感じたこと

鎖国か

更新日:

外国人の長期滞在に日本語能力を重視させようかという議論が今日の夕刊で出回りました。長期滞在の入国条件、もしくはビザの更新時に日本語能力をみてそれをもってビザを出すか出さないか、またはその期間を検討しようというもの。外国人に関するトラブルが増えていることが管理を強化せねばならない背景だというわけですが、日本はまた鎖国でもしようというのでしょうか。

話しを整理せねばならないのは、この議論の対象は永住権とは違うこと。議論は単なる就労を主目的としたビザについてです。永住権を取る上では当然日本で生活する質を有る程度確保するために言語が必要ですが、いわゆる就労ビザの範囲に含まれるビザについて、本当に日本語能力で一律に対応できるでしょうか。

当社にも日本語を母語または母国語としない従業員はたくさん働いていますが、本人の努力次第で語学能力は時間と共に上がりますし、また言語以上に重要な能力をもって働いている従業員もいます。そもそも、これだけグローバルな時代、日本に入るには日本語、というハードルをもうけた瞬間、優秀な人材は、他の国に流れるだけでしょう。英語なりが出来て、かつ優秀なアジアの人材は、上海、ソウル、シンガポール、香港などに集まり、東京からいなくなるだろうことは目に見えています。全く自分たちの国の中のことしか見えていない発想です。70年代・80年代の新しい世界観の世代が中心となっていくこれからの時代、こういう貧相な発想はまったくもってご遠慮願いたいものです。

日系ブラジル人問題などの長期滞在型労働者について、あるいはその社会保障の問題や未就学児童の増加問題などが片方で頭にあるのでしょうが、政府はむしろそこに重点をあてて直接的な解決策を探るべきです。

-感じたこと

Copyright© iemoto BLOG , 2024 All Rights Reserved.