感じたこと

診療科の併記(標榜診療科の問題)

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いわゆる標榜科について。医療法などの知識の無いごく一般の人が、アレルギーで医師の診断を受けたいと思ったとき、目の前にある医院が「内科・アレルギー科・泌尿器科」とか「内科・アレルギー科・整形外科」と書いてあったとき、はたしてその医師の専門が何であるかをわかってかかって受診しているのかどうかという話しです(ちなみに医師の専門性から考えれば、前者の場合には泌尿器科が専門、後者の場合には整形外科が専門で、一概には言えませんがアレルギーの専門医の人と比較して知識や症例数に違いがあることは想像できます)。

この診療科の表記は医療法の標榜科の項目で規定されており、アレルギー科という表現に関していえば平成8年に追加になって初めて標榜できるようになりました。また直近では平成20年には標榜診療科名の見直しが行われていて、区分を4つに分けて包括的に表記する方法にかわっています。これらは厚生労働省の医道審議会に診療科名標榜部会という部会があり、主にここで議論されてきました。ただ、見直しが行われていても実際には経過措置でほとんどザルになっていて、「看板を換える場合や新たに広告するまで」は変更しなくても良いことになっていますし、仮に該当して診療科名を変える場合でも、病院名自体は変えなくても良いことになっています。そもそも自由標榜制という「好きに名前をつけられる」という仕組みは変化していないので、広告する診療科名の数に制限は未だにありません(罰則もありません)。

何が言いたいかというと、診療科の併記についてのわかりにくさで、ここしばらくの間に立て続けで身近で何件も「医師の本当の専門外」の医院にかかるという話しになってしまった例を見たため、改めてわかりにくさを感じることがあったということです。科目標榜の専門的な知識が無いと、医院の診療科の標榜の仕方によって何が医師の専門分野なのか(あくまで専門であって、症例数が多い少ないは別の話)がわからず、結局遠回りしたり、あやまった・もしくは最新ではない知識での診療を受けることも考えられます。一応、厚労省は「主たる診療科名」を大きく表示、といっていますか、これも「望ましい」としか言っておらず、必ずやる必要は無いとしています。

最近、医療類似行為がらみの話しも身近で聞くことがあり、これまた広告の問題を含んでいるまま解決できていません。厚労省の対応も弱いままです。

標榜診療科については、さらに踏み込んだ議論が必要です。(厚労省マターの話しなので男女共同参画とは直接関係しませんが...)

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