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滴滴(didi)が始めた青桔単車

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青桔単車

独自の自転車ブランドを展開しはじめた

タクシー予約アプリで独占的地位になった滴滴(didi)が自転車領域にも展開し始めている。手始めに倒産したbluegogoの顧客と自転車を買い、続いてdidiのアプリから出資先であるofoを予約できるように。その上で今度は自らのブランドを立ち上げてきた。それが「青桔単車」。ところが、この青桔単車が出だしからもめている。

1月下旬に成都でサービスインした段階ではまだ良かったが、続いて3月に深圳で2万台近くを投下したところ当局からかなり怒られた。

最近はほぼすべての主要都市では地域単位で投下できる自転車の量が制限されており、誰かが撤退したり台数を減らさなければ新たな投入が認められない場面が増えている。たとえば北京市にHellobikeが出てきても、中心部には一切許可されず、五環の外側でかろうじてという状況。深圳では相当なお怒りをかうことになった。

そしてどうなったかといえば、上の写真のとおり、鎖に繋がれている。完全に見せしめ。

この写真を撮影した場所はちょうど交番の横で、そこに自転車が横一列に並べられている。数日見ていると新たに回収された自転車が次々に鎖につながれていった。

交番横で繋がれていく青桔単車

交番横で鎖に繋がれていく青桔単車

どこまで本気なのか

2018年に入ってサービスを展開するにしては、どうも本気度合いが分からない。理由は2つ。

まずは、何も目新しさがない。本当に一つも。謳っているのは「保証金なし」、「didiのアプリから使える」の2つ。しかし今更感が強い。保証金無しで乗れる自転車はもともといくらでもあるし(古めのプレイヤーとしては赳赳单车など)、さらに芝麻のポイントでクリアすることも難しくない。

青桔

並ぶ青桔

自転車にも一切の特徴がない。自転車は確認した全てが天津富士达製。そして使われているパーツは率直にいってほぼギリギリのコストラインのもの。チューブのデザインは完全に同じものは見当たらないが、前後のブレーキ(唐沢のバンド)からにぎりからバスケットから部品類はほぼofo向けと同じ。タイヤは24×1.5をはく。色を黄色くすればofoになるな。

鎖に繋がれていない車両を発見

深圳の中心部ではそもそも鎖に繋がれている車両以外を見つけられなかったが、北や西に出るとオレンジ色と黄色の間で挿し色になっている車両をポツポツと見かけられる。

青桔を右に向けて見た写真

青桔を左に向けて見た写真

まだ投下されてごく僅かな車両。せっかくなので撮影のために少し移動させてみる。動かしてみてピーピー鳴る場合には加速度センサというか振動センサが入っていてスマートロックのコストもごく僅かだが上がる。これは鳴らない。

本当は使えるかどうか試してみたいのだが、didiの自転車予約は身分証がないと使えない(タクシー予約は出来る)。bluegogo時代も外国人はOKだったし、ofoも引き続き外国人はOKだが、didiで自転車となると出来ず。ところが私はbluegogoに預けていた保証金と残額をdidiに移せるとなった際、深く考えずにdidiの自転車利用券に移してしまい、一枚も使えないままクーポン枚数が大量に残っている。

誰も乗っている人は見かけない。

この上の写真、改めてよく見ると、すでに前の泥除けが曲がっていた。

さて、この後はどうなる

少なくとも、まだやる気はあるようである。部品メーカーを回っていたところ、とある部品のオーダーがあるという話が聞こえきた。

もちろん、didiのポジショニングからして、人間の移動の入り口を取っているという強みを活かすのは当然。日本だと地図か乗換案内が入り口になりやすいが、didiはタクシーに限らず交通手段の入り口の一つとして機能している。

Apple Mapが中国で試験的に自転車の位置を載せることをはじめるという記事が出ていたが、発想は同じ。ユーザは実はどの会社の自転車とわざわざ選びたいのではなく(私は選ぶけど)、目の前に自転車があればそれを、もしくは最も自分に近い場所の自転車を探すことが大半だから。

ならば、なおさら。もう少し自転車とサービスの作りこみを考えないと。今の状況だと、潰れはしてしまったけど(didiが買った)bluegogoのほうが自転車もサービスもずっと良かったという声が出かねない。がんばれ!

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