クララオンライン

月額2980円のVPSサービス

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blogに書いててもこういう話題は全く興味が無いという方には面白くともなんともないかもしれませんが、これが仕事なのでどうぞご容赦ください…。

月額2,980円のVPSのサービスの新規受注を今日で停止することになりました。既に1ヶ月ぐらい前からお客様にはアナウンスをさせていただいていて予定していたことではありますが、VPSサービスの新規受注数の約4割を占めるというサービスを停止するということは実は相当な議論の末に至った結論でした。

LinuxベースのVPSの市場を日本で初めて開拓したのは弊社ですが、以来順調に拡大させていただいており、過去一度も累積の契約件数が前月を下回ったことがない完全な右肩上がりのペースできています。LinuxベースのVPS に関してはそういう意味で日本で最も実績があり、もっともノウハウを持たせて頂いているホスティングカンパニーであると自負しています。また、さらに拡大するためにシンガポールの同業者を買収するなどして積極的に動いているところです。さらに、VPSの市場はホスティングの市場全体から見るとまだ小さな状態で、市場構築の段階にある市場だと考えています。

そういう意味で、2,980円のサービスは普及価格帯でもあり、また2,980円でroot権限が使えて、PHPやMySQLを使うことができて、というスペックは確かに市場にウケました。同額ぐらいでの法人向けのホスティング市場では、自由度の低いホスティングサービスがまだたくさん残っていますし、とりあえず安くroot権限のある環境が欲しいというユーザ様には満足して頂いています(解約率は1パーセントを常に下回っています)。

ところが、2,980円ではさすがに電話のサポートをお受けすることができません。日本の人件費は皆様ご存知のとおり大変高いのです。従ってお客様のやり取りとはメールでのやり取りになってしまいます。また、一部のお客様の中には激しい使われ方をされるケースもあり、VPSのようにメモリやCPUの空間を完全にお客様の仮想環境ごとに分けている場合、予め設定してある制限値に引っかかると動作が遅くなってしまいという問題があります(良い意味でも悪い意味でも共用型のホスティングは「あるだけ」リソースが使えます)。安いサービスの場合にはどうしてもその制限値が厳しくなっています。そうすると、クララオンラインというブランドの方向はハイエンドなホスティングであるにも関わらず、「クララオンラインの安いVPSはどうもな」という話が出かねないわけです。そしてそのネガティブメッセージが間違って広まってしまい、本来取りにいきたい市場での印象が悪くなってしまい可能性があります。

今回は役員間でも数ヶ月の議論の末、市場の拡大に低価格帯のサービスで力をいれるべきだという一方、お客様に満足のして頂けるサービスに集中すべきだという意見で考えを出し合い、結果として2,980円のサービスの新規受付は停止するという判断を致しました。ただ、個人的には低価格帯のVPS は、これはまた別の市場があると思っています。別ブランドで対応するのか、それともクララ単体で進めるのかはわかりませんが、いずれにしても改めてどこかで取りにいきたい市場ではあります。

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