グリーさんのアプリ開発スタジオであるWright Flyer Studiosが配信しているモバイルゲーム「消滅都市」の中国へのライセンスアウトをご支援しました。グリーさんの自社IPのスマートフォン向けモバイルゲームの中国展開は初めてです。
このプロジェクトはクララオンラインの東京のチームがグリーさんをご支援するかたちで進め、主に日中間の協議・契約の調整などを担当させていただきました。先日、ライセンスアウト先である上海東方明珠迪尔希文化伝媒有限公司(OPD2C)さんの上海のオフィスに私も訪問させていただき、両社のエンジニアが急ピッチでローカライズ作業を進めている現場も拝見してきました。
モバイルゲームのライセンス契約は日中間でもこの数年で急速に増えつつありますが、同時に中国という国の法令・規制などの環境を十分に考慮する必要があります。たくさんの日中間のライセンス契約に携わらせていただいてきましたが、契約書ひとつをとっても雛形からの軽微な修正で終わることは一回もありません。ライセンサー・ライセンシーの個別の状況を踏まえてどこまで深く契約書で決めるのか、動きの速い中国市場の温度感とどのようにすり合わせるのかなど、細かな検討が数多くあります。
また、中国では日本のように「ゲームが出来上がったのですぐにプラットフォームの審査を経て配信」というわけにはいかず、文化部や国家新聞出版広電総局への申請・届出、そして当然ながら商標登録、ソフトウェア著作権の申請など様々な当局への手続きが発生します。この点のステップを間違えるとリリースの手前で足踏みしてしまうことにも繋がりかねず、「そこで何をすべきなのか」という点については十分な経験が必要です。(実際、2年ほど前まではこれらの手続きについてもプラットフォームによって判断はまちまちでしたが、必要な手続きをとっていなければ配信に至らないという姿勢にプラットフォームも変わっています。混沌とした市場から、適切に管理される市場に移ってきているという印象です。)
既に中国国内にも「消滅都市」の日本版のアプリでプレイしているユーザが多くいると聞いています。中国の「消滅都市」ファンが増えることを期待しています!
