Aviation 感じたこと

新卒一括採用批判だけでなく学校側の変化も必要

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実質1日強のシンガポール出張を終えてそろそろ日本に戻ります。今回の出張でやるべきことはひとまずまとまり、少し気持ちが軽くなって日本に帰ります。

日本のテレビを見ていたら、3月に学校を卒業する新卒者の人たちの中でのまだ採用が決まっていないというニュースが流れていました。決して今年だけの問題ではないだろうと考えると、例年と比べてどの程度多いのか、それともそう変わらないのか知りたいと感じました。このblog を長く読んでいただいている方には何度か繰り返しされた話しになってしまいますが、僕個人は、採用のミスマッチは新卒一括採用をやめるだけでこの問題を全て改善することは難しいと考えています。見てください、ベンチャーの企業で若い優秀な人材を求めている会社はたくさんあります。我々も常時採用の窓口はあいています。成長途上の会社は多くある一方、「毎年4月入社」で新卒一括採用という会社の多くは良くも悪くもestablishな大企業、もしくは歴史のある企業で、こういう会社は景気と連動して採用の量を調整します。景気に左右されるのではなくて、調整しているのです。

ところが日本の高校や短大や大学の過程で、いわゆるベンチャーに入って若いうちに色々な経験を身につけるという(このコースは成長面でのリターンも大きければそれなりにリスキーですが、リスクも説明した上での)人生コースをあまり見せたり説明することがなく、なんとなく地方の大学の就職窓口では相変わらずベンチャーっぽい雰囲気は敬遠されるし(景気が悪くなった途端にこちらを向かれるのも困ったものだけど!)、やっぱりどの有名な企業に何人入ったかで大学の就職の力を説明する傾向が残っています。極端ですが、こういうベンチャーの経営者を輩出した、とか、こういうベンチャーに学生が何人就職した、とか、そういうのを就職実績の欄に儲けてに大学が書くようにならないと、いつまでたってもミスマッチが残り続けます。社会はこういう採用動向だと企業側の新卒一括採用を一義的にまず批判するわけですが、そもそも学校側の就職窓口がどの程度いまの時代にあわせて変化してきているかということももっと注視すべきだと思いますよ!

ところで、さきほど、KLからシンガポールの帰りのフライトが2時間半も遅れたのですが、ターミナルでは残念ながらほとんど説明がなく、仕方ないのでそれこそiPhoneでこの便に使われる機体がどこから飛んできているかを調べながら遅れを推測していました。Twitterにも書いたようにこのフライト、片道日本円で300円弱だったので、「やっぱりLCCは安かろう悪かろう」か、と思って、少し悲しくなりながら飛行機に乗ったのですが、ドアクローズの途端、キャプテンがとにかく繰り返し遅れを詫び続け、さらにその詳細を伝え始めました。日本の航空会社でよく聞くようなかたちだけのお詫びではなくて、「バンコクを何時間遅れて飛びシンガポールに着いた段階で遅れており、さらにその遅れを取り戻せないままシンガポールから出るのに11機も滑走路の手前で離陸待ちとなり、KLでお待たせしていた皆様には本当に申し訳ない、、」と。言い訳がましく聞こえなかったのもよかったですが、乗る前にがっかりしていた気持ちはこの機長の声から伝わる誠意でチャラになりました。しかも気持ちよかったのは、シンガポールについてからターミナルの中で、この便のCAさんたちがいるところにキャプテンが来て、フライトが全て遅れて申し訳なかった、ということを伝えていたのを横で見れたこと。この人のせいではないだろうに、それでも関わる人の全てに「遅れて申し訳ない」という気持ちを丁寧に伝えられる人はすごいなぁ、と思い、自分も見習わなくちゃと思った一日の締めくくりでした。

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