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シンガポール→東京→大連→北京の一週間

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1352100735大連市内の港湾街エリア。まさに開発中です。

先週は、日曜日から火曜日までシンガポール、火曜日の深夜便でシンガポールを離れ、水曜日の朝に羽田に着き、木曜日の朝から大連、金曜日の朝に北京に移動、そして日曜日夜に羽田に戻るという一週間でした。シンガポールは気温30度を超える暑さ。半袖。大連は一方でまだ夜は寒く、やや厚めの上着が必要でした。ちょうど過ごしやすかったのは北京でしょうか。大連市内では港湾街というエリアの開発が進み、今年に入ってコンラッドとヒルトンが進出してきたり(ちなみにヒルトンブランドは過去に一度大連にいましたが色々とあって撤退してその建物ごと日航ホテルになっていて、今回再度の進出です)、大きなコンベンションが開催可能な会議場を作っていたりしています。ただ(中国ではよくあることですが)周辺の道路整備が追いついておらず、そのエリアに入るための道路はまだガタガタ。今年中には整備が進み、サマーダボスなど大規模なイベント受け入れのメインエリアになるでしょう。そうそう、なかなか乗る機会が無かった大連航空にも初めて乗りました。中国国際航空(CA)の子会社として大連ベースの航空会社として切り離され、機体もCAから移管されたBoeing 737-800を使っています。中国民航から分割された航空会社の統合再編は一通り終わっていましたが、こうして再度地方ベースの会社が出来る流れは関心をもっています。お仕事の内容は書けないので「遊んでるんじゃないの?」なんて思われてしまうかもしれませんがそんなことはありません(!)。土曜日も一日エンジニアたちと一緒に動き、日曜日は朝から食事を一緒にしながら、中国企業からのコンサルティングの相談でした。こういう仕事の仕方で自分が良かったと思うのは、移動が苦にならないのは、仕事も楽しめるし移動も毎回楽しめるということ。飛行機が多少遅れても飛行機が多少揺れても「毎回色々あるよね」という気持ちでいられます。飛行機が天候の理由で他の空港に着陸することをダイバートといい、予めMay Divert(他の空港に降りるかもしれない), May Return(出発地に戻るかもしれない)の情報が出ていると、スケジュールに余裕のないときには焦ります。ただ、そんなときにはairlineの優秀なdispatcherの人の判断を期待して、どーんと構えるようにしているのです。実際のところ、そもそも天候的に危ない時期や、よく管制によるフローコントロールがかかってEDCTが出るような路線に乗る時には後ろの予定に少しだけ余裕を持たせる工夫もしています。Flightawareなどを使えばその便がだいたいどれぐらい普段の時間に着いているかがわかるので、こういう情報も参考にしています。僅か1~2分の情報収集ですから活用しない手はありません。移動はしんどい、飛行機はなかなかという方もいらっしゃる中で、その移動を楽しめる性格だったのは幸運です。

ところで、シンガポールでも北京でも社内のメンバーとの話に上がったのは言語の話。今、まさに新卒の皆さんと来年の新卒入社の方とお話しをたくさんする場面が出てきていますが、明確に一つ言えることは、来年(2013年)に入社する人の3年後を想像してほしい、ということです。クララオンラインの環境では、一つの言語、日本語だけで価値を出し続けることはかなり難しい状況です。既に今でも。それが入社あと3年、4年後と想像すると、さらに難しくなっている可能性が大です。日本人は日本で働くという理由や決め事はクララオンラインにはありません。通訳を介しながら働くのにはかなりのスキルが必要ですし、通訳を介した仕事では価値がなかなか出せません。中国で現地採用しはじめましたが、皆、高いレベルの日本語を使うことができます。同行した日本人の社員に伝えたのは、「彼らが日本語を使えるということは、僕たちが中国語を使えるということと同じだ」ということです。日本はとかく言語に対する教育の話をすると反応する人たちが教育界の古い層に多く、まずmother languageである日本語のベースが出来ないと将来identityにも影響するのだという表現をされる方がおられます。しかしそれは言語の問題を理由にしただけで、かつ日本語をベースにすることは否定していません。また世界的に見れば複数の言語を使う環境で育つ場所は多く、ナンセンスな話だといえます(そういう人ほど世界の言語状況を知らない。例えば -漢字とはいえ言語の距離がある- 北京語と広東語を両方身につけることでそうなるのであれば中国は大変なことになっちゃう)。

ちょっと話を戻します。端的に言うと、世界経済の中で日本語の持つ力が相対的に下がっているのです。しかも急激に。私たちが思っている以上に。残念だけど今の時点での経済力(これもあくまでGDPの話だし)の問題ではなく、英語という共通力、中国語という成長力に完全に負けました。自分の3人の娘を見て感じます。彼女たちが20年後に社会に出る時、仮に日本の学校教育の英語だけしか持たず社会に出ることは、その可能性をかなり縮めています。20年後の日本を楽観視しないほうがいい、と常に意識しています。誤解されないように「私は日本語がとても好きですよ。日本語の表現の奥深さ、日本文学が伝える世界は・・」という言葉をいつもこういったことをいうときには書き添えますが、最近、もうそろそろこういう誤解を恐れることはやめようと思うようになりました。日本語という言語が持つ経済社会での力が下がっている以上、仕方ないのです。

最後に、国際観の話をしておきます。言語が話せても、クララオンラインは通訳・翻訳会社ではないので言語スキルのみでは価値が出せません。国籍や民族・宗教などが違う人同士で働く上でのプロトコールや、国際間のビジネスのプロトコールを理解していないと仕事が進みません。極端な話し、パスポートが無いから採用試験が通らないというつもりはありません。ただ、自分なりの国際観を持っている人でないと、様々な国籍や文化を乗り越えて働くのは正直難しいと思います。私の大学の入試の時、面接の直前に配られた一枚の紙は面白い内容でした。正確には覚えていませんが、自由主義社会と社会主義、先進国と発展途上国だったかを、国名わかるだけマッピングしろという内容でした。

今日、北京の空港からの帰り、私の後ろに並んだ日本人の年輩の観光客が、列に並ばない中国人の搭乗客(パスポートが中国だった)を見て、半ば「だから中国はだめなんだ」という表現をブツブツしていました。聞いているほうとしてはすごくイヤ。観光客なのでまだこういう時は聞いていてもじっと我慢しますが、私たちの国だって旗ふって海外旅行にいっていた数十年前の日本人の行動たるや恥ずかしい内容はたくさんあったようだし、そもそも列に並ぶ前提がなかった文化(とはいえ、変化をしている面もある)と列に並ぶことを前提とする文化の違いについて、少なくとも私たちはそれを良い悪いで論じる次元ではなりません。

長く書いてしまいました。JL24便も羽田にそろそろ着きます。今日はJALの787がボストンに飛ぶ日ですね。そういえばキャプテンアナウンスは無かったな。何か787に触れてくれるかなと期待していたのに。JL24便はPAXは168人の日本籍、20人の外国籍。北京はモーターショーですので到着ゲートには多くの車メーカーの看板をもった出迎えの人がいました。来週後半になるとゴールデンウィークを日本で過ごす駐在員の人などでフライトが混みはじめます。それでは素敵な週明けが迎えられますように。

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