シェアサイクル チャリチャリ

スタートアップと規制改革

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福岡市で開かれたB Dash Camp の『福岡市 国家戦略特区規制改革ピッチ』で優勝しました。福岡市の高島市長が前回の札幌でのB Dash Camp時に発表された取り組みで、福岡市に対して国家戦略特区として規制改革を進めるアイデアを提案してほしいとの募集に対し、私たちからはシェアサイクルを通じて市民の皆さんの生活が、そして来街者の方たちの福岡での体験がより楽しく、便利になるようにどうしたらよいかという点についてご提案しました。

シェアサイクルの利用促進・推進のためには、利用されることが期待される場所において『ポート』の展開をどれぐらい高密度に展開できるか、大規模なポートが設置できるかということが重要なキーです。この記事を書いている時点では民間の皆さまのご協力を中心に福岡市内には約560ヶ所のポートがありますが、もっと出発地・目的地・立ち寄り場所となる場所への展開が必要だと感じています。毎日毎日お客さまから『ここに置いてほしい』というお声をいただいていますが、場所の確保をお願いしていくことはなかなか容易なことではなく、歯がゆく思っています。

限られている地上空間をどのように有効活用するのか。都市力をさらに高めるためにはどうしたらよいのか。シェアサイクルのためだけにといった我田引水的な考えを持つつもりはありませんが、障壁になっている規制があることもまた事実です。ただし、これらは「法が具体的に制限している」というものではなく「シェアサイクルがここまで使われるようになることを想定していなかったから、現行法がそぐわない場面がでてきている」ということが大半です。わずか4年前、福岡のまちにシェアサイクルはありませんでした。いまや福岡のまちを歩けば赤い自転車が縦横斜めにたくさん走っています。当然ながら現行法で想定していなかった摩擦が生じるわけですが、怒ることではなく、新たなサービスが生まれれば生じうることなのです。

今回ご提案した内容は建築基準法に関わるものですが、実はこれ以外にも条例の改正又は運用で実現できることもあります。例えば、附置義務駐輪場の台数をシェアサイクルの台数も算入できるようにすればマンションやビルでの設置がさらに進みます(福岡市では既にカーシェアは駐車場台数に算入されるようになっていますが、シェアサイクルは明文化されていません。一方で、ある基礎自治体では目的は同じだから運用上は構わないというケースもあります)。
※なお、建築基準法にこだわる理由は消防法とのリンクがありますが、ここでは割愛させていただきます。

新しいサービスをつくっていくときに既存の法令が障壁になる場面は少なからずあるはずです。特にリアルに関わるサービスだとなおさらでしょう。B Dash Campの会場で一緒にいたある起業家の経営者の方とたまたま特区担当をお引き合わせしたところ「実は自分たちも規制緩和をしてほしい点がある」というお話しが出てきました。行政の不作為というものではなく、単に私たちがそれを声にしていないケースがあちこちに眠っていそうです。

今回評価いただいた内容はこれからさらに詰めていく段階ですが、ぜひ実現したいと思っています。

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