merchari シェアサイクル 自転車

メルチャリへのおもい

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今日付けで、 シェアサイクル「メルチャリ」が メルカリ子会社のソウゾウから、会社分割によって新設されるneuet株式会社に事業承継されます。6月13日に公表したクララオンラインによる子会社化はこの後8月15日を予定していますが、公表以降すでにメンバーのみんなと一緒になってDay1に向けて進めています。(かたい言い方をするとPMIですが、そういったかたい雰囲気ではなく、むしろ私自身も現場を勉強しながらの毎日です)。

周囲の様々な反応

まず先日の公表後の反応・疑問とその答えを先に整理すると(僕が何年後かに振り返った時に忘れないようにするためにも)、東京での反応はこの3つです。

  1. うまくいくの?シェアサイクルって中国でほら、山積みになってるよね。
  2. 自転車が好きだからやるの?
  3. クララオンラインとどう関係してるの?

全部答え甲斐があります(そして、上2つは歯ごたえたっぷり)。はっきり言って自転車は好きです。ただ、好きなだけで算段をたてるほど甘い判断はしていません。勝算があるから、そして今までの私たちの仕事との多層的な接続によってさらに結果が出せると確信したからこそ判断をしました。

でも、でもですよ。福岡の方、あるいは出張などで福岡でメルチャリを見たことがある方からの声は角度が違います。

  1. メルチャリよくみるようになったよね!
  2. メルチャリのヘビーユーザーだよ!
  3. 東京や他の街でやらないの!?

この違い(笑)

メルチャリの数字はつい先日mercanで始めて公表していただきましたが、例えば今年の5月には約12万ライドというかなり高い利用実績。記事中にでてくるグラフも誇張ではなくほんとにグイイイイーンと伸びてます。福岡の展開エリア内にいると赤い自転車に乗っていただいている方と本当によくすれ違います。僕はすれ違うたびに必ず振り返りますし、何なら感謝を一人ずつに伝えたいぐらい。(怪しい人にならないように今はぐっと我慢。でも我慢できずにポートですれ違うユーザーさんには「ありがとうございます」とだけは伝えてしまってます。)

印象が強すぎる中国の「写真」

海外のシェアサイクル事情と一口にいっても適切に表現できるものはありませんが、多くの人の印象にあるのは中国のニュースに出てくる『シェアサイクル用の自転車が山のようにゴミとして捨てられている 』 写真です。確かに捨てられています。でもこれは需給のバランスを考慮せずに街中にとにかく自転車を埋めようとした第一段階での出来事の結末。環境に優しい乗り物だといったはずだよなという突っ込みをしたくなる気持ちもありますが、既にほぼ全ての主要都市では投入台数が制限され、街中の停車禁止区域とアプリ上でのジオフェンスの運用も進み、さらに警察(公安)の取締もかなり厳しくなっています。中国だからやりたい放題なんていう話はないし、mobikeやofoの後に並んだ100を超える中国のサービスはほぼ全てなくなり、これらを全て見てから学んできたHellobike(Alipay陣営)と青桔(didi陣営)が猛烈な勢いでしっかりと仕上がったサービスを投入してきています。思えば、タクシー予約アプリもこんな感じでした。

一方、欧米でもサービスは『バージョンアップ』し続けています。ややeScooterブームではありますが、自転車のサービスは生活の足になりきった都市も多く、成長するフェーズに入っています。UberとLyftは後から自転車を取り込み、いわゆるシェアサイクルのプラットフォーマーをそれぞれ買収しました。

つまり、あの「中国で山のように自転車が捨てられている写真」でもってシェアサイクルは終わっている、という印象は誤っていて、むしろ中国であっても次の段階に既に行き始めています。

勝ち筋は見えているのか

メルチャリは、それが見えるフェーズに来ました。世界中のシェアサイクルサービスを研究してきた私たちにとって、メルチャリはある数式が成り立つタイミングにきた、と判断しました。

それを作り出してきてくれたのはメルチャリのチームメンバーです。これはもうメンバーのみんなと、そしてその判断を支えた生みの親であるメルカリの経営陣の皆さんに深い感謝と敬意しかありませんが、右肩上がりにライド数が伸び始めるまでにたくさんの大変なことがあったものの、ここまできたら次の体制にバトンタッチできる、というところに内部的な数字がたどりつくために、あらゆる取り組みにおいて最大限の力を投入してきてくれました。そしてその力は緩めず今も走り続けています。

もちろん、ここからの事業拡大にはさらに投資も体制も必要です。地域の皆さんや行政の方たちとの連携を深めていくことも大切なことです。MaaSという言葉がだいぶあちこちから聞こえてくるようになりましたが、自転車はヒトとモノが移動する際の一つの移動手段であって、既存の公共交通機関の皆さんとの連携も必要です。当然、自転車自体を理解している必要もあります。整備にはクララのグループのメカニック(特に一人は自転車をつくっていた経験もあります)も動き始めましたが、シェアサイクル用の自転車としての使われ方の特性を踏まえたデザインや改善をしていきます。

クララがなぜやるのか

クララのグループのミッションは「次の時代を道づくる」ことです。次の時代は勝手にはやってきません。想像し、創造する必要があります。

私たちは、20世紀の移動手段は「箱型」でつくられてきたと考えています。すなわち大量輸送、高速性、低コストという目的で、コンテナ、航空機、鉄道、バスといった手段が20世紀において考え出され、これらが主要な移動・輸送手段として世界中に普及しました。

一方、先進国でありつつも高齢化社会と人口減少を向かえる日本は、この移動・輸送の担い手が不足し始めています。例えばバス業界の状況は相当深刻です。もちろん車やドローンから始まる自動運転・操縦時代は私たちの時代のいずれかでは来るわけですが、すぐにではありません。また、これから求められる次の移動は「路線」にそったものではなく、よりヒトやモノの質量にあわせた移動だろうと考えています。いわゆるパーソナルモビリティの文脈です。(そういう意味では、ドローンはペイロードが上がると実現出来ることは一気に広がりますよね。)

もう一つ。自転車の所有に対するチャレンジです。いま日本では新車の販売台数が急速に減少しています。実は日本は「販売総数の統計」は無く、「輸入+製造」のデータしかありませんが、それでもピーク時の1100万台から昨年は700万台にまで落ち込んでいます(ママチャリ以外にスポーツ、幼児・子供車なども含まれます)。仮にこれらが全て販売されていたとすると、人口1億2千万人の日本において本当に毎年これだけの自転車が必要なのか、ということになります。趣味・スポーツという領域は除き、ママチャリについていえば、例えば数年しか使わず捨てられる、放置で撤去されても取りにいくぐらいならば捨ててしまおう、盗まれてもどうせ見つからないし、という社会で本当にいいのかということです。所有していたほうが便利な移動があることも承知です。しかし街中のちょっとした移動、いつも通勤で使う駅・バス停との移動、など、様々な場面にシェアリングのニーズはまだまだ眠っていると考えています。

neuetが展開していく事業も、上に書いたクララのミッションをもとに進めます。neuetとしてのMVV、つまりMission, Vision, Valueはもう少ししたら具体化するつもりです。とはいえ力は結集させるので、クララが得意としている通信、IoT、セキュリティ、そしてコンサルティング事業から派生したShareBike Laboのようなナレッジチーム、スポーツ分野で培ってきた様々な地域連携の仕掛けをしてきた経験、そして自転車投資やちゃりカンパニーなどそもそも自転車を大得意にしているという、この3つの輪を背景に持ってメルチャリを成長させていきます。

また、メルチャリは自転車のサービスを起点にしていますが、自転車という存在だけにこだわっているわけではありません。展開する地域において必要とされる移動手段は何なのか、5年、10年先の地域の未来から逆算して何があるべきなのかを考えていきます。

愛をもった仕事をする

neuetが始まるにあたり、改めてもっとも大切にしたいと心に決めていることは、メルチャリユーザーの皆様、つまりお客様を向いて仕事をすることです。(当たり前の当たり前の当たり前ですが)

お客様という言葉の中には、今のお客様もいらっしゃるし、これからのお客様も含まれます。そして、広い意味で、今のメルチャリの展開エリアである福岡の街の皆さんも含んで考えたいと思っています。例えば誰かが人に会いにいくとき、メルチャリをお使い頂く。使って頂いた方はもちろんお客様ですが、会いにいった先の方との接点を支えることができるのもまたメルチャリ、というぐらいの気持ちです。

今メルチャリを使って頂いているお客様にとって、もっと移動が簡単になるにはどうしたらいいのか、気持ちよく使って頂くためにはどうしたらいいのか、そして行き着くところ、どこかに移動しようとするときに「メルチャリに乗ろう」という意識ではなく自然にスマホでメルチャリの鍵を開けていただくという姿になりたいわけです。

僕がメルチャリの事業を拡大するために関わせてもらいたいと強く思った大きな理由は、メルチャリユーザーの皆さんたちのことを本当に心から第一に考えてつくりあげられてきたサービスであるということです。どのサービスでもお客様のことを考えてつくるというのは当然だとは思いますが、チームのメンバーと接していてメルチャリはその強さが半端ないと感じました。

僕はメルチャリに関わるようになってから途端に「愛する」「愛情」という言葉を何百回も言うようになりました。お客様もメンバーも、周囲でメルチャリをサポートしてくださっている方たちも、その全ての方がお持ちいただいているのはメルチャリへの愛だと感じています。愛。その愛を裏切らないように、経営の舵取りに携わりたいと思っています。

今後の方針はまた改めて!

伝えたいことが山ほどありすぎ、削りに削ってもこれだけ長くなってしまいました。

neuetとしての事業戦略や方針については、8月15日を過ぎてから、出来るだけ早いタイミングで公表するつもりです。できればそこで具体的にメルチャリのサービスがどのようにさらにバージョンアップしていくかをお伝えできればと考えています。

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