カンボジアに和牛を輸出している地域(税関)はどこか

カンボジアに和牛を輸出している地域

日本の冷凍和牛の輸出先第1位が5年連続カンボジアであるわけですが、2017年も順調にその傾向がみられます。さて、その冷凍和牛は日本のどの地域から輸出されているものが多いのでしょう。ということで、貿易統計で楽しく調べてみることにしました。

なお、なぜカンボジアが冷凍和牛の輸出先第1位なのかについてはこのblogでは触れません。検索すると答えと方法がたくさん見つかりますのでご参照ください。上海に行くと美味しい和牛(オーストラリア産のWagyuではありません)が食べられますが、中国は日本から2001年以降輸入はしていないことになっています。

わが国の税関の管轄は9つに分かれている

東京税関、横浜税関、といったように、日本の税関は9つのエリアで管轄が分かれています。このうち東京税関の管内には羽田空港や成田空港の支署などがある東京エリアだけでなく、やや離れた場所としては新潟も範囲に入っています。

今回の目的は、9つの税関の管轄のうち、いったいどこの税関を通じて「カンボジアの人がほぼ食べているわけではないと分かっているのに冷凍和牛が輸出されているのか」を知りたいというものです。厳密には税関と輸出する者の位置関係に正確な意味はありませんが、どこに輸出するためのものが集まってきているかは分かります。さすがに、例えば九州の牛をわざわざ横浜まで運んで輸出することが多いとは考えにくいためです。

なお門司税関では「和牛輸出第一位ワーイ」(注:筆者に聞こえた声)という特集が昨年12月に出されています。畜産王国九州です。胸を張っていただいてよいと思います。なんといっても日本のほぼ半分の牛肉は門司税関管内から輸出されているからです。そして、冷凍和牛ではなく冷蔵和牛にカンボジアルートはありません。概ね仕向地が本当のfinal destinationだと考えてよいはずです。香港やアメリカで美味しく食していただいているものと思います。
牛肉の輸出 – 門司税関の 2015 年輸出数量、金額過去最高 -シェア全国第1位

冷凍和牛とカンボジアに絞る

しかし門司税関の上のPDFは冷凍和牛と冷蔵和牛を分けていません。ここでは肉製品の貿易に係られている方であればお分かりいただけるだろうと思いますが、0201と0202の合算をされています。カンボジアに行っているのは冷凍品です。冷蔵品はさすがにドンブラコとタイに渡ってさらに中国に行くということはありませんし、あったとしても私は申し訳ありませんが食べません。

ということで、0202と、120、つまりカンボジアの組み合わせを調べたくなったわけです。なお120はカンボジアの国コードです。

実際には検索機能を使いますが、このようにCSVデータから確認することもできます。

貿易統計のCSV

貿易統計のCSVとニラメッコ。

まずは今年の状況を確認する

それでは、冷凍和牛の2017年度の状況について確認しましょう。

ちょうど6月度までは確定も出てきており第一四半期の状況がわかります。よしよし、今年度も出だしからカンボジアルートが好調だぞ(謎)、とわかります。金額ベースで見るとこれを単純に4倍すると昨年度を超しそうです。普段ならばきれいに整形するのですがExcelからのキャプチャだとモロワカリの手抜き具合、お許しください。

冷凍和牛の輸出金額と主要相手国。カンボジアが引き続き1位です

冷凍和牛の輸出金額と主要相手国。カンボジアが引き続き1位です

どの手段で輸出されているのか

貿易統計では「航空貨物」「海上コンテナ貨物」のいずれで輸出されているかが分かります。運送形態別といいます。ただし、郵便や海上バラ積み貨物で輸出されているものについては検索できませんので、まれに総額と合わない品物に出くわすことがあります。ま、牛肉でこれに出くわすことはありません。

貿易統計検索ページ
運送形態別品別国別表

結論はあまりにも簡単ですが、海上コンテナ貨物でしか輸出されていませんでした(過去の統計をさかのぼっても)。これは、カンボジアに日本からの直接の航空貨物便が飛んでいないからということではなく、経由や積み替えであってもいいわけですが、そもそも船でしか運ばれていないということになります。

運送形態別の冷凍和牛の輸出状況(2017年1-6月)

海上コンテナ輸送による冷凍和牛の輸出状況(2017年1-6月)

いよいよ税関別の状況に。

それでは、本日のお題である「カンボジアにはどの税関から和牛が輸出されているのか」を調べましょう。玄人さん向けにはCSVデータを使う方法もありますが、ここでは初心者コースということで検索ページを使います。既に品目コードが0202から始まることがわかっています。カンボジアは120ですね。

なお、0202が冷凍牛肉だよねというような輸出統計品目表については 財務省 輸出統計品目表
を使っても便利ではありますが、私は日本関税協会が提供されているweb輸出統計品目表をブックマークしています。

それでは検索しましょう。税関別で複数の月にまたがって検索する場合には「税関別品別国別表」ですが、税関別・国別・品目別で検索する場合には「統計品別国別税関一覧表」を用います。ここでは後者の「統計品別国別税関一覧表」で検索した結果を表示しました。

結果は、第1位が横浜。単価が高いのは神戸

引っ張りましたが、ようやく結果です。2017年度第一四半期(4-6月)の状況は以下のとおりです。

2017年4-6月度のカンボジアへの冷凍和牛輸出の状況
第1位横浜本関、第2位門司の下関税関支署、第3位同じく門司の博多税関支署、最後に神戸。なお2017年1-3月を絞るとと東京からわずかに輸出されていましたが4月以降の実績はゼロです。

ここまでくると、どの地域のお肉なのかが分かる気がしますが、神戸は本当に少なそうです。ただ、量が少ないのも起因しているでしょうが、1キログラムあたりの単価は神戸がトップ。高いお肉なんでしょう。参考までに、2016年1月から12月においても第1位横浜(192トン)、第2位下関(122トン)、第3位博多(36トン)は変わりませんでした。

また、2016年までは統計で冷凍和牛について枝肉・半丸枝肉以外のかた、うで、もも、など骨付きでない肉とが区別はされていませんでした。今年からはこれらが区別されていますが、その中でも輸出量の大半は枝肉・半丸枝肉が占めています。仮にすべてが枝肉だったとするとおよそ400-500キログラム程度。ここから脱骨などをしていくと半分ぐらいになります。どこかの記事で枝肉の単価で計算していた人がいましたが、グラムあたりの比較をするならば枝肉で割り算しないほうがいいと思います。

仕向地は「最終目的地」のはず

最後に、牛肉を大事に育て出荷されている皆さんや、本当にカンボジアの中で流通させるために尽力されていらっしゃる方の努力は十二分に理解しています。私個人としては、ここまで実状は奥深いものがあるのに、長期にわたって迂回ルートが取られている現状は好ましくないものと考えています。中国が一日も早く日本からの牛肉輸入を解禁してくれることを期待しています。

仕向地というのは「輸出貨物がその取引において最終的に仕向けられる国」です。いいですか。最終的に、です。それでは、カンボジアの人が本当にたくさん和牛を食べて頂ける日が早く来ること、および冷凍和牛の統計に「105番」(中華人民共和国)がまた出てくる日が早く来ることを期待して、本日はこのあたりで。書いててお腹減りました。

オピニオン: 資格外活動許可下における複数のアルバイト先での時間管理

複数のアルバイト先での28時間ルール超過時の企業側の責任

今回は、入管法第19条での「28時間ルール」に関連し、外国人留学生が複数のアルバイト先で勤務する際の勤務時間超過問題について、法が雇用主の責任を求めるならば何らか雇用主に対して把握方法を提供するべきではないかとの点を照準とした一意見を書くことにします。不法就労助長罪についてはオーバーステイや風俗業絡みの判例が中心で、今回指摘したい「資格外活動許可を得ている外国人留学生が2以上のアルバイト先で勤務していたが、この勤務時間は合計すると恒常的に28時間を超過していた」ことにつき、これだけを取り上げて雇用主側の責任を追及した判例は見当たりません。(収録されていないだけだというご指摘があればぜひお願いいたします。あて先は kentaro [at] iemoto.com です。)

しかしわが国の実態はまさにこれです。28時間ルールを十分に理解している雇用主・外国人留学生が多くいることも承知していますが、他方でアルバイトの掛け持ちによって28時間ルールがうやむやになっているケースも多くあります。なぜならば、外国人留学生本人から勤務時間について積極的に申告を得ない限り、雇用主側に把握する手段が存在しないためです。また雇用主側が真実性を確認する手段も存在しません。

外国人留学生をさらに増やしていきたいとする30万人計画の存在(あの計画の着地と評価をどうするかは別としても)と同時に、働き手として一定程度外国人留学生に依存している現場もある中、28時間ルールの本質である「留学は勉学が本分」という趣旨については何ら反対しません。また不法就労助長罪の存在に対する批判もありません。ましてや、複数先での28時間ルールの超過により雇用主側が摘発される事案は無いのだから「ルールは無視してよい」というつもりもありません。一方で、国費留学生は原則NGがあるため別だとしても、留学での生計を維持するためにアルバイトをする必要があったり、アルバイトをすること自体で日本で学ぶことにプラスになったりする点も当然あります。よって私自身は資格外活動許可の制度をもつわが国の制度自体に対しては評価をしています。

ところが、いざアルバイトで働く際、この28時間は複数先での合算であることについての理解は高いといえません。働き始める際にはパスポートや資格外活動許可証の確認、本人からの(就業開始時に他のアルバイト先の有無について)聞き取りをするにしても、それが適切であったと後から立証するのは容易ではありませんし、勤務時間など変動して当然。よって、雇用主側に対して勤務時間を登録・照会する何らかの手段を用意するなど、雇用主側の「努力」に依存しない手段の提供を期待するものです。

なお、これらの目的は「正しく日本でアルバイトをする外国人留学生」と「正しく外国人留学生を雇う雇用主」がバカを見ないようにすることである点は、当然ながらも添えておきます。

入管法における資格外活動許可

入管法は、外国人留学生が日本でアルバイト等を行う場合に資格外活動許可を得ることを義務付け、さらに資格外活動は原則として週28時間以内(いわゆる夏休み等は1日8時間以内)としています(入管法第19条)。この際、既出のとおり勤務時間の制限は複数先で合算です。

どのように一般に周知されているかについて調べてみると、例えばここ東京都では「外国人在留マニュアル」が発行されており、英語以外に11の言語で同一の内容が作られています。そしてこのマニュアルには「合算ですよ」と明文化されています。

東京都の発行する「外国人在留マニュアル」

週28時間の制限は合算であることが明記されているものの…。

ただし、雇用主を指定する個別許可として「(1)活動の目的が本邦留学中の学費等の必要経費を補うものであること,(2)申請に係る活動が語学教師,通訳,翻訳,家庭教師等,申請者の専攻科目と密接な関係のある職種又は社会通念上学生が通常行っているアルバイトの範囲内にある職種であること」(国家戦略特区等提案検討要請回答より)が認められる場合には28時間ルールを超える許可を行うことがあるとしています。すなわち、全てが28時間ルールであるわけではありません。もっとも、一般的に企業や店舗等でのアルバイトの場合には包括許可での28時間ルール以外を見ることはほぼないでしょう。

28時間を超過しているかはどのように把握できるのか

ところが、冒頭に書いたように、雇用主は「複数でアルバイトをしているのか」「その合計が週28時間を超過してるいのか」を把握する手段がありません。また勤務時間の実態を入管等に報告する義務もありません。よって入管に電話して「この人は複数でアルバイトをしていますか」と聞いても(おそらく)わかりません。

以前の私のblogでも、本人の申告以外に28時間オーバーを把握する手段が無いことを書きました。また、今まで17-18年ほど外国籍従業員と一緒に働きた中では正社員以外にアルバイト・インターンの存在も多くいましたが、一度も28時間ルールについて「超えています」と言われたことはありませんでした。(違法なブローカーの存在を感じさせるオーバーステイ

本人に「28時間を超えることはできませんよ。ただし夏休み等は別です。」「複数での合計ですよ。」という注意はできます。します。しかし、継続的にフォローすることは困難ですし、真実性を確認する方法はありません。毎月、報させますか・しますか、という話です。

外国人の日本での就労時の報告制度

では、外国人が日本で就労する場合にはどのような報告制度があるのでしょうか。実は大きく分けて二つあります。一つは入管法による届出、もう一つは雇用対策法による届出です。わかり難いのですが、ハローワークに届出が義務付けられている者、すなわち企業等の事業主は雇用対策法での外国人雇用状況届出を行えということになっています。一方、その対象ではない、たとえば学術機関等での雇用の場合には入管に届け出ろということになっています。よってどちらか、です。

努力義務である入管法の受入・企業側の登録

このうち入管法では、中長期在留者の関係先(受け入れた企業などの雇用主。労働関係に限らない。)は外国人の受入れの開始・終了時点で届け出を行うこととされています(入管法第19条の16及び17)。ただし雇用主に対しては努力義務、です。また資格外活動許可の包括許可によるアルバイト先については対象ではありません。アルバイトについてはハローワークで届け出ることになっているからです(建てつけ上)。

なお2013年から「入国管理局電子届出システム」が稼動しており紙での報告ではなくなっていますが、届出されている数と対象の在留許可数の差はどの程度なのかを知りたいところです。この統計は見当たりませんでした。

雇用対策法での外国人雇用状況届出は義務化されているが…

一方、厚生労働省所管の雇用対策法では、2007年10月の改正で外国人雇用状況の届出が義務化されています。こちらは義務で罰則規定も存在します。全ての雇用主に対して採用時と退職時に報告しろということになっており、留学生が行うアルバイトも対象であると明確化されています。正採用の場合には雇用保険の被保険者とることでいずれにしても把握ができるわけですが、雇用保険の被保険者とならない外国人の場合に対しては外国人雇用状況届出書を所轄のハローワークに出すことが義務付けられているのです(雇用対策法第28条第1項及び附則第2条第1項)。

法務省と厚生労働省とそれぞれ所管が異なりますが、とにかく企業等の事業主の場合にはまずは雇用対策法での届出を行え、これは行わなければ罰則があるぞ、とし、対象ではない職種の人には入管の仕組みで届出をしてね、しかしこちらは努力義務、ということになります。もっとも、全ての事業主が届け出ているかは不明です。特に正採用ではなく、かつ雇用保険の対象ではない場合、相当数が抜け落ちている可能性があります。在留許可数との乖離は改めて調べてみることにします。

いずれにしても、雇用保険の被保険者とならないケースでどの程度届出がなされているのでしょうか。

逸脱方法はいくらでもある中、どうすればよいのか

わが国における留学生に対する「週28時間ルール」は、たとえばアメリカへの留学生の状況からするとルール上は緩めであるともいえます。包括許可ですから禁止業種以外はどこでも働くことができるわけです。

しかしその厳しいアメリカでさえも、あるいはその他の国であったとしても、さらに日本であったとしても、逸脱方法はいくらでも存在します。たとえば日本では、現金手渡し、単価書き換え(8時間働いても短く働いたことにし、しかし時間給を上げる)、複数先での勤務を意図的に把握しない、などです。似たような話はどこの国にいってもあります。アメリカでの留学中のアルバイトについて検索してみると、キャンパス内の20時間以内の労働(日本でも大学でTA・RA・SAをすることは除外)を紹介するページもあるものの、似たようにスレスレ or アウトの話を紹介しているページも多く見つかります。

そのような中でたとえば雇用主に「外国人のアルバイトを雇ったらパスポート情報と一ヶ月あたりの勤務時間を申告してね」とシステム化をしたところで、誰がまじめにやるのでしょう。コンプライアンスにうるさい日本の大企業であったとしても、フランチャイズの先の店舗の状況を細かく把握できているとは思えません。かといって、雇用主側の管理義務を無くすわけにはいきません。おそらく、入管法第19条の企業側のジレンマはこのあたりがポイントです。

結局、このままではザルになる。

さて、そろそろ結論に行き着く必要があります。

ここまで見た中では、届出義務は「その人が働きはじめたか、辞めたか」です。勤務時間は管理されていません。ましてやアルバイトの場合には雇用保険との兼ね合いでさらに不透明です。雇用主からすれば不法就労助長罪への抵触を回避するために旅券や在留資格、在留カードの確認などを怠らないようにし、かつ「あなたは複数先で合計28時間以上は働くことはできませんよ」と伝えればここまでで終わりです。仮に知ってしまった場合にはいずれかの勤務時間を減らすよう努力すべきですが、雇用主が出来ることは現実的にここまでです。

冒頭に書いたように、ただでさえアルバイトの働き手確保も厳しい時代です。28時間枠を拡大するのは「勉学が本分」という点から外れるため無いとして、逆に合計28時間ルールを1雇用主あたり21時間ルール(7h x 3days)とし、その管理を厳格化するのはどうかとの意見も近くではありましたが私は反対です。そうすると21時間を超えて働きたい留学生は掛け持ちをするだけです。

他方で、「外国人を雇ったら毎月勤務時間を報告せよ。報告していない状況を見つけたらペナルティ(次の雇用ができなくなるなど)を課す。臨検も頻繁にする。」といった厳格型管理手法も行政効率は高くありません。あまり言いたくはありませんが、国全体としてもこの労働市場環境で「合計週28時間ルール」の厳格運用が果たして出来るのかが疑問です。働き方改革では労働時間の話がここまで注目されましたが、「留学生」の「働き方」についてはメスが入る様相はないままです

在留カードにデータは書き込めるのか

ところで、外国籍の方が日本に3ヶ月以上滞在する場合には必ず在留カードを持っていることになっています。そしてこの在留カードのICチップに含まれているデータ仕様は公開されています。従って包括許可の有無以外に包括許可による雇用の有無について在留カードに書き込むことが出来れば雇用主の有無や雇用主情報を持つことができ、活用できる可能性があるのではないかと考えました。

よってデータの仕様を確認しましたが、包括許可または個別許可の有無については含まれているものの、現に雇用されているかどうかの情報を格納するファイル構造は確認出来ませんでした。ICに載っている情報の合計バイト数は手元で計算すると12,070byteのため、データの空き容量からすれば技術的には不可能ではなさそうです。もっとも、読み取りは出来ても書き込みを一般に何らか許可させられるか、そしてカードリーダーではなくライターを広く配布できるかというとこの案はあまり現実的ではありません。カード単体で対応することは今のところは難しそうです。

在留カード等読取り仕様書(一般公開用)

私の提案は「他の雇用主の有無を照会できる」システム

この上で、私個人の意見としては、(統計上およそ21万人いるとされる)資格外活動許可によるアルバイトに対しては、在留カードの番号をもとにして雇用主が外国人雇用状況届出書により雇入れ・離職について届けた情報を第三者の雇用主が照会できる仕組みを設けるべきであると考えています。在留カードの番号の検索によって他の雇用主が重なっていないかを把握できればよいでしょう(システム上の表示はありなしでよい)。そして雇用保険の被保険者であれば除外しても差し支えないわけですから、対象者はこのように限定することができます。雇用対策法の改正等によらずとも実現できる可能性があると考えます。

毎月勤務時間を登録しろとすることは現実的ではありません。しかし、他の雇用主が、目の前のアルバイト候補者を現に雇っているかどうかが把握できるだけでも、合計週28時間ルールに抵触する可能性があるかを一次的に確認することができます。今はこれが無いために本人の自己申告に拠っているのです。複数でアルバイトをしていてもよいのです。ただし、複数でアルバイトをしている場合には雇用主は注意を促すことができ、また行政側は届出前の照会の有無についても把握できます。個人情報保護の観点や趣旨からすれば、姓名等についての情報を確認する必要はなく(旅券でよい)、あくまで他の雇用主の有無に絞ることにこの提案の意義があります。

私の提案は以下の図のとおりです。図では簡略化するため2社めで照会していますが、そもそも外国人留学生のアルバイトを採用する場合には照会することを義務付け、資格外活動許可の有効性の確認と共に、他の雇用主の有無を確認ができるだけでも「うちの会社だけで週28時間を使い切るわけではない可能性があるから注意しなければいけないな」となると考えます。

資格外活動許可の照会システムの私案です。

資格外活動許可の照会システム(私案)。番号入力で現雇用先の有無が確認できるだけでも注意喚起の効果がある可能性。

週28時間ルールでさえ守っていない雇用主がいるのに届出などするか! との批判があれば、それはそのとおりです。しかし、正しく雇いたいと考えている企業にとって何ら手段が用意されないままであることは困ります。雇用主が責任を負うべき体制にするためにも、留学生のアルバイトの働き方を守るためにも、また留学の実態がない留学生に対して適切な対応をとるためにも、です。不透明な届出は検査すればよく、あくまで性善説によるべきで、働く現場が容易に届けられる仕組みを確保することが求められます。

中国の空港で飛行機が遅れたときに見るべきアプリ

今日も遅れる北京空港

ただいま、中国は北京空港にいます。今日は東京-北京の日帰り出張です。中国時間17:10出発予定のフライトですが、これを書いているのが18:45。ゲート前で出発時刻の予定は分からないまま待ちぼうけです。5分くらい前にはじめて「遅れるよん」というアナウンスがありました。

中国の空港での大遅延は決して珍しいことではありません。遅れるときにはうんと遅れます。私の今まで最高記録は国内線で9時間遅延。午後3時台のフライトが深夜0時近くになって飛び、しかも途中で欠航とシップチェンジを繰り返したことによって座席がぐちゃぐちゃになり、とりあえず乗る人乗って、みたいな感じ。いっそ欠航にしてくれたほうが幸せだったかも。

北京-上海間だと、2時間ぐらいの遅延になると新幹線(高鉄)移動の方が早くなりますし、そもそも場所によっては高鉄に軍配。高鉄は時間が読めるので1-2時間ぐらいの差ならばよいという人だと、こんなストレスに耐えるよりは高鉄です。でも私、飛行機好きなんで。

怒り始めたらご飯の時間

怒る人が出てくるのも恒例。でもゲートのスタッフにとっては怒られてもどうしようもありません。彼ら彼女たちも慣れているのである程度は聞き流していますが、そのうちまじめに喧嘩になることも。お腹が減るとダメだってことなのか、ある程度の規模の空港だと(=ケータリング施設があるところに限られてる)弁当が配られるというのもオペレーションが出来上がっています。そう書いている最中に、盛り上がってまいりましたよゲートで。

カウンターでの様子

ゲート前で盛り上がりはじめる人たち。でもまだこれぐらいは序の口。

もともとこの便が遅れそうだとは全く思っておらず(前便は青島空港から北京空港へほぼ予定通り到着していた。これがそもそも遅れていると「始まる前に終わり」で諦めの境地に。)、気持ちよくゲートに行ったところ、同じバス用ゲートを使う前便が3時間近く遅れていてごった返し。この時点で搭乗時刻がずれ込むのは確定です。チーン(1回目)。

中国でフライト情報を得るアプリは飞常准がおすすめ

さて、中国においてフライトの情報、それも遅延や出発順序だけでなくシップのレジ、そのシップが今日一日どう飛んできているのか、などを簡単に把握できるアプリに飞常准(飛常準)があります。中国で飛行機を多用する人のほとんどはこれを入れているのではないかと思うぐらいによく使われています。実はリリースされてから年数が相当たつのでいまさら紹介するというのもありますが、これから中国に来る人にはお勧めです。携帯電話番号の認証を通しておくと機能が多く使えるようになります。

飞常准

空港にいて遅延のアナウンスが丁寧に流れるという期待は無理。私の目の前で並んでいた日本人の方からは、「この空港、WiFi飛んでいないですよね」と聞かれましたが、情報入手の手段が外国人だとさらに限られていったいどうなっていることやら、と。なお北京空港には旅客用のゲストWiFiは飛んでいますが、まともにIPアドレスが割り当ててこられなかったり干渉がひどかったりで最近はとんと使ったことがありません。

話しを戻して、飞常准の細かいデータには色々と突っ込みどころもあるものの、ありがたいのは、「予定時刻と実際に飛んでいった/着陸した時刻」との乖離。これを見れば、どれぐらい行列があるのか、つまり離陸/着陸待ちで詰まっているかがわかります。したの画像を見ていただくと分かるとおり、もうこの数時間、つまりまくりです。

飞常准で見る、時間ごとの予定と実際の差

飞常准で見る、時間ごとの予定と実際の差

ただし遅延時間の予測はあまりあてにならない

航空会社が出す情報を拾っている様子がある場面もあるのですが、例えば私がこれから乗る予定の便の時間の遅延予測は恐らく何らかのアルゴリズムで飞常准が自らはじき出していそうです。単に前に詰まっている便数と平均離陸間隔時間をとっているのでしょうか、よってこれは「遅れる」ということの把握だけに使われることをおすすめします。もちろん、これを書いてるのが18:45といいましたが、既に過ぎています。チーン(2回目)

飞常准で見る遅延情報のキャプチャ

飞常准で見る遅延情報。アナウンスがないので少しは気休めになる。

それにそもそも18:00前の時点で離陸待ちが50便ぐらいいましたから、北京の管制事情を考えばどう考えてもさばけるわけがありません! さらに、1時間ほど前にrunway changeでみんな南向きから北向きにえいやーっと回されていまして、上でholdかかってたのも含めて北京の南のほうに皆さん移動されてました。大変だ…。

そう書いてたら、次のプーケット行きの便が先に搭乗開始です。。

19:10のプーケット行きの搭乗開始。。

19:10のプーケット行きの搭乗開始。。

いつ乗れるかなぁ。チーン(3回目)

日本と中国における公専公形式のインターネット接続

中国とクラウドとインターネット的「国際公専公」

にわかに「中国」「クラウド」「国際公専公」という3つのキーワードが重なる界隈に動きが見られるようになってきました。中国と外国との間ではクラウドサービスのリージョン間接続は認められないとの考えが存在してきた中、Aliyunが風穴を空けてきたのです。

噂では、これがどうやっても実現できないせいで中国大陸の展開を先送りにしていたクラウドサービスもありました。近年、クラウドサービスのリージョン間接続は国内だけでなく国際間でのニーズも高いわけですが、中国のインターネットの規制を考慮するとこれをどう出来るかという問題があったわけです。なぜならば、中国と外国の仮想サーバ同士の通信はどう取り扱うのよ、という問題があるためです(基礎電信業務経営許可を国際の範囲でとり、ISPライセンスを持ち、通信を公衆網と同等に監視するということならば出来るという方法も規制上考えられはする)。どうであれ、特にWebサイトにはユーザに対する制限等の記載は見当たらないまま登場してきました。

Aliyunのサービスページの情報

以下のようにパブリックネットワーク(公衆網)と「高速通道」(リージョン間のVPC同士の通信)との差を説明されています。SDNを使って最適な経路を選択しているという記載もあります。

Aliyunの仕様書情報
何が驚きであったかというと、「これ、やるんだ」という話しであります。よってここでは、関係者の方たちからの話しを聞く前に客観的に中国と国際公専公の話を整理し、その上で、機会があれば関係者のコメントを得てご紹介したいと思います。

国際公専公とは

国際専用線の両端に公衆網を接続することを「公専公」または「国際公専公」といいます。その昔、まだ国際電話が非常に高額だった時代、日本と外国との間の国際専用線を借りた上で両端に交換機等を接続し、日本は日本の公衆網、外国は外国の公衆網と接続し、日本と外国との間の電話をそれぞれ国内通話料金+アルファだけで使えるようにするといった事業者が出てきました。もう20年以上前の話です。約款外役務提供契約という存在に書かれた条項が壁でした。

また、国際電話の場合には、発信した側が料金を収納する一方、着信した側との間ではそのコストについて精算する仕組みがあります。一方、その仕組みが公正な競争の原理が働かずに運用されているケースも昔からありました。そして、インターネット電話の技術から進めば進む一方、国際電話の料金と国際専用線の料金の差をうまく利用しようと考える人たちが出てくるのも当然でした。

「国際公専公」について細かく取り上げることが本題ではないためある程度割愛しますが、わが国では1997年に国際公専公接続が解禁され、これによって国際インターネット電話(IP Telephony)分野はさらに前進しました。両端に公衆網が繋がりますので、東京03からかけてアメリカまでは専用線網でいき、そこからまたアメリカ国内の公衆網で接続するといったことが合法的にできるようになったわけです。公専公の歴史だけをとりまとめた良い資料は残念ながら見当たりませんが、旧郵政省の決定資料では当時の市場の様子を少し垣間見ることができますので参考に紹介します。

12/22付:国際公専公接続の自由化に関する方針の決定

中国におけるインターネット通信の「公専公」

ところで、日本やアメリカでは国際電話が国際通信における主流の時代に「公専公」を解禁してしまっていたのでこの20年のインターネットの発展において具体的な検討は起きなかったものの、中国においては未だ電信条例において「国際公専公」を禁止する条文が残っています(以下は2016年改正版)。

第五十八条 任何组织或者个人不得有下列扰乱电信市场秩序的行为:
(一)采取租用电信国际专线、私设转接设备或者其他方法,擅自经营国际或者香港特别行政区、澳门特别行政区和台湾地区电信业务;

すなわち、国際専用線などを借りて勝手に国際接続サービスをやるな、ということです。電信業務ですので電話や通信のいずれかに限定しているわけではありません。私の推測ですが、この条例が出来た2000年当時の中国の状況を考えるとインターネット通信の「国際公専公」はそこまで想定しておらず、ましてやクラウドの存在はなく、おそらくは、そもそもユーザとして国際専用線を借りて、それを又貸しまたは一部転用して第三者に貸し出すかたちでの国際電話や国際接続サービスをやるなと包括的に禁止したかっただけであろうと思います。また、そもそも国際電信に関する業務は内資100パーセント企業に対する許可制です。無許可でやるなよと繰り返しているに過ぎないとも言えます。

ちなみに10年ぐらい前に中国でこうした仕事をしないかと現地のキャリアの地方会社(キャリアは全て地方ごとに単位が分かれている)から誘われて検討したことがありましたが、厳密には違法であったとしてもキャリアからするとこの手の仕事で儲けているユーザがいるのを知っていたはずで、その儲けがただ流れていくぐらいならば知った先と組んでやろうとしたのかなと今では思います。

クラウドサービスの規範化

2016年11月、工信部が「关于规范云服务市场经营行为的通知」の意見募集稿を出しました。色々なことに触れていますが、ちょうどある海外ブランドのクラウドサービスにおいて顧客との契約方式についてこれより前に問題が起きていた(その後顧客との契約方式を変えて問題は解消した)ことなどを意識した内容が中心ではあったものの、一つだけ異質な条文がありました。それが以下です。

云服务经营者应在境内建设云服务平台,相关服务器与境外联网时,应通过工业和信息化部批准的互联网国际业务出入口进行连接,不得通过专线、虚拟专用网络(VPN)等其他方式自行建立或使用其他信道进行国际联网。

どの国でも同じですが、誰も動いていないところを突然国が言い出すということはありません。よって誰かが動いた、または動いていたと考えるのが自然です。一つは先のとは別の海外ブランドのクラウドサービスがこれを展開しようとしたがっていたことは耳に入ってきていましたし、それ以外のクラウドサービスでも同様の話しが上がっていました。さらに中国国内のクラウドサービスについてもこの時期より前から検討がされていたのを聞いています。

こうした中で工信部としては、無許可で勝手にバイパス作るなよ、というメッセージを出したわけです。もっとも、結局この意見募集稿が正式な版に格上げされた形跡はありません。よってこれはまだ「出ていない」ものとして取り扱われるとすると、電信条例第58条しか制限を加えているものは存在せず、少し斜めからの解釈をすれば冒頭のように基礎電信業務経営許可で国際の範囲でとり、ISPライセンスを持ってしまえば出来なくもないといえます。が、国際の範囲での基礎電信業務経営許可が新たに認められたという話しはありません。

しかし、この「風穴」は中国にとっては微妙な諸刃の剣になる可能性があります。なぜならば、中国のクラウドサービスに認めるということは、海外ブランドのクラウドサービスにも認めるロジックが出来上がる可能性があるからです。海外ブランドのクラウドサービスは全て中国にあるパートナー企業(内資)が契約主体となっています。よって、海外ブランドであろうと中国においてはそのサービス主体は中国企業であることにより条件は揃っており、あとは要件がなんだったのかということに我々の関心は移ることになります。

今後の可能性

実は今回紹介したAliyunだけでなく、他の中国のクラウド・ネットワークサービス企業でも同様の動きがあります。全体的に古くからの大手企業ではこの手の展開は聞こえてきませんが、新興企業の中には既に日本にPOPをもって準備を進めているところもあります。実際、私たちも両方のリージョン間で計測させてもらいましたが「いいスピード」が出ていました。この両端にインターネットを繋げれば幸せになれるよなーと思いつつ、Great Firewallや中国における国際通信の考え方を根本的に壊してしまうことにもなり、このあとの道のりはやや険しいだろうとも感じます。

まず、私個人が想定する今後の可能性はいくつかあります。一つは「実験的」にしばらく様子を見て何らかの本格的な規制をいれるかどうか検討。もう一つは、価格設定でのコントロール。いわゆる昔の国際公専公は、閉域線網でバイパスするというよりもコストを下げることに目的がありました。よって提供価格を専用線やIP-VPNなどと比較して大きく下げなければ市場が大きく崩れることはなく、利用者も限定されるだろうと考えることもできます。まぁ、日本と中国以外の場所で中国のキャリアが売っている日本・中国間の接続性(IP Transit)の価格がチラチラ聞こえてくるところでは、それもあってないようなものという気もします。

最後はクラウド事業者側に一定の資格を持たせること。既存の分類では該当するものが無いので何らかの範囲の資格を持たせることにするというのが現実的ですが、一定の通信の監視と安全管理を義務付けることで認めるという方向性も考えられます(そういえば分類に該当しない新業態への対応の通知が最近出ていましたね)。

いずれにしても、公表されている通知等ではこれらが認められるという根拠は見当たりませんが、中国では通知がずいぶんと時間が経過してから通知が「ぺろっ」と公表されることもありますし、そもそも内規レベルであれば公表もされません。むしろ、これはやってもいいよという通知が出たときには市場は終わっています。すなわち、今回は、赤信号でも青信号であるとも書かれていない道路を「堂々と渡った人がいる」ということが重要な変化なのです。本当にただ道路を横断したのかもしれませんが、実はそこには私たちには見えない横断歩道が書かれているかもしれないわけです。

では。

享騎電動車 – 上海の電動シェアバイク

自転車のように見えてペダルは使いません

上海に来ると北京と少し違うシェアバイクの風景があります。電動自転車です。北京にも今月からmangoという電動自転車が進出してきましたが、上海はその比ではなく広まっています。外見は日本の電動アシスト自転車に似ていますが、ペダルでもこげても電動「アシスト」機能はなく完全に電動車です。電動スクーターのような感じです。

上海の電動自転車にもいくつか出始めてきていますが、この黄緑色の享骑电动车が先発。もともと享骑出行といっていたのが享骑电动车になり、今は第2世代(家本調べ)の電動車が投下されています。

享騎電動車。黄緑の特徴的なカラー。

この暑すぎる上海で自転車をこぐのは単なる苦行でしかないのですが、電動車はまだマシでありまして、木陰の道などは風が気持ちよく感じ、、、るわけはありません。ただの熱風です。(ちなみに今週の上海は連日40度近い気温が続いています。iPhoneの天気情報によれば体感温度が46度近い日もあります。)

まず享骑电动车は置き場所が比較的集中しています。というのも、そもそも停める場所が他のシェアバイクと違って自由ではなく、ある程度指定されたエリアに置かないと「施錠できない」ようになっています(正確には課金の終了ができない)。ちゃんと指定した場所に停めてねって書いてあるのでそのとおりにしましょう。

指定した区域内に停めてね。って。

享騎電動車が並んでいる様子。よくこの光景を見かけます。

停車して施錠しようとすると、ここには置けねーから「P」に置いてねと。施錠できないので置きに行くしかない。

よって概ね比較的集中しているわけですが、ま、それでもそのあたりに放置されているのも見つけられます。

乗る前のお作法

乗るときにQRをスキャンすることは他と変わりませんが、スキャンすると残りのバッテリー容量と大まかな走行可能距離がわかります。

5キロ以上乗ったことがないのでこの目安の妥当性はわかりませんが、私はだいたい50パーセント以上残っているものを選ぶようにしています。少なくなるとややスピードの出が悪い気がします。しかし、単に気のせいかもしれません。

バッテリー残量と走行可能距離が表示

見分け方

第1世代と第2世代の見分け方は簡単です。第1世代はバッテリー残量メーター兼ライトが真ん中にドン。第2世代はハンドルの右側に。正直なところ、二つの世代で乗り心地にほぼ違いはありません。第2世代の方が(新しいためか)幾分ペダルが軽いかなというぐらい。

期待していたのはね第1世代も第2世代もサドルの高さを変えられないこと。MobikeとOfoで私がOfo派なのはサドルの高さが変えられるってのもあるんですが、全体的にシェアバイクは変えられないのが多いんですよね..。レンチがあれば出来そうな気もするのですが…。

なお第1世代と第2世代という言い方は私が勝手につけた表現です。私は第2世代を選ぶようにしていますか、初めての方はまずはどちらでも良いと思います。

これが第一世代。

これが第二世代。

バッテリーの盗難防止

いわゆるバッテリー盗難問題も第二世代になってカバーがつきはじめています。しかしそれでもバッテリーカバーをこじあけようとしたなという痕跡のあるのも見つけました。いけません。

これが第一世代のバッテリー。強引にやれば確かに盗まれそう。

カバーがついた第二世代。日本の自動販売機にもこういうのある。

痕跡。ドライバーか何かでこじあけようとしたかな。

ナンバー

今では電動自行車扱いでナンバーもついています。初期に投下されたものの中には僅かについていないものもありますが、7-8割の享骑电动车にはもうついています。

ナンバー。もっとも、この位置では周りからは見えません。

ちなみにこのナンバーは、おじちゃんたちが乗っている電動車と同じです。

行政上は同じ扱いということ。

走りやすい上海

上海にきたらぜひ試してください。日本にはない電動車(このカタチのままでは日本ではいけません。あ、警察官の前ではこいでくださいねと売ってた人たちがいましたね…)。決済だけAlipayかWechat Paymentに紐づける必要がありますが、身分証明書がなくともパスポートで実名認証はクリアできます。

こんな感じでスーイスイと。下の写真では歩道がすいてたので歩道を走ってますが、右側車線の路側帯(自転車のマークが結構書いてある)を走るのが基本。なお、左側を走ると逆走です。ぶつかります。

スーイスイ

木陰になっているところも多いです。スーイスイ。

それでも油断してると前から三輪車がきます。お気をつけください。

自転車のベルではなくブザーがついてるので「気づいているよ」という意味でもプップーと。

JAIPA Cloud Conference 2017

今年はさらに熱かった

400名を超えるお客様にお越しいただいたJAIPA Cloud Conference 2017。ご来場いただいた皆様、スポンサーの皆様、実行委員の皆さん、本当にありがとうございました。

このカンファレンスは日本インターネットプロバイダー協会(JAIPA)クラウド部会の主催で年一回開催をしているもので、ここ数年、毎年レベルアップに挑戦してきています。特定の企業が主催するものではない無料のビジネスカンファレンスにも関わらず、相当中身が濃いものになってきたものと自負しています。それも全てはご協賛いただいた33社のスポンサーの皆様のおかげです。

PCが固まる…

ところで、ワタクシ、人生で何百回と登壇してきた中で初めて「PCが固まる」という事態にあたりました。比較的ビビりな体質なので講演前には必ずPCを再起動し、余計な通信が発生しないようにWiFiをオフにし、必要のないソフトウェアを閉じるということを必ずしています。な、の、に。

私の直前には経済産業省の伊東審議官がSNS公開NGでメチャクチャ面白い話をしていただいたところで、さぁ会場もノッてきておりこの流れでいこーと思って壇に向かい、おもむろにHDMIケーブルを挿したわけです。PCに。優しく。そっと。その瞬間、、、カーソルが動いてくれません。動けカーソル。

こういう場面を客席から見ると「用意が足りないなー、プププ」なんて思うわけですが、自分の身に降りかかると頭真っ白、顔面冷や汗。無駄にスタッフに「あれ、映像いってます?」なんて軽口で聞いたわけですがこれは単に焦りを隠そうとするだけ。1秒後には、PCを再起動するまでどのように間をモタそうかとグルングルンします。PCの前で1分も黙っているなんていうのはどうであれかっこ悪すぎます。

Gambol

そんな中、私の手元にはGambol のノートがありました。

これしかない。。

ここはコクヨホール…(毎年コクヨさんのホールをお借りしてます)

Gambol。これ、中国方面では有名なブランドで、コクヨが買収した中国の文具メーカーです。コクヨのCampusノートそっくりのデザインでずっと作り続けていたところ、そのブランドごとコクヨが買収(2011年11月のリリース)し、今ではコクヨの製品として売られているというもの。普通に中国のコンビニや文具売場で買うことができます。

Gambolブランドのノート

焦った私はPCの再起動が始まったのを横目にGambolのノートを持ってステージの中央にいき、上のエピソードを話した上で、「中国は海賊版があってケシカランとか真似するからケシカランという話をする前に、むしろ発展途上では色々とあるわけで、日本企業としてはその成長速度を取り込んでしまうぐらいの勢いが必要じゃないんですか(右手拳を上げる!)」と出だしからクラウドと関係ないところでブッてみたわけです。

会場のスマホのカメラが多くこちらを向き、ああ少しは関心を持っていただけたかなと思った瞬間、スタッフからさっとポインターを渡されました。スタッフのPCで資料を投影してくれたのです(その日の朝に予備としてPDF化していたものを会社の人が会場に送ってくれていたことを後で知りました)。

窮地を救ってくれたGambolに、そして資料を裏側で送ってくれていた社員に感謝するしかありません。

サイバーセキュリティ法 – 法令名の和訳問題

「网络安全法」をどのように訳すか

「网络安全法」、いわゆる中国版サイバーセキュリティ法が6月1日に施行されて以来、様々なキーワードで検索されてくることがAnalyticsなどを見ていると分かります。しかし、今回ほど法令名の和訳に差があるケースは久しぶりではないかと思います。すなわち、「网络安全法」の和訳としてはインターネット安全法、ネット安全法、サイバーセキュリティ法の概ね3つが日本の紙面等には登場しているところ、特にインターネット安全法サイバーセキュリティ法とでは、前者ではインターネット空間を対象にしているかのような印象を与えられるなど受け取り方も大きく変わります。

こうした「法令名の和訳」の逸話については毎回セミナーで話題の一つに含んできていますが、今回ばかりは「サイバーセキュリティ法」で統一されるべきではないかと思い、意を決して(誰に何の覚悟をしているのかはさておき)比較や経緯をした上で検討しみることにします。

なお、なぜこれだけ訳語を気にするかというと、法令の名称または略称というのはそれだけで法の中身を印象付ける重要な要素である(最近の日本にもありますよね)という意義からして、翻訳者・校閲者の方などにも背景を知っておいていただきたいからでもあります。

「インターネット安全法」派と「サイバーセキュリティ法」派

冒頭に書いたように、訳は大きく二分されます。「インターネット安全法」派と「サイバーセキュリティ法」派です。なお、ここでは「セキュリティー」の長音の取り扱いは区別しないものとしています。

施行前後で日本国内で最も目にした記事では『中国のネット安全法、日本企業の9割「知らない」』(日本経済新聞5月31日電子版)がありますが、この記事は本文では「インターネット安全法」と触れている一方、引用したデロイトトーマツリスクサービス(DTCS)の報告書を見てみると、DTCS自らは報告書(「2017年6月施行の中国サイバーセキュリティ法への対応状況に関する緊急調査」)では「サイバーセキュリティ法」だと訳していて、さらに今年4月号の季刊誌でも一貫して「サイバーセキュリティ法」と訳しています。日時の前後からしてDTCSは日経に対して6月1日のレポートをリークしていると思いますが、日経は訳語はあくまで独自のものを通していたと見えます。

「インターネット」への違和感

私がまず上の記事で違和感を感じたのはサイバーセキュリティ法が必ずしもインターネットを範囲と限っていないにも係らず「インターネット」と訳したことです。

「网络」は、訳語としても、また法令の名称においてもネットワーク(Network) と訳されることが多く、ここに直訳的に「ネットワーク」を充てるのであればまだ理解できるところ、これをインターネット(互联网, The Internet)とすると適切な訳の範囲を越してしまっているのではないかと感じたわけです。確かに一般社会ではネットワークとインターネットの範囲は曖昧です。ただ、少し皆さんでもお考えいただければお分かりいただけるはずですが、必ずしもコンピュータ同士が接続し合うネットワークは全てがインターネットに接続されているものでは当然なく、その例には例えば金融機関同士が接続するネットワーク、製造業の生産管理システムのネットワークなど様々な例が挙げられます。すなわち、インターネット以外にもネットワークは存在しています。

同時に、サイバーセキュリティ法(以下特に指定していない場合には「法」)自体でも「网络」の定義をしています(第7章附則)。この用語定義の範囲はあくまでコンピュータ同士が接続されたネットワークであることのみを示していて、The Internet のみを対象していることではないことは明らかです。

网络,是指由计算机或者其他信息终端及相关设备组成的按照一定的规则和程序对信息进行收集、存储、传输、交换、处理的系统。

なお「安全」については、法令においては中国当局の公式英訳がその中身によってSafetyとSecurityの二つに分かれることが分かっており、下の通り、あえて訳すとするとSecurity(セキュリティ)となるということも分かります。この部分は難しい論点はさほどありません。

SafetyなのかSecurityなのか – セミナー資料より

その上で、今回は早い段階から所管部門は「Cybersecurity Law」を公式の英訳として使ってきました。また11月に開かれた関係者会合の中ではInternet にするかInformationにするかなどについても悩んだとの発言も聞かれました。ただ結論として仮想空間全般を対象とするものであるからCyberを用いたとのことです。

ここまでの段階で、インターネット安全法との訳が「やや法の意図する範囲とは異なる印象を与えてしまいかねない」と懸念することになります。

英訳から読み取れるのか

ところで、そもそも中国の法令の大半は「公式」英訳は出てくることがありません。それぞれの所管部門が参考英訳として配布することはありますが全体の数からすれば稀。国内に閉じた法令のケースではほぼ見たことがなく、何らかの外部サイトや中国メディアの英訳を参考にする必要があります。

辛うじて外部サイトの中でも使えるのは中国人大网(最近ほとんど更新されていないのですが)か北京大学のLawInfoChina。このオリジナル中国語版である北大法宝は登録しないとほぼ使えませんが、例えばサイバーセキュリティ法の英訳はLawInfoChinaであればこのようなかたちで表示されます。

訳語の二派

私自身は当初、上の日経の記事がSNSで多く拡散されていたことから、日経がインターネット安全法だと訳した起点なのではないかと考えていたものの、調べてみるとそのようではないことがわかりました。どうも公布の段階から「インターネット安全法」が多く採用されていたことがわかります。あれこれ書いても仕方がないので、各社がどのように訳しているかについて一覧を作りました。

メディア・事務所等 訳語の出現
アンダーソン・毛利・友常法律事務所 「ネット安全法」(CHINA LEGAL UPDATE, 2016年12月)
長島・大野・常松法律事務所 「インターネット安全法」(ニュースレター)
西村あさひ法律事務所 「インターネット安全法」(中国ニューズレター2017年2月号)
森・濱田松本法律事務所 「ネットワーク安全法」(中国最新法令-配布先限定, 2016年11月)
TMI総合法律事務所 「インターネット安全法」(TMI中国最新法令情報2016年11月号)
ジョーンズ・デイ法律事務所 「サイバーセキュリティ法」(ジョーンズ・デイ・ホワイトペーパー)
JETRO通商弘報 「インターネット安全法」(6月19日付通商弘報)
デロイトトーマツリスクサービス 「サイバーセキュリティ法」(上記本文のとおり)
日経ビジネスONLINE 「サイバーセキュリティ法」(福島香織氏執筆の記事)
CNN日本語版 「サイバーセキュリティ法」(6月2日付電子版)
みずほ銀行 「サイバーセキュリティ法」(みずほチャイナマンスリー2017年5月号)
三菱東京UFJ銀行 「サイバーセキュリティ法」(BTMU CHINA WEEKLY2017年4月12日号ではサイバーセキュリティ法のみ。2017年2月のBTMU 中国月報では括弧内でインターネット安全法とサイバーセキュリティ法を併記)
中国日本商会 「サイバーセキュリティ法」(和訳ドキュメント)

国内の主要な法律事務所の訳を比較してみたところ、「インターネット安全法」、「ネット安全法」、「ネットワーク安全法」の3つに分かれました(なお森・濱田松本法律事務所だけはWebで公開されている情報で記事等が見当たらずクライアント向けに配布されている資料を引用しています)。

ここで唯一「ネット安全法」と訳しているアンダーソン・毛利・友常法律事務所のレポートを読んでみると、おそらく法第2条、同第3条をサマライズしたと思われる箇所は「インターネット」と訳していて(原文は网络しか出てこず互联网の表現は出てきません)、どうも网络をインターネット寄りの読み方をされている様子があります。

本法は、中国国内におけるインターネットの設置、運用、使用等に関し、国家体制、社会体制等の維持を含む各種権益の保護及びインターネット関連技術の発展等を目的として制定された法令である。(※アンダーソン・毛利・友常法律事務所 CHINA LEGAL UPDATE 2016年12月16日号より引用)

対象範囲は何かで考える

「インターネット安全法」と訳された方の立場をとれば、この法律の対象は事実上「The Internet」だろうという考え方に寄られたものと考えます。その意見は私自身も同意で、ほぼ「検討すべき」対象は The Internet に集まっていることも事実です。

ただし、逆にThe Internet 以外のネットワークで何が具体的な対象になるかというと、金融機関同士の決済ネットワーク、企業等の拠点間の国際閉域網あるいはキャリアの国際通信網なども挙げられます。相対的にはThe Internet と比べてトラフィックや検討すべき課題は小さいものの、こうした「ネットワーク」も法は全て対象だといっているわけです。ですから「インターネット」ではその対象範囲が狭く受け取られかねない、「仮想空間」「Cyberspace」という、日本語にするとやや最近の日本では使わなくなった用語であるけれども、法の意図からすればそれが最も近いのではないかということを述べてきました。

本来は、网络と互联网の使い分けについて、他の中国の法令も例示した上で検討したエントリーを載せたい構想していたものの、やや時間切れであります。そうした話題はまた勉強会等ででも。

中国サイバーセキュリティ法に関するセミナーを開催しました

満員御礼

今日、第3回となる中国サイバーセキュリティ法セミナーを、当社、富士通クラウドテクノロジーズさん、中国電信日本さんの3社で開催しました。このテーマで4月から継続的に開催してきましたが、時間が経過するごとにお伝えしたい内容が増え続けています。特に今回は6月1日の施行後初ということもあり、施行後の状況を踏まえた内容をお話ししました。蒸し暑い東京の天気の中、会場が完全に満員になるお客様に来て頂きました。ご来場いだたいた皆様には深く感謝申し上げます。

特に今回は、未だ公表されていない個人情報の越境移転に関する弁法の内容について(パブコメ当時の草案しか公表されていない)、5月19日に国家互联网信息办公室(国家インターネット通信弁公室)主催のクローズドな会議の場で席上配布された修正稿(修改稿)をもとに、草案と修正稿との差についてご説明したほか、6月27日に公表された「国家ネットワークセキュリティインシデント危機管理計画」(国家网络安全事件应急预案)等を踏まえ、「重要データ」の範囲や実務レベルへの影響がどうなりそうかとの内容を中心にお話ししました。

個人情報・重要データの越境移転については日本企業としても関心が高く、質問をいただいた内容もより具体的な事業のお話しが増えてきていると実感しています。さらに、明日(7月5日)、USITOが北京で会合を開催するとの情報が入ってきていて、ここでも何らかのディスカッションがある見込みです。随時、セミナー等を通じてアップデートするつもりです。

地方開催やセミナー内容に関するご要望お待ちしています!

今までの3回は東京での開催でしたが、ご要望が多そうであれば東京以外の場所での開催も検討したいと考えているのと、セミナーの内容についてご興味がおありの方は、当社のクロスボーダービジネス部が窓口となりますので遠慮なくご連絡ください!

中国の空港等級 – 聯合航空で大連から南苑へ

初めての南苑空港

サマーダボスが終わり、木曜日夜に大連から北京に飛んできました。

今回のDestinationは、北京は北京でも初の「南苑」(北京南苑空港, ZBNY/NAY)。北京市内の北東部にある首都国際空港と違って市内中心部からみて南にある軍民共用の大変コンパクトな空港です。同じく南側にある大興区に新しい第二国際空港が建設中ですが、大興が出来ると南苑は民間用途はなくなる見込みです(大興は2018年に開港見込みでしたが、2019年7月が現在の予定です。そして閉鎖される可能性が従来は示唆されてましたが、どうも軍用で残すことになりそうです)。

その南苑、ベースにしているのは中国聨合航空(联航)だけで、737を中心に飛ばしています。人民解放軍が母体ですが、その後中国東方航空の100%子会社になり今はいわゆるLCC的な位置づけに。ミールやドリンクは全て有料ですが、その分チケットはお安く、本音をいえば中国の国内線で提供されるミールはあまり美味しいと私は感じられませんので、削られて安くなるならば喜んでです。

コンパクトで使いやすい

昨日は大連21:20発の予定が前便、前々便からの玉突きで1時間ぐらいの遅れ。

搭乗口の前の様子。遅れはじめると怒り出す人もいるが幸いにしてこの便は平和に。

離陸さえすれば真っ直ぐ渤海を西に進み天津あたりで方角を変えるだけ、そして大して混んでいる航路・時間帯でもありません。ブロックタイムが1時間20分だった分、定刻からは30分ぐらいの遅れですみました。

CAACの航路図より北京-大連あたりの航路

南苑空港にはPBBはなくターミナルからそのまま降りる搭乗口がありますが、このフライトでは沖止め。バスでターミナルビルに降ろされた後、数十メートル先にはバゲージクレーム。バゲージクレームは2レーンあり、もうその5メートル先は出口。出たら50メートルぐらいでタクシー乗り場。普段の首都国際空港、特にT3(ターミナル3)と比べると、なんともまぁコンパクトで素晴らしい空港なこと。やや難点は公共交通機関が限られており、バスで西単や南駅などに出るかタクシーかということになります。23時を過ぎてましたがバスはありました。

北京南苑空港の様子

北京南苑空港の到着ロビー

到着ロビーから外に出た様子。右側にタクシー乗り場の列が。

着いて少し空港を見てからタクシーに乗り込んだのですが、南苑空港から東三環の三元橋エリアの宿までジャスト30分。タクシー乗り場では、近くではなく北京中心部に行く場合には別に待っている運転手さんがいるので、去哪里と聞かれたら、東三環!とか北四環!とか言って、その方面のタクシーの運転手さんを見つけていきます。

真っ直ぐ北に上がり四環をまわってきましたが、これぐらいならば首都空港でタクシー乗り場で延々と待って20分ぐらいで着くなんていうよりずっと速いかもしれません。ビバ南苑。

中国には空港等級というものがあります

ところで、中国には空港の等級というものがあります。「ああ南苑? 4Cだね!」、、、とは使いませんが、覚えておくとどれぐらいの規模の空港かが分かって「私は」便利です。皆様が便利かどうかはわかりません。

すごく簡単にいうと、滑走路の長さと、滑走路や誘導路などの設備がどれぐらいの大型機に対応しているか(翼の先端の先にさらに余裕が必要です)という二つの基準でついています。この基準は中国民用航空局(CAAC)による「民用机场飞行区技术标准」(民用空港飛行区技術標準)で定められており、下の図のようになっています。数字と漢字なので中国語が読めない方でもイメージしていだたけるのではないかと。

中国における空港の等級。これを組み合わせて「4F」「4C」などという。

4FというとA380がいける、4EというとB747-8やB747-400、A340あたりの四発機がいける、という感じでイメージしてください。実際には滑走路の長さや幅だけでどの機体が降りれるというわけではありませんが。詳しく知りたい方はCAACのこのPDF(民用空港飛行区技術標準)を見ていただくと良いです。これを見てから中国の空港に行くと空港が100倍楽しくなりますよ! (私は。)

航空需要の増加に耐えられるのか

では、どれぐらい「4F」があるかというと、香港をいれて18(香港をいれて桃園をいれないのは何も言わずにじっとしています)、そしてあと12の空港が拡張または建設中だということです。知らなかった…。

では4Eや4Cはというと、もう「4」がつく空港はありすぎて数を計算しているのが大変面倒になり、世界のWikipedia、中国の百度百科、ということで百度百科に書いてある数字をコピペします。それによると「4E级机场25个、4D级机场35个、4C级机场58个」だそうです。4Cあたりになると行ったことがある空港は僅か一つしかありません(延吉)。

2030年までには世界最大の航空市場となる中国。様々な予測が複数の角度から出ており、それぞれの数字はかけ離れいてますが、あと20年で約3000機必要だという話があったり約6000機が必要だといっていたりします(Boeingの予測など)。もっとも、大きな方向性には間違いはありません。国土の広さ、人の多さからすれば、航空機はさらに日常的に使われることになります。この10年でも十分に中国は変化しました。次の10年ではさらに劇的な変化でしょう。しかし、こうした予測をもとに考慮したとき、中国の管制システムや航路・空域、セパレーション、そもそもパイロットの数などが追いつくのかという課題が指摘されています。

大きな空港も決して嫌いではありませんが、出張で飛ぶ身としては着陸してから外に出るまでの時間の効率も重要。大興の出来に期待します。

「全ての人はセンサーに、アクチュエーターになった」- Mobikeと大連で出会った話

サマーダボス参加のため大連へ

大連で開催されていたサマーダボスに参加してきました。World Economic Forum(世界経済会議)の主催で、冬のダボス会議はスイスのダボス、夏は天津と大連で隔年で交互に開催されています。計3日間、普段接しないテーマにも積極的に関わってみました。

大連はクララオンラインが2006年に中国に初めてランディングした地であり、その時のなんとも言えぬ苦しかった記憶が色々と思い出されます。ただ、あの時代があったからこそ中国の仕事を続けられています。ありがとう大連。ちなみに当時の夏徳仁市長に会場でお会いしました。

大連にシェアバイク

ところでいきなり話は変わりますが、いま中国中に普及しているシェアバイク(乗り捨てOKの自転車)、実は大連には存在していませんでした。二級都市どころか三級都市にまで各社が面を取りにいっています。Mobikeは500万台以上を中国で投下しています。今までの中国での年間の生産量はどれぐらいだったんでしょう。。いずれにしても、隣の旅順にはあったものの、この規模の都市にしては珍しく大連は空白地帯でした。

その大連に、どうやらサマーダボスにあわせてか、いまから4日前、Mobikeとofoの上位2社が自転車を「投下」したのです。しかもごく僅かな台数。私は大連に着いた一昨日の時点ではこの話を知らず、空港からの道で、ofoの黄色い自転車を一台だけ見つけ、「あれ、なぜここにあるんだ」と思ったわけですが、どうせ誰かが遠くから持ってきたんだろうぐらいにしか感じなかったわけです。

ところが微博(Weibo)を見ていると大連人がMobikeやofoを見つけている投稿が。おおっと思い、初日の夜にパーティを終えてその足で宿のまわりを探します。Mobikeは自転車に内蔵されているGPSと通信機器で位置情報をアプリ上に示してくれるのですが、大連全体でも空いているのは数台。ofoに至ってはそもそも位置情報が大連の中で見つかりません(結局、今日に至るまで一台もofoは表示されませんでした)。

なかなか出会えぬ

初日にようやくの思いで見つけたMobikeは、タッチの差で別の人に乗られてしまい(Mobikeは予約を15分間だけ出来るのですが、探している間に予約が切れ、次の予約をいれる間に次の人にとられてしまいました)残念。もう一台を見つけに歩きましたが、GPSで示される位置にはありませんでした。

そして次の日。セッションの合間に中山広場方面にタクシーで移動し、その車中からofoを一台見つけました。「やったー」と興奮してタクシーを降り、まずは写真を撮って、と興奮したわけです。個人的にはofoの「黄色のデザイン」がすきなのです。さぁ、と解錠して漕ごうとしたら、スカッと。ほんと、スカッと。

なんだと思ったら、チェーンがない!!! ofo。。。悲しいofo。。。この時点でこの自転車は大連に投下されてから僅か2日の命だったわけです。悲しすぎました。

出会えたMobike。

そしてその夜。つまり昨日(6月30日)。もう諦めきれません。夜はパーティとイベントを4つ駆け足で回ったあと、アプリでMobikeの位置を探します。宿の近くにMobikeが2台いそうなのは分かりました。しかし、明らかに位置情報が「建物の中」。とはいえ位置情報がズレているのかもと思い行ってみましたが、どうも本当に「建物の中」に持っていかれてしまっていたようです。(周辺をそれぞれ二周しました…)

それでも諦められぬ私。なぜにここまで捜し求めるのかは私も良く分かりません。アプリで次に近い自転車を探すと、労働公園の中。公園の中。。。公園といっても中国の「公園」はデカイわけです。大連をご存知の方であれば規模がわかると思いますが、そこそこの広さです。タクシーに乗って労働公園を目指してもらい(夜もそこそこの時間なのでタクシーの運転手さんからは怪しさ満点。外国人が一人夜遅くに公園に行くってね…)、着く直前あたりで予約いれ、他の人に取られないようにブロックします。心の中では「誰だよ労働公園のど真ん中に置いたのは!」と叫んでいるわけですが、ここで会えなければ叶わぬ恋だと思い諦めようとも覚悟します。

そ、し、て。

出会えました! Mobike in Dalian!

Mobikeは駆動がチェーン式ではないので上にあるようなofoのようにチェーンがとられている心配もありません。予約しているとサドル下のLEDが青く光っており、まさにワタクシを待っていただいておりました。ありがとう、君に会いたかった。。

ルンルンで走ります。自分でも何が嬉しいのかもはやわかりません。一方で大連は坂道が多いので、そこそこ良い運動です。

ま、ここから先はどうでもいいのですが、満州時代の旧ヤマトホテルの前まで走り、記念に一枚。十分にこれで満足したので、邪魔にならなさそうなところまで移動し、気持ちよく乗り捨て参りました。

センサーであり、アクチュエーターに

さて、冒頭にこの見出しを書きました。私の言葉ではなく、サマーダボスの金融のセッションに参加したときに登壇者の一人が言った言葉です。シェアバイクに紐づけた話ではありませんでしたが、FinTechの流れで「全ての人はセンサーになった。アクチュエーターになった。」という表現をされました。センサー化という表現まではIoTでは当たり前に言われていることで理解していたつもりです。ただ、アクチュエーターでもあるということに衝撃を受けました。

シェアバイクはまさにセンサーです。自転車を使っているように見えますが、一方で人の流れが極めて広範囲に捕捉できています。何せ中国ではMobikeだけで一日2500万利用、ofoも1000万利用を超えています。一日あたりです。今まで携帯電話単位の位置情報は通信事業者(キャリア)は持っていますが、それをどう使うか/使えるかについては積極的なものは見当たりません。ところがシェアバイクユーザは、解錠してから施錠するまでの利用中、スマホの位置情報がずっと飛んでいます。誰がいつどこへ、というよりも、もっと俯瞰的に見て人はどの時間帯にどう移動しているのかがデータ化できているわけです。実際Mobikeは北京の行政機関などと共にこの研究を始めているとも聞きます。

一方、エネルギーが物理的運動になるという意味で、まさにアクチュエーターでもあるとの指摘はまさにシェアバイクのビジネスにも的確に当てはまります。人のセンサー化、アクチュエーター化は、まったく新しい世界が見えるとの可能性を強く感じました。余談ですが、3日間、ひたすら様々なセッションと聞きましたが、ITやコンテンツのセッションよりも総じてこの金融のセッションがもっとも刺激的でした。

日本にMobikeが来るとの報道

先日、Mobikeが福岡と札幌で準備を始めているという発表がありました。素晴らしいことです。中国で出始めた頃に「どうすれば日本でこれが出来るか」といろんな人に議論を持ちかけました。しかし放置自転車や、そもそも自転車が車道を走るマナーなどの日本での状況を考えると容易ではないので、やるなら地方だねという結論だったわけです。東京は坂も多いし(以前の記事にあるように上海には電動アシストもあります)。

日本で中国ほどの台数を投下するつもりは今のところなさそうですが、大手スーパーで1万円前後で売られているママチャリが、買ってしばらくしたら盗まれたり、放置自転車置き場に山積みになるより(我が家の半径1キロには大きな置き場が2つもあり、いつも一杯。)、私はずっとこういったサービスの方が合理的だという考え方です。1万円ぐらいだと盗まれても仕方ないと思ってしまう感覚もありそうです。我が家には電動アシストが2台ありますが、家-どこか、という移動でなく、出先での移動であれば大いに使うでしょう。初乗りを値下げしたかに見えて決して安くなっていないタクシーよりも。

本当はものすごくこのビジネスを中国から日本に持ち込んでみたかったというのが本音です。今でも何か手伝いたい。やや感傷的になっている節もありますが、登場して1年と少しの間、とにかく外国人が乗れるサービスは乗りまくってきました。中国の社会がここまで一年で変わる姿を見て、日本では感じられないパワーを味わっています。さぁ、私もまた今回の大連でエネルギーをもらいました。アクチュエーターというヒントをもらって、また明日からカラダと頭をきちんと動かしてみます。

そうそう、ちょっと気になっているところとしては、改正測絵法(測量法)が7月1日に施行されるわけですが、年々厳しくなる地図まわり。個人のスマホは除外としても、Mobikeに搭載されているGPSはどのような扱いなのでしょう。