしょう。ということで、貿易統計で楽しく調べてみることにしました。

なお、なぜカンボジアが冷凍和牛の輸出先第1位なのかについてはこのblogでは触れません。検索すると答えと方法がたくさん見つかりますのでご参照ください。上海に行くと美味しい和牛(オーストラリア産のWagyuではありません)が食べられますが、中国は日本から2001年以降輸入はしていないことになっています。

わが国の税関の管轄は9つに分かれている

東京税関、横浜税関、といったように、日本の税関は9つのエリアで管轄が分かれています。このうち東京税関の管内には羽田空港や成田空港の支署などがある東京エリアだけでなく、やや離れた場所としては新潟も範囲に入っています。

今回の目的は、9つの税関の管轄のうち、いったいどこの税関を通じて「カンボジアの人がほぼ食べているわけではないと分かっているのに冷凍和牛が輸出されているのか」を知りたいというものです。厳密には税関と輸出する者の位置関係に正確な意味はありませんが、どこに輸出するためのものが集まってきているかは分かります。さすがに、例えば九州の牛をわざわざ横浜まで運んで輸出することが多いとは考えにくいためです。

なお門司税関では「和牛輸出第一位ワーイ」(注:筆者に聞こえた声)という特集が昨年12月に出されています。畜産王国九州です。胸を張っていただいてよいと思います。なんといっても日本のほぼ半分の牛肉は門司税関管内から輸出されているからです。そして、冷凍和牛ではなく冷蔵和牛にカンボジアルートはありません。概ね仕向地が本当のfinal destinationだと考えてよいはずです。香港やアメリカで美味しく食していただいているものと思います。
牛肉の輸出 – 門司税関の 2015 年輸出数量、金額過去最高 -シェア全国第1位

冷凍和牛とカンボジアに絞る

しかし門司税関の上のPDFは冷凍和牛と冷蔵和牛を分けていません。ここでは肉製品の貿易に係られている方であればお分かりいただけるだろうと思いますが、0201と0202の合算をされています。カンボジアに行っているのは冷凍品です。冷蔵品はさすがにドンブラコとタイに渡ってさらに中国に行くということはありませんし、あったとしても私は申し訳ありませんが食べません。

ということで、0202と、120、つまりカンボジアの組み合わせを調べたくなったわけです。なお120はカンボジアの国コードです。

実際には検索機能を使いますが、このようにCSVデータから確認することもできます。

貿易統計のCSV

貿易統計のCSVとニラメッコ。

まずは今年の状況を確認する

それでは、冷凍和牛の2017年度の状況について確認しましょう。

ちょうど6月度までは確定も出てきており第一四半期の状況がわかります。よしよし、今年度も出だしからカンボジアルートが好調だぞ(謎)、とわかります。金額ベースで見るとこれを単純に4倍すると昨年度を超しそうです。普段ならばきれいに整形するのですがExcelからのキャプチャだとモロワカリの手抜き具合、お許しください。

冷凍和牛の輸出金額と主要相手国。カンボジアが引き続き1位です

冷凍和牛の輸出金額と主要相手国。カンボジアが引き続き1位です

どの手段で輸出されているのか

貿易統計では「航空貨物」「海上コンテナ貨物」のいずれで輸出されているかが分かります。運送形態別といいます。ただし、郵便や海上バラ積み貨物で輸出されているものについては検索できませんので、まれに総額と合わない品物に出くわすことがあります。ま、牛肉でこれに出くわすことはありません。

貿易統計検索ページ
運送形態別品別国別表

結論はあまりにも簡単ですが、海上コンテナ貨物でしか輸出されていませんでした(過去の統計をさかのぼっても)。これは、カンボジアに日本からの直接の航空貨物便が飛んでいないからということではなく、経由や積み替えであってもいいわけですが、そもそも船でしか運ばれていないということになります。

運送形態別の冷凍和牛の輸出状況(2017年1-6月)

海上コンテナ輸送による冷凍和牛の輸出状況(2017年1-6月)

いよいよ税関別の状況に。

それでは、本日のお題である「カンボジアにはどの税関から和牛が輸出されているのか」を調べましょう。玄人さん向けにはCSVデータを使う方法もありますが、ここでは初心者コースということで検索ページを使います。既に品目コードが0202から始まることがわかっています。カンボジアは120ですね。

なお、0202が冷凍牛肉だよねというような輸出統計品目表については 財務省 輸出統計品目表
を使っても便利ではありますが、私は日本関税協会が提供されているweb輸出統計品目表をブックマークしています。

それでは検索しましょう。税関別で複数の月にまたがって検索する場合には「税関別品別国別表」ですが、税関別・国別・品目別で検索する場合には「統計品別国別税関一覧表」を用います。ここでは後者の「統計品別国別税関一覧表」で検索した結果を表示しました。

結果は、第1位が横浜。単価が高いのは神戸

引っ張りましたが、ようやく結果です。2017年度第一四半期(4-6月)の状況は以下のとおりです。

2017年4-6月度のカンボジアへの冷凍和牛輸出の状況
第1位横浜本関、第2位門司の下関税関支署、第3位同じく門司の博多税関支署、最後に神戸。なお2017年1-3月を絞るとと東京からわずかに輸出されていましたが4月以降の実績はゼロです。

ここまでくると、どの地域のお肉なのかが分かる気がしますが、神戸は本当に少なそうです。ただ、量が少ないのも起因しているでしょうが、1キログラムあたりの単価は神戸がトップ。高いお肉なんでしょう。参考までに、2016年1月から12月においても第1位横浜(192トン)、第2位下関(122トン)、第3位博多(36トン)は変わりませんでした。

また、2016年までは統計で冷凍和牛について枝肉・半丸枝肉以外のかた、うで、もも、など骨付きでない肉とが区別はされていませんでした。今年からはこれらが区別されていますが、その中でも輸出量の大半は枝肉・半丸枝肉が占めています。仮にすべてが枝肉だったとするとおよそ400-500キログラム程度。ここから脱骨などをしていくと半分ぐらいになります。どこかの記事で枝肉の単価で計算していた人がいましたが、グラムあたりの比較をするならば枝肉で割り算しないほうがいいと思います。

仕向地は「最終目的地」のはず

最後に、牛肉を大事に育て出荷されている皆さんや、本当にカンボジアの中で流通させるために尽力されていらっしゃる方の努力は十二分に理解しています。私個人としては、ここまで実状は奥深いものがあるのに、長期にわたって迂回ルートが取られている現状は好ましくないものと考えています。中国が一日も早く日本からの牛肉輸入を解禁してくれることを期待しています。

仕向地というのは「輸出貨物がその取引において最終的に仕向けられる国」です。いいですか。最終的に、です。それでは、カンボジアの人が本当にたくさん和牛を食べて頂ける日が早く来ること、および冷凍和牛の統計に「105番」(中華人民共和国)がまた出てくる日が早く来ることを期待して、本日はこのあたりで。書いててお腹減りました。

中国の空港で飛行機が遅れたときに見るべきアプリ

今日も遅れる北京空港

ただいま、中国は北京空港にいます。今日は東京-北京の日帰り出張です。中国時間17:10出発予定のフライトですが、これを書いているのが18:45。ゲート前で出発時刻の予定は分からないまま待ちぼうけです。5分くらい前にはじめて「遅れるよん」というアナウンスがありました。

中国の空港での大遅延は決して珍しいことではありません。遅れるときにはうんと遅れます。私の今まで最高記録は国内線で9時間遅延。午後3時台のフライトが深夜0時近くになって飛び、しかも途中で欠航とシップチェンジを繰り返したことによって座席がぐちゃぐちゃになり、とりあえず乗る人乗って、みたいな感じ。いっそ欠航にしてくれたほうが幸せだったかも。

北京-上海間だと、2時間ぐらいの遅延になると新幹線(高鉄)移動の方が早くなりますし、そもそも場所によっては高鉄に軍配。高鉄は時間が読めるので1-2時間ぐらいの差ならばよいという人だと、こんなストレスに耐えるよりは高鉄です。でも私、飛行機好きなんで。

怒り始めたらご飯の時間

怒る人が出てくるのも恒例。でもゲートのスタッフにとっては怒られてもどうしようもありません。彼ら彼女たちも慣れているのである程度は聞き流していますが、そのうちまじめに喧嘩になることも。お腹が減るとダメだってことなのか、ある程度の規模の空港だと(=ケータリング施設があるところに限られてる)弁当が配られるというのもオペレーションが出来上がっています。そう書いている最中に、盛り上がってまいりましたよゲートで。

カウンターでの様子

ゲート前で盛り上がりはじめる人たち。でもまだこれぐらいは序の口。

もともとこの便が遅れそうだとは全く思っておらず(前便は青島空港から北京空港へほぼ予定通り到着していた。これがそもそも遅れていると「始まる前に終わり」で諦めの境地に。)、気持ちよくゲートに行ったところ、同じバス用ゲートを使う前便が3時間近く遅れていてごった返し。この時点で搭乗時刻がずれ込むのは確定です。チーン(1回目)。

中国でフライト情報を得るアプリは飞常准がおすすめ

さて、中国においてフライトの情報、それも遅延や出発順序だけでなくシップのレジ、そのシップが今日一日どう飛んできているのか、などを簡単に把握できるアプリに飞常准(飛常準)があります。中国で飛行機を多用する人のほとんどはこれを入れているのではないかと思うぐらいによく使われています。実はリリースされてから年数が相当たつのでいまさら紹介するというのもありますが、これから中国に来る人にはお勧めです。携帯電話番号の認証を通しておくと機能が多く使えるようになります。

飞常准

空港にいて遅延のアナウンスが丁寧に流れるという期待は無理。私の目の前で並んでいた日本人の方からは、「この空港、WiFi飛んでいないですよね」と聞かれましたが、情報入手の手段が外国人だとさらに限られていったいどうなっていることやら、と。なお北京空港には旅客用のゲストWiFiは飛んでいますが、まともにIPアドレスが割り当ててこられなかったり干渉がひどかったりで最近はとんと使ったことがありません。

話しを戻して、飞常准の細かいデータには色々と突っ込みどころもあるものの、ありがたいのは、「予定時刻と実際に飛んでいった/着陸した時刻」との乖離。これを見れば、どれぐらい行列があるのか、つまり離陸/着陸待ちで詰まっているかがわかります。したの画像を見ていただくと分かるとおり、もうこの数時間、つまりまくりです。

飞常准で見る、時間ごとの予定と実際の差

飞常准で見る、時間ごとの予定と実際の差

ただし遅延時間の予測はあまりあてにならない

航空会社が出す情報を拾っている様子がある場面もあるのですが、例えば私がこれから乗る予定の便の時間の遅延予測は恐らく何らかのアルゴリズムで飞常准が自らはじき出していそうです。単に前に詰まっている便数と平均離陸間隔時間をとっているのでしょうか、よってこれは「遅れる」ということの把握だけに使われることをおすすめします。もちろん、これを書いてるのが18:45といいましたが、既に過ぎています。チーン(2回目)

飞常准で見る遅延情報のキャプチャ

飞常准で見る遅延情報。アナウンスがないので少しは気休めになる。

それにそもそも18:00前の時点で離陸待ちが50便ぐらいいましたから、北京の管制事情を考えばどう考えてもさばけるわけがありません! さらに、1時間ほど前にrunway changeでみんな南向きから北向きにえいやーっと回されていまして、上でholdかかってたのも含めて北京の南のほうに皆さん移動されてました。大変だ…。

そう書いてたら、次のプーケット行きの便が先に搭乗開始です。。

19:10のプーケット行きの搭乗開始。。

19:10のプーケット行きの搭乗開始。。

いつ乗れるかなぁ。チーン(3回目)

日本と中国における公専公形式のインターネット接続

中国とクラウドとインターネット的「国際公専公」

にわかに「中国」「クラウド」「国際公専公」という3つのキーワードが重なる界隈に動きが見られるようになってきました。中国と外国との間ではクラウドサービスのリージョン間接続は認められないとの考えが存在してきた中、Aliyunが風穴を空けてきたのです。

噂では、これがどうやっても実現できないせいで中国大陸の展開を先送りにしていたクラウドサービスもありました。近年、クラウドサービスのリージョン間接続は国内だけでなく国際間でのニーズも高いわけですが、中国のインターネットの規制を考慮するとこれをどう出来るかという問題があったわけです。なぜならば、中国と外国の仮想サーバ同士の通信はどう取り扱うのよ、という問題があるためです(基礎電信業務経営許可を国際の範囲でとり、ISPライセンスを持ち、通信を公衆網と同等に監視するということならば出来るという方法も規制上考えられはする)。どうであれ、特にWebサイトにはユーザに対する制限等の記載は見当たらないまま登場してきました。

Aliyunのサービスページの情報

以下のようにパブリックネットワーク(公衆網)と「高速通道」(リージョン間のVPC同士の通信)との差を説明されています。SDNを使って最適な経路を選択しているという記載もあります。

Aliyunの仕様書情報
何が驚きであったかというと、「これ、やるんだ」という話しであります。よってここでは、関係者の方たちからの話しを聞く前に客観的に中国と国際公専公の話を整理し、その上で、機会があれば関係者のコメントを得てご紹介したいと思います。

国際公専公とは

国際専用線の両端に公衆網を接続することを「公専公」または「国際公専公」といいます。その昔、まだ国際電話が非常に高額だった時代、日本と外国との間の国際専用線を借りた上で両端に交換機等を接続し、日本は日本の公衆網、外国は外国の公衆網と接続し、日本と外国との間の電話をそれぞれ国内通話料金+アルファだけで使えるようにするといった事業者が出てきました。もう20年以上前の話です。約款外役務提供契約という存在に書かれた条項が壁でした。

また、国際電話の場合には、発信した側が料金を収納する一方、着信した側との間ではそのコストについて精算する仕組みがあります。一方、その仕組みが公正な競争の原理が働かずに運用されているケースも昔からありました。そして、インターネット電話の技術から進めば進む一方、国際電話の料金と国際専用線の料金の差をうまく利用しようと考える人たちが出てくるのも当然でした。

「国際公専公」について細かく取り上げることが本題ではないためある程度割愛しますが、わが国では1997年に国際公専公接続が解禁され、これによって国際インターネット電話(IP Telephony)分野はさらに前進しました。両端に公衆網が繋がりますので、東京03からかけてアメリカまでは専用線網でいき、そこからまたアメリカ国内の公衆網で接続するといったことが合法的にできるようになったわけです。公専公の歴史だけをとりまとめた良い資料は残念ながら見当たりませんが、旧郵政省の決定資料では当時の市場の様子を少し垣間見ることができますので参考に紹介します。

12/22付:国際公専公接続の自由化に関する方針の決定

中国におけるインターネット通信の「公専公」

ところで、日本やアメリカでは国際電話が国際通信における主流の時代に「公専公」を解禁してしまっていたのでこの20年のインターネットの発展において具体的な検討は起きなかったものの、中国においては未だ電信条例において「国際公専公」を禁止する条文が残っています(以下は2016年改正版)。

第五十八条 任何组织或者个人不得有下列扰乱电信市场秩序的行为:
(一)采取租用电信国际专线、私设转接设备或者其他方法,擅自经营国际或者香港特别行政区、澳门特别行政区和台湾地区电信业务;

すなわち、国際専用線などを借りて勝手に国際接続サービスをやるな、ということです。電信業務ですので電話や通信のいずれかに限定しているわけではありません。私の推測ですが、この条例が出来た2000年当時の中国の状況を考えるとインターネット通信の「国際公専公」はそこまで想定しておらず、ましてやクラウドの存在はなく、おそらくは、そもそもユーザとして国際専用線を借りて、それを又貸しまたは一部転用して第三者に貸し出すかたちでの国際電話や国際接続サービスをやるなと包括的に禁止したかっただけであろうと思います。また、そもそも国際電信に関する業務は内資100パーセント企業に対する許可制です。無許可でやるなよと繰り返しているに過ぎないとも言えます。

ちなみに10年ぐらい前に中国でこうした仕事をしないかと現地のキャリアの地方会社(キャリアは全て地方ごとに単位が分かれている)から誘われて検討したことがありましたが、厳密には違法であったとしてもキャリアからするとこの手の仕事で儲けているユーザがいるのを知っていたはずで、その儲けがただ流れていくぐらいならば知った先と組んでやろうとしたのかなと今では思います。

クラウドサービスの規範化

2016年11月、工信部が「关于规范云服务市场经营行为的通知」の意見募集稿を出しました。色々なことに触れていますが、ちょうどある海外ブランドのクラウドサービスにおいて顧客との契約方式についてこれより前に問題が起きていた(その後顧客との契約方式を変えて問題は解消した)ことなどを意識した内容が中心ではあったものの、一つだけ異質な条文がありました。それが以下です。

云服务经营者应在境内建设云服务平台,相关服务器与境外联网时,应通过工业和信息化部批准的互联网国际业务出入口进行连接,不得通过专线、虚拟专用网络(VPN)等其他方式自行建立或使用其他信道进行国际联网。

どの国でも同じですが、誰も動いていないところを突然国が言い出すということはありません。よって誰かが動いた、または動いていたと考えるのが自然です。一つは先のとは別の海外ブランドのクラウドサービスがこれを展開しようとしたがっていたことは耳に入ってきていましたし、それ以外のクラウドサービスでも同様の話しが上がっていました。さらに中国国内のクラウドサービスについてもこの時期より前から検討がされていたのを聞いています。

こうした中で工信部としては、無許可で勝手にバイパス作るなよ、というメッセージを出したわけです。もっとも、結局この意見募集稿が正式な版に格上げされた形跡はありません。よってこれはまだ「出ていない」ものとして取り扱われるとすると、電信条例第58条しか制限を加えているものは存在せず、少し斜めからの解釈をすれば冒頭のように基礎電信業務経営許可で国際の範囲でとり、ISPライセンスを持ってしまえば出来なくもないといえます。が、国際の範囲での基礎電信業務経営許可が新たに認められたという話しはありません。

しかし、この「風穴」は中国にとっては微妙な諸刃の剣になる可能性があります。なぜならば、中国のクラウドサービスに認めるということは、海外ブランドのクラウドサービスにも認めるロジックが出来上がる可能性があるからです。海外ブランドのクラウドサービスは全て中国にあるパートナー企業(内資)が契約主体となっています。よって、海外ブランドであろうと中国においてはそのサービス主体は中国企業であることにより条件は揃っており、あとは要件がなんだったのかということに我々の関心は移ることになります。

今後の可能性

実は今回紹介したAliyunだけでなく、他の中国のクラウド・ネットワークサービス企業でも同様の動きがあります。全体的に古くからの大手企業ではこの手の展開は聞こえてきませんが、新興企業の中には既に日本にPOPをもって準備を進めているところもあります。実際、私たちも両方のリージョン間で計測させてもらいましたが「いいスピード」が出ていました。この両端にインターネットを繋げれば幸せになれるよなーと思いつつ、Great Firewallや中国における国際通信の考え方を根本的に壊してしまうことにもなり、このあとの道のりはやや険しいだろうとも感じます。

まず、私個人が想定する今後の可能性はいくつかあります。一つは「実験的」にしばらく様子を見て何らかの本格的な規制をいれるかどうか検討。もう一つは、価格設定でのコントロール。いわゆる昔の国際公専公は、閉域線網でバイパスするというよりもコストを下げることに目的がありました。よって提供価格を専用線やIP-VPNなどと比較して大きく下げなければ市場が大きく崩れることはなく、利用者も限定されるだろうと考えることもできます。まぁ、日本と中国以外の場所で中国のキャリアが売っている日本・中国間の接続性(IP Transit)の価格がチラチラ聞こえてくるところでは、それもあってないようなものという気もします。

最後はクラウド事業者側に一定の資格を持たせること。既存の分類では該当するものが無いので何らかの範囲の資格を持たせることにするというのが現実的ですが、一定の通信の監視と安全管理を義務付けることで認めるという方向性も考えられます(そういえば分類に該当しない新業態への対応の通知が最近出ていましたね)。

いずれにしても、公表されている通知等ではこれらが認められるという根拠は見当たりませんが、中国では通知がずいぶんと時間が経過してから通知が「ぺろっ」と公表されることもありますし、そもそも内規レベルであれば公表もされません。むしろ、これはやってもいいよという通知が出たときには市場は終わっています。すなわち、今回は、赤信号でも青信号であるとも書かれていない道路を「堂々と渡った人がいる」ということが重要な変化なのです。本当にただ道路を横断したのかもしれませんが、実はそこには私たちには見えない横断歩道が書かれているかもしれないわけです。

では。

享騎電動車 – 上海の電動シェアバイク

自転車のように見えてペダルは使いません

上海に来ると北京と少し違うシェアバイクの風景があります。電動自転車です。北京にも今月からmangoという電動自転車が進出してきましたが、上海はその比ではなく広まっています。外見は日本の電動アシスト自転車に似ていますが、ペダルでもこげても電動「アシスト」機能はなく完全に電動車です。電動スクーターのような感じです。

上海の電動自転車にもいくつか出始めてきていますが、この黄緑色の享骑电动车が先発。もともと享骑出行といっていたのが享骑电动车になり、今は第2世代(家本調べ)の電動車が投下されています。

享騎電動車。黄緑の特徴的なカラー。

この暑すぎる上海で自転車をこぐのは単なる苦行でしかないのですが、電動車はまだマシでありまして、木陰の道などは風が気持ちよく感じ、、、るわけはありません。ただの熱風です。(ちなみに今週の上海は連日40度近い気温が続いています。iPhoneの天気情報によれば体感温度が46度近い日もあります。)

まず享骑电动车は置き場所が比較的集中しています。というのも、そもそも停める場所が他のシェアバイクと違って自由ではなく、ある程度指定されたエリアに置かないと「施錠できない」ようになっています(正確には課金の終了ができない)。ちゃんと指定した場所に停めてねって書いてあるのでそのとおりにしましょう。

指定した区域内に停めてね。って。

享騎電動車が並んでいる様子。よくこの光景を見かけます。

停車して施錠しようとすると、ここには置けねーから「P」に置いてねと。施錠できないので置きに行くしかない。

よって概ね比較的集中しているわけですが、ま、それでもそのあたりに放置されているのも見つけられます。

乗る前のお作法

乗るときにQRをスキャンすることは他と変わりませんが、スキャンすると残りのバッテリー容量と大まかな走行可能距離がわかります。

5キロ以上乗ったことがないのでこの目安の妥当性はわかりませんが、私はだいたい50パーセント以上残っているものを選ぶようにしています。少なくなるとややスピードの出が悪い気がします。しかし、単に気のせいかもしれません。

バッテリー残量と走行可能距離が表示

見分け方

第1世代と第2世代の見分け方は簡単です。第1世代はバッテリー残量メーター兼ライトが真ん中にドン。第2世代はハンドルの右側に。正直なところ、二つの世代で乗り心地にほぼ違いはありません。第2世代の方が(新しいためか)幾分ペダルが軽いかなというぐらい。

期待していたのはね第1世代も第2世代もサドルの高さを変えられないこと。MobikeとOfoで私がOfo派なのはサドルの高さが変えられるってのもあるんですが、全体的にシェアバイクは変えられないのが多いんですよね..。レンチがあれば出来そうな気もするのですが…。

なお第1世代と第2世代という言い方は私が勝手につけた表現です。私は第2世代を選ぶようにしていますか、初めての方はまずはどちらでも良いと思います。

これが第一世代。

これが第二世代。

バッテリーの盗難防止

いわゆるバッテリー盗難問題も第二世代になってカバーがつきはじめています。しかしそれでもバッテリーカバーをこじあけようとしたなという痕跡のあるのも見つけました。いけません。

これが第一世代のバッテリー。強引にやれば確かに盗まれそう。

カバーがついた第二世代。日本の自動販売機にもこういうのある。

痕跡。ドライバーか何かでこじあけようとしたかな。

ナンバー

今では電動自行車扱いでナンバーもついています。初期に投下されたものの中には僅かについていないものもありますが、7-8割の享骑电动车にはもうついています。

ナンバー。もっとも、この位置では周りからは見えません。

ちなみにこのナンバーは、おじちゃんたちが乗っている電動車と同じです。

行政上は同じ扱いということ。

走りやすい上海

上海にきたらぜひ試してください。日本にはない電動車(このカタチのままでは日本ではいけません。あ、警察官の前ではこいでくださいねと売ってた人たちがいましたね…)。決済だけAlipayかWechat Paymentに紐づける必要がありますが、身分証明書がなくともパスポートで実名認証はクリアできます。

こんな感じでスーイスイと。下の写真では歩道がすいてたので歩道を走ってますが、右側車線の路側帯(自転車のマークが結構書いてある)を走るのが基本。なお、左側を走ると逆走です。ぶつかります。

スーイスイ

木陰になっているところも多いです。スーイスイ。

それでも油断してると前から三輪車がきます。お気をつけください。

自転車のベルではなくブザーがついてるので「気づいているよ」という意味でもプップーと。