HELLO CYCLING の電動アシスト自転車

HELLO CYCLING の自転車は?

ソフトバンクグループのOpenStreetが展開するHELLO CYCLING。このHELLO CYCLINGで採用されている電動アシスト自転車の仕様を外から眺めてみたので簡単に整理する。

なお、以下は都内で「シェアペダル」が展開しているサービスの自転車仕様であり、他の地域や時期によって異なる車両が各運営会社によって投入されている。 HELLO CYCLINGのサービスは、スマートロックと操作パネルを取り付けられればどの自転車でも実現できるといわれており、実際に、以下に書く「PASナチュラ」ではなく、PAS CITY-Cをベースにしたサービスなども見かける。(大半のサービスはPASナチュラをベースにしているようだ。)

HELLO CYCLINGの電動アシスト自転車

シェアペダルはヤマハのPASナチュラ

自転車はヤマハの「PASナチュラ」シリーズをベースにしている。

PASナチュラには2017年モデルまではPASナチュラM、PASナチュラXL、PASナチュラXL、PASナチュラデラックスXLの3ラインナップがあるが、MとXL、デラックスXL(2つをあわせてここではXL系という)はフレームサイズが若干違う以外にパーツが異なる仕様である。このナチュラ、2018年モデルではナチュラMしか展開されていない。

HELLO CYCLING用にはこの「PASナチュラ」の市販車とはいくつか異なるパーツのカスタマイズがされているので次にまとめてみた。

仕様を眺める

電動アシスト自転車の仕様は主に以下のとおり。

  • まず、ベースとなる自転車は少なくとも2種類ある。これらはタイヤの太さで見分けられ、26インチの26×1 3/8と26×1 1/2の二つがある。つまり太さがほんの少しだけ違う。XL系は1 1/2、Mは1 3/8なので、ここでベースの車両が違う可能性が見つけられる。つまり、ナチュラMと、ナチュラXL系の二つがあるのではないかと推測する。導入時期の違いだろうか。この太さについては外観からでは分からない。また、ナチュラMとナチュラXL系はごくわずかなフレームのサイズの違いががあるが、それもほぼ外からは分からない。なお、メーカー仕様上はXLのほうがMより2kg程度重い。
  • サドルはテリー型サドルで統一されている。これはナチュラデラックスXLに採用されていたものと同じタイプのようで、これをナチュラMベースの車両にも統一してつけているようだ。耐久性もあるし座ったときの安定感も良い。
  • カラーはホワイト系で統一。
  • 前かごはスチール製のバスケットで統一されている。ナチュラM、ナチュラXL(2017年モデル)に載っているものとは異なるため、これも全体的にカスタマイズと考えられる。
  • 市販車との最大の違いはリアキャリアを取り外していること。二人乗りを避けることを考慮しているのだろうか。
  • スタンドは全ての車両がヤマハでいう「かるっこスタンド」。少しだけ先端が折り曲がっているタイプ。これもナチュラMにはなくXL系に標準採用されているもの。仮にナチュラMもベース車両であるということが当たりであると、統一するようにカスタマイズされているようだ。
  • バッテリーに2つのタイプがある

    バッテリーは大容量タイプと標準容量タイプが混在している。標準容量タイプはX90-20(X90-82110-20)という型番の8.7Ahのもの、大容量タイプはX91-20(X91-82110-20)という12.8Ahのもの。この二つは自転車側の互換性があるのでX90-20に対応している自転車であればX91-20を載せることができる。その逆が出来るかどうかはメーカーの公表資料をぱっと探した限りでは見当たらなかったが、形状や電圧からして可能であるのではないだろうか。

    私が見た範囲では、X90-20のバッテリーを載せている車両は26×1 3/8をはいており、これはナチュラMをベースにしていそうだが、バッテリーと車両の運用がどのようになっているのかは気になるところ。

    大容量タイプの良さは走行距離。バッテリーが走行中に足りなくなる、もしくは切れているという問題の発生を少なくすることができる。確かにコストには跳ね返るだろうが、自転車の使用期間を考えれば一日あたりの金額さは小さく、逆に悪いユーザ体験を減らせるメリットを考えれば、出来るだけ大きなバッテリーを積むほうがよいと考える。

    ファンクションメーターの違い

    ファンクションメーターは少なくとも2種類が確認できた。これは、市販車で比較すると2017年モデルとそれ以前のモデルの違いによる。

    従来のファンクションメーター

    2017年モデル以降で採用されている液晶ディスプレイ型のファンクションメーター

    新しいファンクションメーターは液晶ディスプレイにほぼ全ての情報が表示される。2017年モデルの市販車でも試したところ液晶ディスプレイの見やすさは昼間でも十分にあった。どちらのメーターの車両にのってもユーザ体験は大きく変わらないだろう。

    リアブレーキ

    これは市販車と同じ仕様。どの自転車も共通してシマノのハブローラーブレーキであるBR-IM-31Rが載っている。

    シマノのBR-IM-31R。多くの自転車で使われている。

    我が家でも同じブレーキの自転車があるが、経験上、相当程度乗らないとブレーキ鳴りがするほどにはならない。たとえ音が鳴っても黒いキャップを外してローラーブレーキ用グリスをいれれば普通は鳴りはなくなる。高温注意と書いてあるが、特に長い坂道をブレーキをかけながらずっと降りてくると外側も本当に熱くなる。

    そもそもこのレンジでバンドブレーキを使っている自転車は見当たらないが、シェアバイク用の自転車として考えると若干パーツが高くてもこうした部品を採用している自転車は結果としてメンテナンスの箇所や頻度を下げることに繋がるかもしれない。

    スマートロック

    HELLO CYCLINGのスマートロックは、もともとフレームのシートステイ部分にあるロック用の台座に載せられる形状になっている。

    スマートロック部分。もとからある台座にそのまま載せている。

    リアキャリアがあるとこのスマートロックにアクセスがしにくいということにも気づく。二人乗り防止という意図以外にもリアキャリアはいずれにしても外される運命か。

    ICカード用の操作パネル

    HELLO CYCLINGは操作パネルで暗証番号を入れるかICカードのタッチで借りることができる。この操作パネルは日本語、英語に対応している。(説明では中国語、ハングルにも対応していると書いてあるがサービスの実利用では確認できなかった。無効化されているだけなのかもしれない。)

    操作パネル。ドコモバイクシェアと違い、ロック部分と分離している。

    少し気になるのは、この操作パネルの電源をバッテリーから取っているのだが、給電のためのケーブルをたどっていくと白いコネクタが2つ外側から見えること(いわゆる4ピンコネクタのようなもの)。ピンの数までは外からみては分からなかったが汎用のコネクタであるとみられ、いたずら防止や防水などを考えると何かしらカバーをとりつけたほうが良いのではないだろうか。もちろん、ケーブル類はインフレームにしない以上そもそもハサミでのいたずらのリスクは付きまとうものなのでどこまで気にするかということはあるが。

    白いコネクタ。よく見ると3ピンのと4ピンのがある。

    白いコネクタ。よく見ると3ピンのと4ピンのがある。

    (追記: 2018/2/7) 白いコネクタを露出させずにバスケット(カゴ)部分に少し隠れるようにしている自転車もある。

    市販車をベースにしつつ細部に提案が感じられる

    一見すると市販車からリアキャリアを外しただけのように見え、さらに一車種で統一しているかのように見えるところ、このようによく見ると市販車からのカスタマイズや車種、バッテリーの違いがわかる。

    ラック部分に白線が引かれている場所もあれば、ラックだけの場所もある。

    自転車は、こうして眺めているだけでも、その裏側で誰かが何かを考えたり工夫した結果が感じられ、面白い。

シェアバイク用自転車のグリップ

グリップ部分に注目する

今回は中国のシェアバイクの自転車の「にぎり」という部分に注目する。その名のとおりハンドル部分の握る部分、グリップなどと言われるところである。「にぎり」という表現は一般には分かりにくいのでここでは全てグリップと表現する。

横から見たmobikeのグリップ

横から見たmobikeの自転車のグリップ。この写真では2種類が見える。

mobikeやofoに限らず中国のシェアバイクの最近の自転車を見ていただきたい。グリップの形状がストレート(円筒形)だけではなく、握りやすさを考えたものが多くみられるようになった。各社は様々な形状のグリップデザインを投入してユーザの反応を得てきたようだが、どうやら特にmobikeやofoの2社の自転車では車種は違えど各々デザインが落ち着きはじめているようにも見える。(ほかの会社は事業が落ち着いていない)

一方、私たちが日本でよく見てきた日本のシティサイクル(いわゆる「ママチャリ」)として売られている一般用自転車を見るとグリップはほぼすべてが円筒形のもの。これをベースにした日本のシェアバイク・レンタサイクルでも、あえて形状を変えた動きはない。

中国の動きを見ていると、mobike liteとしてチェーン型の自転車の料金設計を分けていた世代の初期では円筒形のグリップだったが、その後はほぼ握りやすさを考慮した形状に変わってきた。

ただこれらのグリップ形状は決して珍しいものではなく、日本でも各自転車メーカーがオプションで販売していたり、パーツだけでパーツメーカーが扱っているものが多くある。人間工学設計、エルゴノミックというあたりでグリップを検索すれば商品はたくさん出てくる。一般車ではわざわざ取り替える人は少ないようにも思うが、クロスバイクに乗る人の中には様々な形状のものの中から選ぶ人もみられる。

(なお、今回の話題はあくまで一般用自転車のグリップの話に対象を絞っているため、ロードのバーテープの話やクロス用のグリップの話はあえてスコープからは外している。あくまでシェアバイク用の自転車のお話し、ということでご理解を。)

なぜグリップが必要か

言うまでもなく、金属で出来ている自転車のハンドルバーはそのままではツルッツルである。そのままでは雨や汗で手が滑ってしまうことも考えられ危険である。

日本における自転車規格は、主として標準化を目的としたJIS以外にも安全性などを目的としてJISをベースにしたものが複数あり、ここでは個別に詳述はしないが、にぎりについても一部触れられている。その中でも主だったものとしては

  • JIS規格(自転車 にぎり、JIS D 9413:2011)
  • SGマークにおける安全性品質のうち操縦部における規定

などがある。

JISではその形状についてまでは細かく定めてはいないが、にぎりの口が裂けないか、引っ張っても抜けないか(離脱力)、構造的にくるくるとグリップが回らないようになっているか、エンドは丸みがあるかという点などに限られる。サイズは円筒形のものが複数例表示されているが、推奨寸法でしかなく決まりがあるわけではない。すなわち各メーカーによる工夫・デザインの余地が存在する。

一方のSGマークでは例えば「一般車では、ハンドルバーの両端はグリップ(にぎり)、エンドキャップで覆われていること」とし、その他の規格はJIS準拠としている。一部の自転車を除けば一般車ではグリップのないものを販売店で見ることは無いので、はじめから「ある」ものである。

まずは今の中国のシェアバイクから見てみよう

mobikeは、車種の違いがあっても2017年秋以降に最近投入されている車両は全てこの形状になってきている。mobikeの車両の系譜は主にシャフトとチェーンの2モデルに大別され、このうちシャフトは現在までに3世代、チェーンはmobike liteの初期モデル、中期モデル(現在最も多くみる車両)、塗装が変わった最新モデルの3世代に分かれている。このグリップはシャフトの2モデルめ以降と、チェーンの中期モデル以降で共通だ。

最近のmobikeで全般的に採用されているグリップ

当初のmobike liteのDNAを引き継ぐ標準仕様車。チェーン。

昨年末から投入が始まった新仕様車。チェーン。上のどちらも同じグリップが採用。

一方、ofo用の車両は製造メーカーの数がmobikeの2倍以上あるのと、そもそも自転車の車種がメーカーごとに細かく分かれており、採用されているパーツも多様である。2017年秋頃までのofo車は円筒形のものが大半だったが、その後変化してきた。

直近の自転車に採用されているグリップは、下の2つのいずれかの写真のグリップが使われ始めている。1枚目のものより2枚目のもののほうが、親指から中指までの3本で「握れている」という感覚がある。逆に手が小さい方ならば1枚目のもののほうが良さそうだ。

ofoの直近のグリップの一つ。やや全体的に太め。

ofoの標準的なグリップのうち一つ。

他のシェアバイクのグリップを見てみると

北京で急速に台数を伸ばしている「便利蜂」の1次車と2次車(1次車は初期に数百台だけ作られ、2次車はほぼ同一デザインで万単位で製造されたもの)は、このように大きめのグリップを採用している。

なかなかここまで大きめのものを使ったことがなかったので最初は違和感があったが、手のひらをちょんと置けるので決して悪くはない。ブレーキの制動力にどの程度影響するのかは分からないが、便利蜂自体が買い物ユーザを意識したサービスであり、大きめの前かごを採用していることから、主として女性を意識しているのではないだろうか。

便利蜂の1次車、2次車で共通のグリップ。

次はbluegogo proに採用されていたグリップである。手元の写真素材では残念ながら全部が写っているものが見当たらなかったが、個人的にはこのグリップが一番握りやすい。もっとも、人によって手の大きさが異なるので握りやすさはかなり個人の主観によるところ。とはいえ、bluegogo 自体は車両には細部にこだわりがあったので色々と本当に惜しい。既に投入が始まっているdidi仕様車の今後に注目である。

bluegogo proに採用されていたグリップ。

bluegogo proと同じく内装三段の変速付き自転車で似ているところでは香港のHobaBikeがあるが、これも似たようなグリップ。シマノのNexusのレボシフトとデザイン的に一体化している。

香港のHobaBike。bluegogo proと同じくシマノの内装三段を採用。

そして比較的見慣れている円筒形のグリップ。7号電単車と享騎の初期車に使われているもの。ただこれらはいずれも電動車で、自転車としてのグリップの意味合いとは異なる。スクーターのスロットルグリップと同じで手首を回転させる必要があり、グリップエンドを太くしたり形状を変えると回転させにくくなる。7号電単車と享騎の電動車は単に自転車の形状に近いだけであり、こうした電動車の車両では大きな形状の変化は今後も考えにくい。

7号電単車と享騎の1次車に共通のグリップ

劣化や傷の影響

普通の自転車にのっていてもグリップは経年劣化でぼろぼろになったりベタベタになることがある。シェアバイクの場合には一年中外に置かれ、さらにはなかなか丁寧に扱われるわけではないために乱暴に扱われやすい。倒れされたり、再配置の際の積み込みなどで傷がつきやすいともいえる。

まだ現時点でそこまで傷だらけのグリップに出会ったことはないが、1-2年のうちに初期投入車から順に目立つものが増える可能性がある。シェアバイク用の自転車という特性上、チェーンやホイールのトラブルだけでなく前かごやグリップの損傷も丁寧に意識する必要があると考えているが、車両自体を次々に交換する方法をとるのか、それとも丁寧にパーツのメンテナンスをするのか、その対応方法も注目している。

北京のシェア電動車事情

電動車のシェアリング

電動車。mobikeが今月から電動の自転車を投入し、中国のシェアバイクは次のステージに行こうとしている。電動車とはその名のとおり電気で動く二輪車。日本のスクーターの形をしているものもあれば、自転車にモーターがついているだけ(日本の電動アシスト自転車がアシストではなくそのままスクーターのように走るとイメージしていただくとよい)のものもある。とにかく様々なデザインのものがある。

北京では昨年夏ごろからこの電動車のシェアリング(共享电单车または共享电动车)が出始めたが、上海で見かける享騎のように自転車型(ペダルがあり、フレームが自転車のかたちをしているもの)と違い、北京に生息するシェア電動車は7号电单车を除くといわゆる電動スクーターに近いかたちである。

私が確認してきた限りではこの1年で6社のサービスが北京に登場し、少なくとも2社は現時点でもサービスを提供している。ただし、いずれも外国人はサービスは利用できない。(パスポートでは登録できず身分証番号の登録が必要であるため)

北京の場合、電動車の走行が禁止されている道路があったり、そもそもの(1)電動車のコスト (2)電動車が北京で本当にどこまで必要なのか(電動車が移動できるエリアは制限がある一方、そのエリアは自転車でも十分に移動できる) を考えると、シェア電動車の伸びの期待は上海のそれとはだいぶ環境が違う。

北京における各社の動向

北京の状況を一つずつ整理してみよう。ここでは

  1. mango(芒果电单车)
  2. mebike(小蜜单车)
  3. deer bike
  4. ponygo

の4つのサービスについて眺めることにする。

なおdeer bikeは後述のとおり既に北京でのサービスを終了している。これ以外にも似たサービスはいくつかあるが、たとえば松果电单车は北京にいる(いた?)ことになっているが見たことがなく外している。さらに7号电单车は北京に来ているが、普段の私の生息地ではなく五道口、中関村のほうに多く投下されており日々の動きをウォッチできておらず外させていただく。小ネタとしては、7号电单车と享騎の初期の車両は同じ自転車を採用している。また北京は上海と違ってナンバー規制がないためいずれのバイクにもナンバーはついていない。

ところで、ponygo は北京で登場してから1ヶ月程度であるはずだが、そもそも公式アプリがダウンロードできず生態系がよく分かっていない。私が見てまわった感覚では、当社のオフィスがある周辺で東三環路の三元橋から三里屯あたりまでの南北5キロ、幅1キロぐらいではおよそ数十台はありそうだが、100台はまだないぐらいの台数。走行している様子は一度も見ていないが車両自体は使われている様子はあるので、探し方が足りないだけの可能性がある。

これ以外には、昨年の記事ではあるが

の2つの過去記事をそれぞれご覧いただきたい。

よって、北京という中国の中でも限られた場所での様子をまとめている点、ご理解願いたい。中国は広いのだ。

芒果电单车(mango)

北京で生存が初めて確認できたのは2017年7月。黄色の車両に黄緑色のリアフェンダー(泥除け)が特徴だ。およそ25cm四方の前かごとステップ部分のバッテリーという至ってノーマルな電動車。

mango

mangoのシェア電動車

車両は新日(江苏新日电动车股份有限公司)のもので間違いないと思われる。新日の車両は街中でもよく見かける大衆車でトップメーカーの一つ。ECサイトで見ると似たような車両が2000元前後ぐらいで売られており、現実的に見積もっても一台あたり1200-1500元ぐらいが投入コストだろうか。16インチのホイールをはいている。

299元の保証金で、1分あたり0.15元+1キロあたり0.35元という距離+時間の併用制。停めてはならない場所、走ってはならない場所、そもそもサービスエリア外という3つのエリアはアプリ上の地図から確認できる。今回書いている4社のサービスの中では最もアプリの出来も運営もしっかりとしている。

小鹿单车(DEER BIKE)

続いて2017年9月に登場したのがDEER BIKE。ただしわずか2ヶ月の命だった。10月23日までにはサービスを停止し、もはや北京市内で DEER BIKEの車両は見られない。

出たての時に書いた記事はこちら。まさかそこまで早くいなくなるとは。

在りし日のDEER BIKE

在りし日のDEER BIKE

料金体系は2キロまで1元、そこからは1キロ0.5元。エリアから出ると1分3元という距離制料金。乗っている人も9-10月はチラホラ見たが、そもそも投入台数も多くなかった。

車両はペダルあり。14インチのホイールをはいていた(14×1.75)。メーカーは判別しない。手元の2017年版のカタログを見ても似たようなフレームは見当たらない。使われているパーツが圧倒的に北京・天津方面のメーカーで固められているので工場は天津あたりで間違いはないと思われる。

その上で、ほぼこのメーカーだろうと推測できるのは索罗门(SOLOMO)。ここは北京の自転車・電動車メーカーで、天津の武清に工場をもつ。パーツだけでは何ともいえないが、インフレームのバッテリーのデザイン、同一のシートでデザイン性が全体的に似ている。十中八九当たりではないか。今度聞いてくる。

報道によると、北京から持ち出された車両はその後河南省の洛宁の街に12月に移動されたようだが、1月に入って自転車が湖だか池だかに放り込まれている写真などが微博に上がっており、あまり歓迎されている様子はないのが心配だ。今日アプリで生存を確認してみたところ、洛宁にある車両は確かに反応しているが、さてさてどの程度使われているのか。

DEER BIKEのアプリの画面から見える洛宁での様子

DEER BIKEのアプリの画面から見える洛宁での様子

なおDEER BIKEにも細かく見ると2つの型が存在しており、その見分け方の一つは後期投入型にはフロントライトが搭載されていたり、バッテリーのコネクタ部分にカバーが付けられたりしていたことで確認ができる。

DEER BIKEの後期型

DEER BIKEの後期型

小蜜单车(mebike)

mebikeは生存している。先週、新車に偶然出会いもした。2017年9月に北京市内で見かけるようになり、10月頃には台数がだいぶ増えた。299元の保証金で、2.5元からスタート。1分あたり0.15元+1キロあたり0.4元という距離+時間の併用制だ。エリアから出ると25元が一律で課金される。利用前には10分以内の予約が可能で、一日あたり10回まで予約取消が出来る。

調べてみた限りでは北京と重慶、南京、合肥で車両投入が今日現在で確認できているが、他にももう少しありそう。(投入したはずの街でも確認できないものもある)

mebikeもどうやら2種類の型があり、昨年投入された型ではシート下部分にバッテリーを搭載しているが、1月に入って確認できた型ではステップ部分にバッテリーが確認できる。新型のメーカーは新日で確実だが、旧型のメーカーは確定できる情報はない。また旧型の車種は、後述するponygoの現行車両と同一のフレームである。(若干、後輪の仕様などが異なる)

mebikeの初期投入型

mebikeの初期投入型

mebikeの新車

mebikeの新車(2018.1確認)

優しいのは予約時に走行可能距離が分かること。以前に書いたドコモの自転車のバッテリー残量が確認できないという記事と中国のサービスの比較記事 (http://www.iemoto.com/2017/10/docomo-cycle/)を見ていただきたいが、これぐらいの表示で十分である。見ていると5km単位ぐらいだがこれぐらいの大雑把さでいい。

大まかな走行可能距離が分かるよ

大まかな走行可能距離が分かるよ

このmebike、初期の頃に南京に投入していた車両は現行の型とはまったく違うもの(以下の2枚は公式Weiboから)。

南京に投入されたときの初期のmebike

南京に投入されたときの初期のmebike

そしてこんな自転車まで検討しているようだ(実戦配備はされていない)。

mebikeの電動自転車のデザイン案

mebikeの電動自転車のデザイン案

mangoに並ぶぐらいに運営とアプリの出来がしっかりとしており、しかも全国展開がもっとも速く今後の展開が期待される。

小马单车(ponygo)

さて、もっともよく分からないのが小马单车(ponygo)である。そもそもponygoは昨年夏に北京で突如「真っ赤」な自転車を投入してシェア領域に参入してきた。チェーンまで赤く、センスという以前に何を訴えたいのかよく分からない自転車だった。ポニーを現したいのかもしれないがザリガニだよねという声も。

自転車版ponygo (Source: PCPOP)

自転車版ponygo (Source: PCPOP)

この自転車、スマートロックの形状が特徴的で、電池パック部分がいかにもゴツい。正直なところ自転車としての特徴はそれ以外には特になく、しかも「鍵が開けられない」という投稿が相次ぎ、私自身は少なくとも一台も見かけることなくどこかへいってしまった。赤いチェーンも今頃は既にだいぶ錆びているかもしれない。

昨年夏ごろであれば1-2ヶ月でいなくなるプレイヤーも珍しくなく、お金もつきたか、と思ったら、なんと思わぬ方向からボール飛んできた。電動車を投入してきたのだ。冒頭のとおり2018年の年始になって台数が増えてきており、自転車で5分移動すれば1台は見つかるぐらいの頻度になりつつある。

ponygoの電動車

ponygoの電動車

2台が並んでいるところも。

2台が並んでいるところも。

ところが使いようがない..。iOSのアプリは(これだろうと思うアプリは)サーバへの通信に失敗して使い物にならず、Androidアプリは過去に自転車時代にAPKが配られていた様子があるがまともにダウンロードできるところが見つからない。調べてみるとどうやら「宝驾出行」というシェアカーのアプリで自転車時代は解錠できたようなのだが、実際のところ車両に目新しさがあるわけではないため特に乗りたいわけでもなく早々に諦め。よっぽど暇なときに見つけたら再度試してみる。どうなるザリガニ。

中国で夜にシェアバイクに乗るときにはライトをつけよう

法律に書いていない

中国の自転車はライトの装着が求められていない。中国の道路交通安全法実施条例では自動車などエンジンが搭載されている車両までの範囲ではライトの装着が義務付けられているが(第58条)、自転車にはこの義務が見当たらない。ないのでメーカーはライトをつけて売らない。シェアバイクがというわけではなく、そもそも自転車全体の話。自転車工場に行って話しを聞いてみると、「中国向けは法律で必要とされていないからつけていない」というごく当たり前の答えが返ってくる(わかって聞いててごめんなさい)。

シェアバイクに目を向ければ、もちろんmobikeやofoなど海外に展開しているシェアバイク企業はその現地の規制にあわせており、mobikeの日本向けや、いつになったら日の目を見るかわからない日本向けofoの車両にもライトがついている。近いところでは香港も台湾も同様。

一方、ライトが必要だという認識はそれなりについている。その証拠に中国国内のライトメーカーブランドも増えてきているし、ECサイトを眺めれば自転車用ライトはたくさん売られている。たとえばFerei(飞锐)Fenixあたりは街で見かけることがある。

暗闇を走るのは本当に怖い

いくら法律でライトが必要ないからとはいえ、暗闇を走るのはかなり怖い。自転車同士や歩行者との衝突がこわいという次元ではなく、突然電動車(電動の原付みたいなものから自転車に近いものまで)が音を立てずに前から後ろから横からやってくるのが中国なので、こちらの危険を避けるためにもフロントもリアもライトは欲しい。リアは特に後ろからの衝突ゴッツン対策。

まぁ、ここまで(シェアバイクに限らず一般の)自転車が出回ったあとに「ライトつけようね」というのを中国ではいまさらできるかーという気もするわけで、こうなったらせめてシェアバイクにだけでもルール化すべきではないか。ライトも売れるからライトメーカーもハッピー、みんなの安全対策にもなってハッピー。

ライトを持っていよう

本当はリアもライトがほしいが、こちらはシェアバイクではリフレクター(反射板)がある。よってせめてフロントはと思うと、もはや自前のライトを持つしかない。

ということで私は中国にいるときにはカバンに自転車用のライトをいれるようにしている。取り外し忘れることもあろうかと、値段は低めのものをチョイスした。

ただ、日本で売っている数千円以内の製品の多くはマウントをつけてからライトを固定するものが多い(こちらでは数十元ぐらいから買える)。いちいちシェアバイクに乗るたびにネジやバンドの固定をし、さらにライトをつけるというのはやや面倒だ。もちろん固定するという意味では安心感があるので常用する自転車ならば当然そのほうがいい。しかし乗るのはシェアバイク。付け外しが簡単でなければならない。

私はこれを選んだ

そこで、(探せばいくらでも近いかたちのライトはあるので珍しくもなんともないが)私はバンド固定式のライトにしている。するっと取り付けられるし、ハンドルバーの太さが自転車によって違えど調整もききやすい。

バンド固定式のライトがいい。

バンド固定式のライトがいい。

取り付けるとこのようなかたちになる。これで十分。ものの5秒で取り付けられる。シェアバイクを安全な移動手段として利用するためにも、中国で自転車に乗る際にはぜひライトを一つ。

mobikeの車両に取り付けたところ。

mobikeの車両に取り付けたところ。

あとは手袋

もう一つ付け加えるとするならば冬の季節、手袋も必須。そもそもこの寒い時期、中国の北のほうでならば自転車に乗るわけではなくとも持ってこられているだろうが、たとえ10分の移動でも気温がマイナスになる地域での自転車移動で手袋なしには無理がある。なのに手袋なしで走っている人がなぜか多い! 指先は大丈夫なのかとこっちが勝手に心配になる。

そして今日、mobikeから手袋が届いた。たくさん乗ってポイントを稼ぎ、それにいくばかのお金を払うと送ってきてくれるポイント交換アイテム。今週からポイント交換レートが悪くなったようですべりこみセーフ。

mobikeの手袋

mobikeの手袋

昨年末に出たときには男性用、女性用ともに一瞬で品切れになりすぐに申し込めなくなったところ、年が明けてから再度申し込みを受け付けはじめ、ようやく手に入れた。

ofoもこういうオフィシャルグッズを作ってくれたら..。

日本に輸入される自転車の大半は中国から

輸入自転車はどこから来ているのか

2017年は中国国内の多くの自転車工場を巡ってきた。シェアバイク領域はオレンジ色と黄色で決着がついたかと思いきや、滴滴によるbluegogoの買収のニュースが飛び込み、青色復活の兆しがでてきた(どうもほぼ何も引き継がないようだが)。今年も中国の自転車工場は急がしそうである。

さて、自転車の話をしていると「えー、日本製の自転車のほうがよくない?」「イタリア製の自転車かっこいいよね」「アメリカ製のがいい!」というお話しが身近なところからたくさん聞こえてくる。自転車がお好きな方にとってはブランドの国籍と製造国が一致しないことはもはや当然中の当然、という話だろう。ただ、自転車を普段利用するだけという一般ユーザーにとってはどこかで聞いたことがある、ぐらいの話でしかないかもしれない。あるいは、そもそも意識したことさえないかもしれない。

イタリアやアメリカの国旗が並ぶのだが

眺めているだけ幸せになれるロードバイクのカタログ本『ロードバイク オールカタログ 2018』(エイ出版社)を開くと、ブランドごとに整理されたページを見れば国旗は豊かにさまざまななものが並ぶ。先週末、ある自転車店で1時間以上話し込み、試乗してドキドキし、そして最後に「キャンペーン中ですよ!」という甘い言葉に危うく(!?)「買う!!」と言いそうになったのがドイツブランドの自転車。でもそれはドイツで作っているわけではない。余談だが、そのカタログムックは危険である。物欲が刺激されすぎる。そして家人に値段が見えるのはよくない。値段部分は暗号化しておいてほしい。

そう、実際には高い単価の自転車以外にはイタリアやアメリカからの輸入車はほぼ存在しない。20-30万円ぐらいの自転車でもかなり難しい。それどころか、完成車はほぼ中国からの輸入である。1台あたりの輸入単価がそれを裏付けている。

アメリカの貿易統計を眺める

さて、貿易統計の時間がやってきた。今日はまずアメリカの貿易統計(USA Trade Online)で日本向けの輸出を調べることにする。

2017年1月から11月までの11ヶ月間でアメリカから日本に輸出された自転車の台数は合計2,575台。アメリカの貿易統計では25インチを超えるか超えないかで分類(輸出)が分かれるが、ロードバイクやMTBなどはほぼ25インチを超えるとして、該当する「8712002600」を眺めていく。その数、858台。1台あたり2,281USD。

アメリカの貿易統計での日本への自転車輸出(2017/1-2017/11)

アメリカの貿易統計での日本への自転車輸出(2017/1-2017/11)

この輸出単価からわかるとおり、まず輸出側から見ても比較的価格レンジの高い自転車が輸出の中心であるということがわかる。なお、アメリカの貿易統計はFAS(船側渡)価格であるが、FOBと大きな差はない(と、貿易会社もあるのに大雑把なことを言ってみた)。

次に日本の貿易統計を眺める

続いて、日本の貿易統計で輸入状況を確認する。今日も手間を省いてCSVをExcelに落としたものを切り取る適当さをお許し願いたい。日本の貿易統計ではロードバイク等のスポーツ車が「その他」なのでアメリカの貿易統計とブツけると分かりにくいのだが、同じく2017年1月から11月までに輸入され通関した自転車の合計数は649台。

日本の貿易統計。アメリカからの輸入。(2017/1-2017/11)

数字が合わないわけだが今日は重要な論点ではないので置いておく。このような論点については『貿易統計の不整合問題』(小坂・布施・鹿島, 2011)などがある。

そこでほかの国を眺めてみよう。イタリアは11ヶ月合計で313台、ドイツは同じく641台だ。なお、特に貿易統計でロードバイクまわりを見る場合にはその他の分類である「8712.00-299」を、マウンテンバイクやロードバイクは「8712.00-100」を見ればよい(細かい点は後述)。

同じくイタリア

ドイツからの輸入(2017/1-2017/11)

ところがこの期間、中国からは全数で612万5,706台、台湾からは13万3,206台である。残念ながらアメリカ、イタリア、ドイツなど自転車ブランド国とは数量の単位がかけ離れている。

11ヶ月間の国・地域別ランク(自転車輸入台数)

11ヶ月間の国・地域別ランク(自転車輸入台数)

ただし、一台あたりの単価は圧倒的に違う。前述の8712.00-299に対象を絞れば、中国からの単価は1台あたり11,581円、台湾からは70,266円のところ、ドイツからでは286,184円、イタリアからでは381,102円、アメリカからは426,584円となる。欧米からは高級な自転車の輸入が中心である、ということがわかる。

「その他自転車」の地域別ランク(自転車輸入台数)。その他といっても色々入ってる。

「その他自転車」の地域別ランク(自転車輸入台数)。その他といっても色々入ってる。

統計の読み取りには注意が必要

上の表を読み解くには少し難しい問題もある。8712.00-299にはロードバイクだけでなく、「外装変速機付軽快車」と「ジュニア用マウンテンバイク」も含まれる(日本自転車産業振興協会)。「外装変速機付軽快車」とは、簡単にいうとギアが外側に見えるタイプの変速機付のママチャリである。ところがロードバイクとママチャリ、となるとこれらは単価が違いすぎる。そしてドイツやイタリアから変速機付ママチャリがきているわけではない(!)。つまりドイツやイタリア、アメリカからきている自転車は、その単価が示すようにほぼロードバイクだと推測できる。一方、中国からはロードバイクもママチャリもジュニア用マウンテンバイクも全部来ている。分類が一緒になってしまったせいでもはや何がどうなっているかは日本側では読み取れない。

他方、ロードで比較しても同じ「自転車」とはいえ、フレームやコンポだけでなくありとあらゆるものが違うものであるといえる。輸入量や輸入価格から見れば販売価格が10万円を切るものの大半は中国から輸入されているということは明らかだ。もっとも、中国が安い自転車しか生産していないということを言いたいわけでもない。中国も高級ロードバイクの人気がどんどん上がっている。それはECサイトを眺めてみても、専門サイトを見ていてもわかる。

先日深圳の自転車展示会に行ってきたところでは、このような自転車も見かけた(販売価格は聞いていないが、上のはコンポまわりみるとお安くはなさそう)。

MISSILEという深圳のブランド

こっちは105が載ってる。おそらく5500元ぐらいのモデル。

カンボジアだ。

ところで貿易統計は常に新しい発見を提供してくれる。カンボジアだ。

カンボジアからはこの11ヶ月で1,595台の自転車が輸入されているのだが、実は世界的に見るとカンボジアが自転車の生産拠点として拡大している。日本向けは僅かであるが、世界では既に上位に入る生産国になりつつある。

その主な仕向地はEUだという。少し古いが日経の記事(2015.9.26)によれば「カンボジアの自転車輸出額は4.2億ドル(約500億円)で、10年に比べ約6倍に急拡大」という。確かに、台湾メーカーを中心としてカンボジアに生産拠点を展開してきた報道がいくつかみられる。(もともと自転車産業に限らず台湾企業のカンボジア展開は大きい)

カンボジアの統計を調べようと思ったが、カンボジアの税関のWebでは残念ながらまったくデータに到達できない。eurostatあたりを探すとして、これらは後日にとっておくことにする。

自転車創業さんへの出資と自転車領域への姿勢

自転車メディアなどを運営されている

「FRAME」という国内屈指の自転車メディアなどを展開されている自転車創業さんに出資させていただいた(TechCrunchでの記事はこちら)。

社長の中島さんにお会いして事業のストーリーを伺った瞬間からご一緒したいとビビっときた。メンバーも皆さんすごい。取り組むべき場所も、気づかれている方向性も共感する。共感どころか、学ばせていただきたいと思った。さらには社名のネーミングセンスにもひっくり返りそうになった。社内でこの話を説明したら全員がまず社名に驚いた。スタートアップにとって印象に残る社名は絶対的に強い。出資させていただくことに至って本当に幸せである。

自転車創業さんの事業内容は記事などにお任せするとして、今日は今後のクララオンラインの自転車領域への取り組みの意欲を残しておきたい。当たり前だが、クララオンラインがなぜ自転車なのか、何を見出したのかは皆さんにとってクエスチョンマークだらけだと分かっている。

本当はずっとクエスチョンマークだらけのままでもいいと思っていたが(気づかれたくないので)、12月に入ってそれは違うと気づいた。私の気づいていない多くの知恵を頂いたほうが実現性が高いと感じたからだ。

自転車が来る。2018年は日本は「シェアバイク元年」になる。

この iemoto BLOGをお読みいただいていもお分かりいただけるとおり、最近の私の頭の中は「自転車×社会」というキーワードに占められている。仕事でもシェアバイクのコンサルティングに関わり、中国で自転車工場にあちこち回り、中国に限らずあちこちのシェアバイクをなめ回すかのように見てきた。

ところが、クララオンラインが取り組むcross-borderでのborderは国境と既成概念の二つだといい続けているのだが、「自転車×社会」にはまさに隔たりがある。長年、日本では自転車は便利であれど行政的には扱いにくい存在としてみられてきた。

しかし、2017年5月の自転車活用推進法の施行、中国のこの1年半のシェアバイク市場の急成長、そして来年いよいよ日本でも大きく広まるだろう「eBike市場」、そして環境や災害時対策だけでなく二次交通課題の対応としても自転車は注目を集めている。すくなくとも日本は自転車市場に劇的なイノベーションはなかった。むしろ自転車産業は弱まる一方だった。ついに自転車の流れが変わろうとしている。

自転車×バッテリーでイノベーションが生まれ、通信と位置情報と電子決済で進化した

まず、電動アシスト市場の成長はご存知のとおりである。街中で見る電動アシストの数は明らかにこの5年で増えた。それは決して偏った見方ではない。まず世界の自転車産業は年率3%程度で伸び、2022年には349億ドルになるという(Lucintel, 2017)。世界でみれば衰退産業ではない。さらに、街中で見る量が増えているのは数字が裏付けており、日本国内の電動アシストの市場は対前年比で1割以上伸びていのだ(GfK, 2017)。

ただし、いわゆるママチャリ・街乗りのレンジである1万円台の自転車の出荷台数や売上規模はどう考えても伸びないし、実際にそうなっている。世界の自転車生産を支える中国も、今回のシェアバイクブームがなければかなりの数の工場が倒れていたはずである(功罪あるのでこれはまた別に書く。低い価格レンジの自転車だけの生産で今の自転車のバリューチェーンは到底支えられない。)

具体的には、市場を牽引するのは電動アシスト領域と、電動アシストのユニットが搭載されるロードバイク・クロスバイクの領域。Boschが日本市場向けにも2018年からついに電動アシストのユニットの投入をはじめるが、eBikeと呼ばれる領域に関心が集まる理由の一つはこのユニット市場がついに国内メーカーだけでなくグローバルメーカーも供給を始めるということだ。自転車産業は水平分業が歴史的にみられ、こうした新しい動きが完成車のモデルにも影響を及ぼす。もちろん、電動アシストユニットをつけていないロードバイクの領域も素材やデザイン面での変化が進み、高級路線を中心に単価の高い自転車領域も伸びる。

そして中国ではシェアバイクでの変化がきた

1年ほど前、mobikeがバッテリーとソーラーパネルと通信機能と位置情報を自転車に組み合わせ、市場に大量投下した。ofoも追いかけて通信機能と位置情報を組み合わせた。これで絨毯爆撃並みに中国はオレンジ色と黄色に染まったわけである。この間、言葉通り「鍵」となるスマートロック自体の製造メーカーも広東を中心に増え、単価も下がってきた。そして中国は世界でもっとも早くNB-IoTがくる。

しかも中国政府がこの大きな流れを止めなかった。全体的には受容し、細かなところを整えようとしている。ルールは夏以降に次々と出てきているし、日本の報道で出てくるような無茶苦茶な駐輪状態は、地方政府単位でだいぶ改善しようという流れがある。投入量が多すぎる場合には減らせといい、強制的に撤去させたり投入数を制限したりもしている。

この変化を起こしたイノベーターは私などより若い2人である。mobikeは1982年、ofoは1991年生まれの創業者である。中国はこの若い2人の挑戦を許容し、同時に自転車という中国でも実は相当古い産業の一つに若い世代が切り込んだ。

自転車と社会というBorderに取り組む

クララオンラインはインターネットインフラの会社として経営基盤を作ってきた。そして10年以上前に中国に進出し、一度は失敗しながらも中国と日本でのお客様のビジネスの架け橋・先導役になろうと取り組んできた。この間に、日本が中国に進出する目的は大きくかわり、低コスト工場の中国から、市場の中国になった。ところが、早くも次の段階にある。タイムマシン経営が「China to Japan」で成り立つ状況にあるのである。

深圳の記事を書くとそれに違う方向から反応する人がいたり、中国すごいという記事に対して何を限られたところを見ている、という人もいる。私の身近にもいる。しかし経営という立場から見れば、2017年は恐ろしいほど立ち位置が変わった。どうかそういう日本のビジネスパーソンには気づいてほしい。タイムマシンが全ての正解ではないが、日本が20年見てきたSilicon Valley to Japanだけじゃない。China to Japanがもはや成り立つ。加えてLocalizeは欠かせない。それがまさに前稿の駐輪課題であり、あるいは走行ルールの課題である。

モビリティとしての自転車、IoTとしての自転車

私は自転車のモビリティとしての進化、スポーツ競技としての存在に興味をもつのは当然のこと、もう一つ、IoTのデバイスとしての自転車に興味がある。なぜこぞって中国の通信キャリアがmobikeやofoと組んだか。間違いなくそれはIoTのデバイスとして自転車を見ているからである。今まで出来なかった人の移動の可視化があっという間に完成した。

通信キャリアから見れば、スマートフォンに入るSIMカードの数には限界がある。ユーザ数の勝負でしかない。そこで新たな開拓市場としてIoTデバイスに注目が集まるも、大量にSIMカードが出るようなデバイスは実はさほど出てきていない。ところが自転車はどうだ。中国に限れば、今年前半までの自転車を除けば、その後はほぼ全てがデータ通信の端末だ。以前、人と自転車の関係をセンサー・アクチュエーターだといった中国の投資家の言葉を書いたが(「全ての人はセンサーに、アクチュエーターになった」、本当にそうなる。

自転車には、スポーツ競技、ホビーとしての存在と、移動手段として人が便利に使う存在とがある。そこで盗難と違法駐輪と走行ルールという3つの課題が日本社会での受容を阻んできたが、少なくとも前2つはIoT×自転車で変化が起きると信じている。そして走行ルールや環境は、冒頭書いたように日本中で整備が進む道が始まっている。

ある日ここに書いたことに気づいたときに、広い意味での「自転車」が来る、と確信した。

自転車領域に取り組む

動くものという意味では2017年はドローンがきた。そして2位、3位のフランス米国メーカー(Parrot、3DR)との競争に勝ち、DJIが世界の8割の市場をとった。ただし、本質は、DJIがすごいということだけではない。DJIのドローンを使って何をするかだ。自転車も同じではないか。人の移動は、今までの交通手段だけではカバーできない。もう地下鉄のためにトンネルを掘ったり、不採算路線のバスを行政がサポートするには限界がある。

そこで2018年の変化は自転車だ。クララオンラインは、今までのIT・クラウド・通信領域の積み重ねが大量にある。そして中国と日本との間にいる。中国との事業経験の豊富さは日系のベンチャーの中では負ける気がしない。さらに、スポーツとITという概念のborderを越えることにも取り組んできた。もちろん自転車領域では小僧だ。学ばせていただきたい。先生を求めている。するならば、自転車領域の方たちと一緒に働かせていただくしかない。今までの自転車産業の歴史についても深く勉強する必要がある。自転車のレジェンドにも教えを乞いつつ、スタートアップの方たちとも組んでいきたい。そう考えて、まず一社目に組ませていただく先に自転車創業さんという存在に出会うことができた。

年が明けたら、次々と自転車領域での取り組みをまとめいく。イノベーターたるスタートアップの方たちには資金も人的リソースもシステムも必要だ。到底私たちの思いだけでは支えられない。一緒に動いていただける仲間をもっと増やしたい。資金も必要としている。中国の、世界の若い自転車ベンチャーとも組んでいきたい。

私自身も猛烈に学んでいる最中だが、とてもとても日本の自転車産業の方たちの積み重ねには及ばない。IoT、スポーツ競技、自転車とその部品、観光、災害対策、新たな販売方法などといったテーマで自転車に関わる新しい動きをされている方がいらっしゃれば、ぜひお取り組みを教えていただきたい。

浜松町・大門エリアの駐輪場事情

浜松町・大門エリアには駐輪場が少ない!

クララオンラインの東京オフィスがある浜松町駅の周辺には本当に駐輪場が少ない。Googleのキーワードプランナーで検索数を見ると「浜松町 駐輪場」「大門 駐輪場」と検索している人がかなりいることもからもわかる。

ビル下には駐輪できるスペースがあるが、これはビル上にあるマンション住人の方のためのスペース。ビル入居者が勝手に置くことは認められていない。

東日本大震災のあと、非常用に自転車を会社で購入したのだが、なんとそもそも置くスペースがないことにその後気づき、やむなくビルから離れたところに停めざるを得なかったということもあった。

駐輪場難民なのである。

浜松町駅北口自転車等駐車場

唯一あるのが浜松町駅前にある公共の駐輪場。港区が運営する地下平置きタイプのものだ。定期利用と一時利用が可能で、一時利用ならば1日1回あたり150円。

普段は自転車通勤はしていないが、その理由の一つに駐輪場の空き具合がわからないことがあり、なかなか挑戦できなかった。定期利用は年に一回の募集、もしくは空きがあれば申し込める、ということに限られている。きっと年末のこの時期ならば一時利用の人も少ないだろうと思い、今日は自転車で浜松町まできてみた。

浜松町駅北口自転車等駐車場

汐留ビルディングの目の前にある駐輪場の入口はわかりやすい。地下に降りれば管理されている方がいて、一時利用と伝えてチケットの販売機で150円を買いタグをつける。

スタンドなしのロードバイクでも置ける

事前に空き具合以外にもう一つ不安だったのが、スタンドなしのロードバイクでも置けるのかどうか。自立できないのでラックタイプの駐輪場でないと立てかけるしかない。

係員の方に「スタンドないですか?」と聞かれたので「ないんですが大丈夫ですか」と答えると、奥には工事現場にあるコーンとパイプで一台ずつ柵のようにしてあるスペースがあり、そこに案内していただいた。スタンドなしのロードバイクでも安心である。既に私以外に5-6台ぐらいが置かれていて、私の直後にも別の利用者が止めにきていた。

ドコモのバイクシェアのポートも空白

さらに当社のオフィスのまわりはドコモのバイクシェア(港区自転車シェアリング)のポートも空白地帯である。港区役所に行くか、赤羽橋の方向に歩いて住友芝公園ビルまで行かねばならぬ。

機会があったのでビルの管理会社の方に聞いてみたところこの状況はご存知のようで、検討もされたようだ。ただ、空白であることが逆に自転車のオーバーフローに繋がる可能性がとのことで見送られたと聞いた。それ以外にも事情があるようだが、そうか、あれば便利ではなく、あるとそこにたくさん停まりすぎるという懸念もあるわけか。このあたりは中国的な再配置を丁寧にすれば良いわけだがコストも当然かかる。現状では、それこそ虎ノ門あたりに大量に並んでいたりする様子を見ると実現は期待はし難い。我慢。

都心部になればなるほど駐輪場は難しい

港区の場合、民間に運営委託しているとみられる駐輪場を含めて26ヶ所の駐輪場がある。田町、品川のあたりには複数あるが、浜松町はこの一つに限られる。

民間が駐輪場事業をやろうと思っても、土地の値段からして都心ではどう考えても採算があわない。浜松町は決してど真ん中の場所ではないが、それでも駐車場が1台5万円という相場の場所である。置けて車一台分のスペースには自転車が6-7台。民間で土地を借りて駐輪場をやろうという話には、少なくともこの場所ではなりにくい。

地上が無理ならば地下、といっても、上で触れた浜松町駅の公共駐輪場の場合、そもそもビルの建設時にあわせて作られたもの。駐輪場のためだけに地下を掘るということは、大規模工事が伴わなければ勘定があわない。

実は法律の変化や制度面で歩道活用の可能性はゼロではないが、ラック式の導入をしていくにも誰が金を出すかというところで止まりやすい。

遊休スペースの活用

クララオンラインの古くからのお客様が「みんちゅう」という駐輪スペースのシェアリングを始められた。個人や企業が遊休スペースになっている場所を駐輪場として貸し出し、それを個人が借りれるようにしようというもの。駐車場ではこのようなサービスがいくつもあるが、駐輪場に目を向けられたのは新しい。

まだサービスを立ち上げられたばかりだが、聞くと来年以降は提携先を増やされていくよう。ほしい。オフィスに近くに本当にほしい。駐車場で車を置くスペースには足りないが、駐輪ならばできるという遊休スペースはきっとあるはず。

シェアバイクの日本での可能性を拡げるための最大の要素の一つが適切な駐輪スペースの確保であると考えている。「みんちゅう」のサービスには頑張ってエリア拡大していただきたい!

追記:
帰りに上に出てくる浜松町の駐輪場で係員の方に聞いてみたところ、一時利用でスタンドレスが置ける場所は14台。「でもこれが満車になることはまずないなー。どんどん使ってくださいよ」と。あら素敵!

恩送りという言葉に出会う

若者力大賞受賞者講演会

昨晩は理事を務めさせていただいている公益財団法人日本ユースリーダー協会で講演会を開催し、そのモデレーターとして参加した。

昨年私がこの協会の事業である「若者力大賞」の実行委員長を務めさせていただいた折、「受賞式でスピーチを聞くだけではその方の深い活動までは知りきれない。もっとお話しを聴ける場を作りたい」とお願いし、その受賞者の方にお話しいただく講演会を初めて開催した。第一回の昨年はパラリンピアンの高桑早生さんに登壇いただき、リオでの挑戦の様子を話された。今回はその二回目。「次世代の子どもたちの未来のために」というテーマを設定した。

ご登壇いただいたのは児童労働問題に取り組んでおられるACEの岩附さん、チャリティーサンタの清輔さん、児童養護施設から出た若者を支援し続けているブリッジフォースマイルの菅原さんの3人。いずれも若者力大賞ユースリーダー支援賞の過去の受賞者の方たち。その方たちの「その後」を知りたくてこの企画に関わらせていただいてきた。

12月は、街にはクリスマスソングが流れ、イルミネーションできれいに彩られる。クリスマスにはプレゼントが贈られ、働くひとにとっては忘年会もあるだろう。一年を振り返るこの季節を楽しむ人たちは多い。ただ、決してクリスマスが、あるいは世間が幸せに包まれるタイミングを、必ずしも同じように楽しむことができない人もいるということを知ってほしい。あえてこのような時期だからこそ未来を担う子供たちのことを考えたい、という機会になった。

恩返しよりも恩送り

お三方から出た言葉のどれもに強く共感したが、ひとつ、本当に強く言葉に残った言葉がある。清輔さんの「恩送り」。この言葉は恥ずかしながら知らなかった。Wikipediaによると「恩送り(おんおくり)とは、誰かから受けた恩を、直接その人に返すのではなく、別の人に送ること。」ということだそうだ。

私は今まで多くの方に期待をしていただき、対してそれ以上に多くの方に迷惑をかけてきたことで、仕事とプライベートの時間のうち一部の時間は社会に使わせていただくことは次の世代に繋げる使命、と考えてきた。その都度社会におもどしすることを「恩返しする」といい続けてきたが、御恩をいただいた方にお返しするのではなく社会にお返しするものなのだから、恩送りはとてもすっきりする言葉だ。これからは恩送りと使おう。

白酒が正しく日本に伝わっていない

忘年会

昨日はクララオンラインの忘年会だった。開始5分で白酒(中国のお酒)の乾杯がはじまり、ビンゴは紅包が飛び交うという何とも中華的な雰囲気になってきた。iPhoneXとか景品にないんですかと言われたが、ギフト系のプレゼント以外は現金を経営層が自腹で入れるという初めてのやり方。

それこそ中国で見かけるような全員に高価なものを配るというほどまでは出来なかったが、本当はそれぐらいしたいもの。がんばった将来、結果が出たらぜひそうしたい。

白酒を知ってほしい

ところで、私は白酒が大好きである。決して大酒飲みではない。もちろんお酒なので強要するものでもない。ただ、皆で集まるときの白酒には何か一つの味がある。

そもそもガブ飲みするようなものではないのでショットグラスのようなもので乾杯するスタイルの飲み方だが、なにせ白酒が日本には正しく伝わっていないと痛感する。白酒? と聞くと何やら恐ろしいものを聞いたかのような反応に。確かに白酒は度数が50度や60度というものが多く、しかも伝統的に多く飲まれてきた白酒は辛め。悪酔いするという印象もあって、若い人たちにはどうもウケが悪い。蒸留酒は苦手だということになれば仕方がないが。

ただ、断言する。本当にいい白酒は、悪酔いもしないし、次の日にも残らない。(個人の体質によるものは除く)

一方、日本の中華料理店では高級なところでもそもそも白酒を置かなくなったところが多く(紹興酒はだいたいある)、あるいは質の良くない白酒しかないというケースもある。あるいは良いものがあったとしても高級ブランドの白酒が1-2種類しかないということもある。何ならそれが偽モノやラベルの雰囲気だけ似ている「似て非なるもの」だったりすることもあり、さらにタチが悪い。よって、免税範囲でコツコツと中国から持ち帰ってきたり、頂きものを大切にとっておき、大切なお客様やパートナーさんとの飲み会に持ち込ませてもらうことになる。

中国のコンビニで売っている小さなボトルに入ってるのは、あれは無理。日本から出張にいって、これかーといって買って帰って印象が悪くなられるのは避けたい。営業妨害にはならないだろうが、あの類のものは買わないでほしい。

知られていない白酒のほうが多い

色々な数え方があるらしいが、白酒の先輩・先生たちによれば、小さなメーカー、あるいは「売り物としてではない」(地方にいくと見かける。自家醸造。言い方をかえて悪く言えば密造酒。)ものを含めると、飲めるものとしては1000種類近くはあるらしい。茅台、五粮液、洋河、牛栏山あたりが免税店でも多く並ぶ有名なメーカーだが、こればかりではない。

そして、いい白酒は必ずしも高いものばかりではない。免税店で2000-3000元、あるいはさらに高いような白酒も置いてあるが、本当においしいものの中には数百元ぐらいのものもたくさんある。この一年に出会ったものの中には、当社の社員が持ってきてくれた延辺のある白酒が、もう本当においしくて、これは日本人の多くにもあうと感じた。有名どころの中では洋河が出している海之蓝の42度や46度あたりのものも良い(同じ度数でも色々と種類があるので一まとめにできないのは注意)。

中国の若い人たちも最近は度数の高いお酒を昔のように飲むわけではなくなってきており、メーカーもそれにあわせて度数を下げたものを作り始めている。30度半ばが多いが、中には20度ちょっとのものもあった(さすがに薄いし白酒の香りも弱い)。そこで最近、30度半ばのもので、辛すぎることもなく、香りも無理に強すぎなければ、日本の中華料理店でももう少し飲んでいただけるのではないだろうかと思っている。

日本で広められないか

白酒と一口にいっても、香り、製法でいくつもの分類に分かれる(と、百度百科の白酒のページに書いてある)。

一昨日、ある中国人と話していたところ、その人も中国の白酒で日本に展開したいものがあると教えてくれた。私も、上に書いた延辺の白酒ブランドは売れると思っている。色々な白酒の中で、日本の空気に、そして日本で食べる中華料理に合うお酒はきっといくつもあるはず。いつか日本に正しく広めてみたい。

といいつつ、お酒はほどほどに!

Huaweiユーザー向けセミナーでの講演

日本でもエンタープライズ向けの展開が加速

日商エレクトロニクスさんが開催されたHuawei(ファーウェイ)ユーザー向けセミナーで講演する機会をいただいた。Huaweiの機器は通信キャリア向けとコンシューマー向け製品(WiFiルータやP10などのスマートフォン)という印象が強いが、ネットワーク製品やIAサーバなどもかなり展開している。日本でもユーザーの裾野を拡げていこうと、Huaweiのパートナーである日商エレクトロニクスさんが中国のIT事情を伝えられるための機会として初めて開かれた。

一通り中国のアップデートを広くしつつ、やはり私からみればシェアバイク×NB-IoT領域でHuaweiとofoと中国電信の動きに興味がある。私から勝手に紹介させていただいた。

日本から3600億円以上の調達

「Huawei の凄さ」はもちろん十分に知っているつもりだったが、それよりも興味深かったのは日本からの調達額。昨年度の数字で3600億円以上の機器・パーツ等を日本から調達しているという。その前の年も3000億円を超える調達をしている。なんという額。

確かに、調べると2015年の記事には、2014年度に2000億円を超える調達をしているという報道もある(日経, 2015/5/21)。多くのサプライヤーの名前が挙がる中には日本の大企業の名前が連なっていた。そこから見ても1.5倍近い積み上げをしているということになる。昨日もHuaweiの方から触れられていたが、2016年度の日本から中国への輸出額ベースで見れば2パーセント以上をを占めていることになる。小さくない。

初任給40万円という報道に対して

今朝、ある日本の方と話しているときに、少し前に報道されたHuaweiの「初任給40万円」の話題が出た。確かにぱっと見ると高い。さらに求人サイトを見ると修士号以上では45万円からという情報もある。ただ、中国で今、重点大学の上位層を狙うAI・クラウド・ビッグデータ関連の求人を見ると2万元から2.5万元という求人も多く見る。日本円換算でみれば34万円から43万円ぐらいということになる。

昨日、ちょうど中国ではAWSの寧夏のリージョンが立ち上がった情報が公表された。北京に続いて2つめのリージョンである。早速関連する求人情報を探してみても、このあたりの金額ゾーンがチラホラと見当たる。

日本と中国とでは企業負担の社会保障分の厚みが違うため、こう考えると企業側の支出視点に立てば実際には中国と日本との条件差はほぼないということもできる。この点は既存の経済学でも説明ができる収斂が起きているだけとも言えるが、いずれにしても「能力・スキル差がない中でも中国の人件費が安い」という構図は既にあてはまらない。

機会があればじっくりとHuaweiの基地や工場を回らせてもらいに行きたいな、と。