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外国語での情報発信

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Twitterではtweetし続けてきていますが、今回の震災で日本語報道でさえ様々な情報がある中、日本の海外への情報発信の力が極めて足りず、誤った印象や、全く異なる情報が海外に伝わり続け、結果として首都圏を含めて日本から脱出する外国人が増えていることがわかります。中には冷静な対処として、東京の機能が混乱することを見据えて大阪に機能を移転している外資系企業などもありますが、中国へのフライトがほぼ満席が続いている状況などを見るに、明らかに「脱出ラッシュ」があります。残念ながら私たちの身の回りでも同様の状況が続いています。連休前から官邸が英語でのTwitterをはじめたり、ルース大使の日本語・英語のTweetがあちこちでRTされるようになったりしたことで少しずつ状況は変わりましたが、先週半ばまではNHKでさえ「英語の音声は副音声で・・」という文字をそのまま日本語で書いていたりする状況で(その日本語が読める人は英語聴かないよっ、て今まで本当に気づきませんでした)、多くの外国人が東京を脱出していきました。先週半ばに東海道新幹線を見ると、通常よりもかなり多くの外国人が重い荷物を抱えて不安そうに新幹線に乗り込む姿をたくさん見かけました。中には、明らかにN100(手に入るレベルでは最高のろ過率のマスクで、セシウムなどもろ過できるとされている)とわかるマスクをつけている人もいて、彼らの不安さをそのマスクの種類が伝えていました。次々に各国は東京周辺からの移動を強く勧告しています。知っている限り、私が通勤するルートで毎朝ほぼ定時に移動している「○外・01ナンバー」、即ち大使ナンバーの車は3台とも見なくなりました。

NHKは、私がtweetした翌日から、英語音声はNHK Worldで流しているという内容を英語で表記するようになりました。ただ、まだ現時点(2011/3/21 PM11:00)では東京電力のWebサイトでは停電情報は日本語のみになっていて、詳しくはカスタマーサービスに電話しろとだけ書いてあります(一部、個人ベースで英語での情報発信をされている方が出始めてきています。すばらしいことです)。しかし、まだまだ足りません。もはや日本の経済は日本語のみで動いているわけではないことに気づかないと、復興のエンジンとなる必要がある経済が機能しません。そしてまた、せっかく観光産業で日本を何とかしようとしていた観光庁などの動きを思いっきり止めてしまう流れです。欧米の人には、東京と京都の距離の差などわかりません。福島と富士山の距離の差もわかりません。日本は日本と見られているのです。

空の便にも影響が出ています。東京-フランクフルトなどを結ぶルフトハンザは成田便を運休することにしました。アリタリアは成田から関空へシフトしています。エールフランスなどの一部の海外の航空会社は、ソウル仁川、もしくは香港を経由地にして飛んでいます。これは、乗務員を東京ステイさせないようにするための方法で、たとえばエールフランスの場合にはパリベースの乗務員はソウルまで飛んできて、ソウルステイの乗務員に交替し、彼らがソウル-東京のターンアラウンドをします。通常は東京で宿泊して帰りのフライトに乗るわけですが、こうすることで乗務員が東京ステイにならないように出来るわけです。KLMの場合には成田-関西-アムステルダムとして、同様の対応をしています。

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