オピニオン: 資格外活動許可下における複数のアルバイト先での時間管理

複数のアルバイト先での28時間ルール超過時の企業側の責任

今回は、入管法第19条での「28時間ルール」に関連し、外国人留学生が複数のアルバイト先で勤務する際の勤務時間超過問題について、法が雇用主の責任を求めるならば何らか雇用主に対して把握方法を提供するべきではないかとの点を照準とした一意見を書くことにします。不法就労助長罪についてはオーバーステイや風俗業絡みの判例が中心で、今回指摘したい「資格外活動許可を得ている外国人留学生が2以上のアルバイト先で勤務していたが、この勤務時間は合計すると恒常的に28時間を超過していた」ことにつき、これだけを取り上げて雇用主側の責任を追及した判例は見当たりません。(収録されていないだけだというご指摘があればぜひお願いいたします。あて先は kentaro [at] iemoto.com です。)

しかしわが国の実態はまさにこれです。28時間ルールを十分に理解している雇用主・外国人留学生が多くいることも承知していますが、他方でアルバイトの掛け持ちによって28時間ルールがうやむやになっているケースも多くあります。なぜならば、外国人留学生本人から勤務時間について積極的に申告を得ない限り、雇用主側に把握する手段が存在しないためです。また雇用主側が真実性を確認する手段も存在しません。

外国人留学生をさらに増やしていきたいとする30万人計画の存在(あの計画の着地と評価をどうするかは別としても)と同時に、働き手として一定程度外国人留学生に依存している現場もある中、28時間ルールの本質である「留学は勉学が本分」という趣旨については何ら反対しません。また不法就労助長罪の存在に対する批判もありません。ましてや、複数先での28時間ルールの超過により雇用主側が摘発される事案は無いのだから「ルールは無視してよい」というつもりもありません。一方で、国費留学生は原則NGがあるため別だとしても、留学での生計を維持するためにアルバイトをする必要があったり、アルバイトをすること自体で日本で学ぶことにプラスになったりする点も当然あります。よって私自身は資格外活動許可の制度をもつわが国の制度自体に対しては評価をしています。

ところが、いざアルバイトで働く際、この28時間は複数先での合算であることについての理解は高いといえません。働き始める際にはパスポートや資格外活動許可証の確認、本人からの(就業開始時に他のアルバイト先の有無について)聞き取りをするにしても、それが適切であったと後から立証するのは容易ではありませんし、勤務時間など変動して当然。よって、雇用主側に対して勤務時間を登録・照会する何らかの手段を用意するなど、雇用主側の「努力」に依存しない手段の提供を期待するものです。

なお、これらの目的は「正しく日本でアルバイトをする外国人留学生」と「正しく外国人留学生を雇う雇用主」がバカを見ないようにすることである点は、当然ながらも添えておきます。

入管法における資格外活動許可

入管法は、外国人留学生が日本でアルバイト等を行う場合に資格外活動許可を得ることを義務付け、さらに資格外活動は原則として週28時間以内(いわゆる夏休み等は1日8時間以内)としています(入管法第19条)。この際、既出のとおり勤務時間の制限は複数先で合算です。

どのように一般に周知されているかについて調べてみると、例えばここ東京都では「外国人在留マニュアル」が発行されており、英語以外に11の言語で同一の内容が作られています。そしてこのマニュアルには「合算ですよ」と明文化されています。

東京都の発行する「外国人在留マニュアル」

週28時間の制限は合算であることが明記されているものの…。

ただし、雇用主を指定する個別許可として「(1)活動の目的が本邦留学中の学費等の必要経費を補うものであること,(2)申請に係る活動が語学教師,通訳,翻訳,家庭教師等,申請者の専攻科目と密接な関係のある職種又は社会通念上学生が通常行っているアルバイトの範囲内にある職種であること」(国家戦略特区等提案検討要請回答より)が認められる場合には28時間ルールを超える許可を行うことがあるとしています。すなわち、全てが28時間ルールであるわけではありません。もっとも、一般的に企業や店舗等でのアルバイトの場合には包括許可での28時間ルール以外を見ることはほぼないでしょう。

28時間を超過しているかはどのように把握できるのか

ところが、冒頭に書いたように、雇用主は「複数でアルバイトをしているのか」「その合計が週28時間を超過してるいのか」を把握する手段がありません。また勤務時間の実態を入管等に報告する義務もありません。よって入管に電話して「この人は複数でアルバイトをしていますか」と聞いても(おそらく)わかりません。

以前の私のblogでも、本人の申告以外に28時間オーバーを把握する手段が無いことを書きました。また、今まで17-18年ほど外国籍従業員と一緒に働きた中では正社員以外にアルバイト・インターンの存在も多くいましたが、一度も28時間ルールについて「超えています」と言われたことはありませんでした。(違法なブローカーの存在を感じさせるオーバーステイ

本人に「28時間を超えることはできませんよ。ただし夏休み等は別です。」「複数での合計ですよ。」という注意はできます。します。しかし、継続的にフォローすることは困難ですし、真実性を確認する方法はありません。毎月、報させますか・しますか、という話です。

外国人の日本での就労時の報告制度

では、外国人が日本で就労する場合にはどのような報告制度があるのでしょうか。実は大きく分けて二つあります。一つは入管法による届出、もう一つは雇用対策法による届出です。わかり難いのですが、ハローワークに届出が義務付けられている者、すなわち企業等の事業主は雇用対策法での外国人雇用状況届出を行えということになっています。一方、その対象ではない、たとえば学術機関等での雇用の場合には入管に届け出ろということになっています。よってどちらか、です。

努力義務である入管法の受入・企業側の登録

このうち入管法では、中長期在留者の関係先(受け入れた企業などの雇用主。労働関係に限らない。)は外国人の受入れの開始・終了時点で届け出を行うこととされています(入管法第19条の16及び17)。ただし雇用主に対しては努力義務、です。また資格外活動許可の包括許可によるアルバイト先については対象ではありません。アルバイトについてはハローワークで届け出ることになっているからです(建てつけ上)。

なお2013年から「入国管理局電子届出システム」が稼動しており紙での報告ではなくなっていますが、届出されている数と対象の在留許可数の差はどの程度なのかを知りたいところです。この統計は見当たりませんでした。

雇用対策法での外国人雇用状況届出は義務化されているが…

一方、厚生労働省所管の雇用対策法では、2007年10月の改正で外国人雇用状況の届出が義務化されています。こちらは義務で罰則規定も存在します。全ての雇用主に対して採用時と退職時に報告しろということになっており、留学生が行うアルバイトも対象であると明確化されています。正採用の場合には雇用保険の被保険者とることでいずれにしても把握ができるわけですが、雇用保険の被保険者とならない外国人の場合に対しては外国人雇用状況届出書を所轄のハローワークに出すことが義務付けられているのです(雇用対策法第28条第1項及び附則第2条第1項)。

法務省と厚生労働省とそれぞれ所管が異なりますが、とにかく企業等の事業主の場合にはまずは雇用対策法での届出を行え、これは行わなければ罰則があるぞ、とし、対象ではない職種の人には入管の仕組みで届出をしてね、しかしこちらは努力義務、ということになります。もっとも、全ての事業主が届け出ているかは不明です。特に正採用ではなく、かつ雇用保険の対象ではない場合、相当数が抜け落ちている可能性があります。在留許可数との乖離は改めて調べてみることにします。

いずれにしても、雇用保険の被保険者とならないケースでどの程度届出がなされているのでしょうか。

逸脱方法はいくらでもある中、どうすればよいのか

わが国における留学生に対する「週28時間ルール」は、たとえばアメリカへの留学生の状況からするとルール上は緩めであるともいえます。包括許可ですから禁止業種以外はどこでも働くことができるわけです。

しかしその厳しいアメリカでさえも、あるいはその他の国であったとしても、さらに日本であったとしても、逸脱方法はいくらでも存在します。たとえば日本では、現金手渡し、単価書き換え(8時間働いても短く働いたことにし、しかし時間給を上げる)、複数先での勤務を意図的に把握しない、などです。似たような話はどこの国にいってもあります。アメリカでの留学中のアルバイトについて検索してみると、キャンパス内の20時間以内の労働(日本でも大学でTA・RA・SAをすることは除外)を紹介するページもあるものの、似たようにスレスレ or アウトの話を紹介しているページも多く見つかります。

そのような中でたとえば雇用主に「外国人のアルバイトを雇ったらパスポート情報と一ヶ月あたりの勤務時間を申告してね」とシステム化をしたところで、誰がまじめにやるのでしょう。コンプライアンスにうるさい日本の大企業であったとしても、フランチャイズの先の店舗の状況を細かく把握できているとは思えません。かといって、雇用主側の管理義務を無くすわけにはいきません。おそらく、入管法第19条の企業側のジレンマはこのあたりがポイントです。

結局、このままではザルになる。

さて、そろそろ結論に行き着く必要があります。

ここまで見た中では、届出義務は「その人が働きはじめたか、辞めたか」です。勤務時間は管理されていません。ましてやアルバイトの場合には雇用保険との兼ね合いでさらに不透明です。雇用主からすれば不法就労助長罪への抵触を回避するために旅券や在留資格、在留カードの確認などを怠らないようにし、かつ「あなたは複数先で合計28時間以上は働くことはできませんよ」と伝えればここまでで終わりです。仮に知ってしまった場合にはいずれかの勤務時間を減らすよう努力すべきですが、雇用主が出来ることは現実的にここまでです。

冒頭に書いたように、ただでさえアルバイトの働き手確保も厳しい時代です。28時間枠を拡大するのは「勉学が本分」という点から外れるため無いとして、逆に合計28時間ルールを1雇用主あたり21時間ルール(7h x 3days)とし、その管理を厳格化するのはどうかとの意見も近くではありましたが私は反対です。そうすると21時間を超えて働きたい留学生は掛け持ちをするだけです。

他方で、「外国人を雇ったら毎月勤務時間を報告せよ。報告していない状況を見つけたらペナルティ(次の雇用ができなくなるなど)を課す。臨検も頻繁にする。」といった厳格型管理手法も行政効率は高くありません。あまり言いたくはありませんが、国全体としてもこの労働市場環境で「合計週28時間ルール」の厳格運用が果たして出来るのかが疑問です。働き方改革では労働時間の話がここまで注目されましたが、「留学生」の「働き方」についてはメスが入る様相はないままです

在留カードにデータは書き込めるのか

ところで、外国籍の方が日本に3ヶ月以上滞在する場合には必ず在留カードを持っていることになっています。そしてこの在留カードのICチップに含まれているデータ仕様は公開されています。従って包括許可の有無以外に包括許可による雇用の有無について在留カードに書き込むことが出来れば雇用主の有無や雇用主情報を持つことができ、活用できる可能性があるのではないかと考えました。

よってデータの仕様を確認しましたが、包括許可または個別許可の有無については含まれているものの、現に雇用されているかどうかの情報を格納するファイル構造は確認出来ませんでした。ICに載っている情報の合計バイト数は手元で計算すると12,070byteのため、データの空き容量からすれば技術的には不可能ではなさそうです。もっとも、読み取りは出来ても書き込みを一般に何らか許可させられるか、そしてカードリーダーではなくライターを広く配布できるかというとこの案はあまり現実的ではありません。カード単体で対応することは今のところは難しそうです。

在留カード等読取り仕様書(一般公開用)

私の提案は「他の雇用主の有無を照会できる」システム

この上で、私個人の意見としては、(統計上およそ21万人いるとされる)資格外活動許可によるアルバイトに対しては、在留カードの番号をもとにして雇用主が外国人雇用状況届出書により雇入れ・離職について届けた情報を第三者の雇用主が照会できる仕組みを設けるべきであると考えています。在留カードの番号の検索によって他の雇用主が重なっていないかを把握できればよいでしょう(システム上の表示はありなしでよい)。そして雇用保険の被保険者であれば除外しても差し支えないわけですから、対象者はこのように限定することができます。雇用対策法の改正等によらずとも実現できる可能性があると考えます。

毎月勤務時間を登録しろとすることは現実的ではありません。しかし、他の雇用主が、目の前のアルバイト候補者を現に雇っているかどうかが把握できるだけでも、合計週28時間ルールに抵触する可能性があるかを一次的に確認することができます。今はこれが無いために本人の自己申告に拠っているのです。複数でアルバイトをしていてもよいのです。ただし、複数でアルバイトをしている場合には雇用主は注意を促すことができ、また行政側は届出前の照会の有無についても把握できます。個人情報保護の観点や趣旨からすれば、姓名等についての情報を確認する必要はなく(旅券でよい)、あくまで他の雇用主の有無に絞ることにこの提案の意義があります。

私の提案は以下の図のとおりです。図では簡略化するため2社めで照会していますが、そもそも外国人留学生のアルバイトを採用する場合には照会することを義務付け、資格外活動許可の有効性の確認と共に、他の雇用主の有無を確認ができるだけでも「うちの会社だけで週28時間を使い切るわけではない可能性があるから注意しなければいけないな」となると考えます。

資格外活動許可の照会システムの私案です。

資格外活動許可の照会システム(私案)。番号入力で現雇用先の有無が確認できるだけでも注意喚起の効果がある可能性。

週28時間ルールでさえ守っていない雇用主がいるのに届出などするか! との批判があれば、それはそのとおりです。しかし、正しく雇いたいと考えている企業にとって何ら手段が用意されないままであることは困ります。雇用主が責任を負うべき体制にするためにも、留学生のアルバイトの働き方を守るためにも、また留学の実態がない留学生に対して適切な対応をとるためにも、です。不透明な届出は検査すればよく、あくまで性善説によるべきで、働く現場が容易に届けられる仕組みを確保することが求められます。

FlowerJapan 2016 – ビジネスリーダーたちのいけばな展

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明日11月25日と26日、銀座のポーラミュージアムアネックスで開催される「FlowerJapan 2016 – ビジネスリーダーたちのいけばな展」に初めて出展しております(会期は28日までですが、私は前期の二日間に出ています)。銀座でブラブラする予定があるぜという方はぜひお立ち寄りください。

http://www.flowerjapan.jp/exhibition.html

いけばな、という世界に今回初めて触れました。まわりの経営者の方からお誘いをいただき、そして草月流の州村衛香先生に出会い、もともと植物に触れるのは嫌いではありませんでしたが、経営といけばなは通ずるところがあると知って思いきってチャレンジしました。

いけばな、は大切な日本の文化。そしてもともと男性の文化でもある。そう教えていただいて挑んでみたのですが、レッスンの時間が足りなくてもっと触っていたい!と思うほどのめり込んでしまいました。またレッスンを通じてさまざまなお仕事をされている先輩の経営者の皆さんに出会い、新たな視点をたくさん頂きました。

私のお題は「飛び出せ」です。

パラリンピック – 車椅子バスケットボール

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パラリンピックに来ています。カナダ対アルジェリア、ドイツ対スペインの2戦をまず見てきました。初日からパラの国際試合のレベルの高さに大興奮しています。

今回のパラリンピックの視察の目的は、一市民、一観客の視点に立ったときに次の東京大会に何ができるかを考えること、そしてパラリンピックの試合を観客席から見ることで、なにを観客の人が、あるいはホストしている都市が受け取れるのかを考えることの二つにあります。そのために出来るだけ移動も公共交通機関を使ってみてリオの街を感じるつもりでいます。初日からいろいろと感じることがあり、これはいつか東京に向けた提言としてとりまとめみようという気に早速なっていますが、まずは今日のフォトレポートから。

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円陣を組んでいるときにも観客席から大きな声援が飛んでいました。

円陣を組んでいるときにも観客席から大きな声援が飛んでいました。

けん制しあうドイツの選手

けん制しあうドイツの選手

競技用の車椅子がぶつかりあう音。戦いの音、という感じです。

競技用の車椅子がぶつかりあう音。戦いの音、という感じです。

車椅子のカメラマン、初めてみました。気持ちのいいカメラマンで、観客を随所で盛り上げています。

車椅子のカメラマン、初めてみました。気持ちのいいカメラマンで、観客を随所で盛り上げています。

家本的朝食ミーティング(Power breakfast)のすすめ

この2年ぐらい、社内外の会食の時間を極力朝食ミーティングにシフトするようにしています。特に打ち合わせを兼ねたコミュニケーションの場合には8時から1時間、長くても1時間半ぐらいの時間を活用するようにしています。

家本が思う朝食ミーティングのよいところ

まずは、日程調整が意外と難しくないこと。夜の会食となるとお互いの日にちが合わなくて先になってしまうこともままあるものの、朝食を兼ねてとなると比較的スロットが双方調整しやすいといえます。

次は時間対比での中身の濃さ。これは他の経営者の方で朝食を兼ねたミーティングを好まれる方からも共通した話が聞こえてきますが、多くは朝一番でなんらかの予定が皆さん入っていることもあり、お酒を飲んでダラダラと2時間3時間というペースにはなりません。

3点めはコストパフォーマンス(これ書いていいのかどうか少し迷いましたが)。冷静に考えると夜の会食よりぐっとお得です。場所はいろいろで、私の場合にはオフィスの近くの素敵なパン屋さん(Le Pain Quotidien芝公園店)もよく使いますが、先方の移動のご都合などによってはホテルの朝食も活用します。このLe Pain Quotidienであれば好きなパンをとって飲み物、であっても1人1,500円程度。ホテルのビュッフェを活用すると、パレスホテル(平日のみ。土日などは外来はNGになっています)でも3,900円。帝国ホテルは3,800円。京王プラザは3,000円。ウェスティンで3,200円。ホテルなのでそれぞれ消費税とサービス料がありますが。食材も味も調理もしっかりしたものを朝から食べられる満足感は、(毎日だと飽きるでしょうが)お互い真剣に話すときに活用するのには優れたコストパフォーマンスだと思います。お酒飲んだらあっという間にこの額では収まらないですからね..
※ホテルの朝食ビュッフェのようにたくさん食べられないよという方にはアラカルトで選べるかどうかも確認が必要ですが、概ねどこでも揃っています。

スターバックスなどのコーヒーショップでの朝食も。1時間以内に終わりそうなトピックを議論したい場合にはパンとコーヒーでさっと、ということも出来ます。(コーヒーが苦手そうな人を誘うのはもちろんNG)

場所の選び方

先方のご都合や次の移動先、場合によってはご自宅の方面を考えながらチョイスします。あとは、話しやすいかどうか。こればかりは複数回通わないとわかりません。いろいろと経験してみるところからでしょう。朝食は予約がとれないことがほとんどなので、予定する時間帯によってスムースに外来でも入れるのかどうかはアタリをつけておく必要もあります。

ホテルなのかカフェなのかはTPOにあわせつつ、やはり場所優先で考えると選択肢は絞られてきます。

最後。サービスのレベル。朝から何かサービスで残念なことがあると会食の場の双方の空気が一日重くなります。ホテルだから良い悪いということはなくほぼ相性の世界。あるカフェは、もともとは店員さんの雰囲気がとても良かったのものの人が入れ替わってしまい、最近足が遠のいています。サービスレベルは一度いけばわかると思いますが、私の重視ポイントはお店の雰囲気や店員さんとの相性。概ね少し早めに着くことが多いので、少し会話してみてノリが良さそうだとお気に入りリストにいれています。

そういう本日も朝食ミーティング! これからオフィスに向かいます。

東京防災救急協会の普通救命講習

東京防災救急協会の普通救命講習に参加してきました。3時間で人工呼吸、AEDの使い方、窒息の手当などを学ぶことができます。少し前に日本赤十字の救急法を学んだばかりですのでおさらいの意味合いもありましたが、両方うける意味合いとおすすめの順序を書いておきます。

両方をうける意味合い

まず、講習の基本となるガイドライン(JRC)は同じものですので、基本はすべて同じです。ただ、赤十字の講習は6時間、消防での講習は3時間(AEDの業務従事者を含める場合には4時間)と倍の時間の違いがあり、細かい説明はどうしても消防の講習では省略されてしまいます。

救命講習を受けることにより、AEDを使うまたは人工呼吸をしなければならない場面に遭遇したときに少しでも役に立ちたい!と思う人の中でも、両方あわせて9時間の時間を確保するのは容易ではないかもしれません。また、そのモチベーションも沸きにくいかもしれません。

どちらか一つしか、という場合には、率直には赤十字の講習をおすすめします。やはり密度が違います。仕事上などの理由で消防の講習を受けなければならないという場合以外で、きちんと基礎的なことを抑えようと思うと、二つを両方受けた個人的な意見としては密度が濃い方がイザというときには良いだろうと感じます。

一方、両方受ける意味合いはありました。一度受けた講習の中身はその時には記憶に残りますが、少しでも時間があけば忘れてしまいます。消防も赤十字も期限内に再講習を受けることができるコースが用意されていますが、学んだすぐあとに改めておさらいする意味合いは大きいと感じました。講習の際、初めてではない、という安心感もあるように思います。

おすすめの順序

赤十字→消防、です。赤十字の6時間で「みっちりと」(私の場合、本当にみっちりと、でした。通しで周囲の安全確認から救急隊への引渡しまでをソラで覚えるのは緊張です)やり、そのあとにフォローアップ的に消防の普通救命講習を受けるのがおすすめです。

ところで興味深かったことはそれぞれの指導員のご経験です。ガイドラインには沿っているものの、指導員の方の経験の違いが感じられました。私の場合、赤十字ではおそらく看護師資格をお持ちの方、消防の場合にはもともと救急隊だった方(話の中から何度も「現役のときには」という会話が出てきました)が指導員の中にいらっしゃいました。目線の違いによって実践的な指導が少しずつ違いが生まれます。これを両方聞けることで幅が広がるような気がします。

二つを終えて

次に受けたいのは上級救命講習へのステップアップと、赤十字の救急員養成講習です。ただ前者はなかなか機会がなく(地元の消防署だと来年の5月が最短…もっと早くに気づけばよかった!)、後者は丸2日間。

それから、AEDの設置をどうするかですね。当社のビルの一階にはAEDが設置されていますが、今回2つの講習を受けて気づいたことは、当社がある10階から1階までとりに行く時間はかなりのロスがあるということ。せめて上下のフロアの中で一つはないとAED開始までの時間が足りないとも思いました。考えなきゃな…。

救急法講習

日本赤十字社の救急法講習に参加しました。

先日署活系の無線から流れてきたのは高齢の方が自宅で倒れての通報。自宅近くの消防署には救急小隊が2隊、つまり2台の救急車がいますがこの時はいずれも出動中。東京消防庁はPA連携といって救急の場合でもポンプ小隊が同時に出動することをしています。この出動ではポンプ隊が先着、そして聞きなれない呼び出しだなと思ったらかなり遠い距離にある別の救急隊が(出動の帰りである可能性もあると思います)到着。大事には至らない出動だったようですが、東京都内の救急車はわずかに約330台(第67回東京消防庁統計書, 平成27年度分)。これに対して年間の出動件数は約75万件(同)。夏になれば熱中症での出動も多く、救急車が都心でもすぐに来れないことはあり得ます。

防災に一市民として持たねばと思い始めてますが、大地震のように生きている間に一度あるかないかのことへの対策だけでなく、街で倒れている人を見かけたときに何ができるのか、突然目の前の人が倒れたときに何ができるのかということも一市民として知っておきたいと考えています。そのためも最低限の知識をもっていなければなりません。防災にも少しでも役に立ちたいという思いもあり、今年地元の消防団にも入団しました。

最近、私のかばんの中には必ずキューマスク(人工呼吸用のマスク)とゴム手袋、ホイッスル、小型のペンライトをいれるようにしています。日本赤十字社の講習や消防の救命講習は実は手軽に受けることができます。講習を受けた者として、これは多くの人が知っておくべきだと改めて感じたところなのでご紹介します。

東京消防庁の救命講習の案内
日本赤十字社東京都支部の救急法の講習案内

違法なブローカーの存在を感じさせるオーバーステイ

あるタイ人の裁判の例

ある裁判(東京地裁)でこのようなケースがありました。起訴されたのはタイ人男性で、4年超の不法残留(オーバーステイ)で出入国管理及び難民認定法違反で逮捕、起訴されました。本人が起訴事実を認めて反省しており弁護側も異議はなく、かつ本人は帰国する意思を示していることから裁判自体は即決裁判が行われ、懲役2年、執行猶予3年が言い渡されました。控訴しなければこのまま入国管理局に収容されたあと、退去強制となります。(執行猶予期間中に日本に来ないこと、または日本に正規の手段で入国しても他の事件を起こして実刑判決が言い渡されることがなければ当然刑務所に行くことはありません。国に戻ることになるだけのため、この手の裁判では起訴事実を全面的に争うことは少ないといえます。)

ちなみにこの裁判でも本人はもともとあと3ヶ月程度で帰国するつもりだったと証言していますが、戻る意思はなく日本に居続けるつもりだったと言うよりも、稼いだら戻るつもりだったとすることが多いようです。いざ帰国する段になったときには出国命令制度を利用して帰国するなどを考えていたのでしょうか。

被告の男性は水道工事の配管工をしながら日本で暮らし、給与のうち約半額をタイに仕送りしていたとのこと。タイには内縁の妻と子がおり、今後は「年齢も高いので人生の終わりに向けて」彼女らと農業をして暮らしていくということです。日本では概ね夜8時から朝5時まで働き、20万円程度の月収があったが、タイに戻ると農業では2000バーツ(約7千円)になるということでした。

二度目のオーバーステイだった

最初は単なるオーバーステイで逮捕されたのかと思いきや、4年のオーバーステイで日本語が生活するに最低限必要な程度は話せる(日本語で住所を番地から逆に話していたのにはやや驚き、日本の生活にそこまで馴染んでいなかったのではないかとも感じさせられました。)のはすごいなと思ったところ、オーバーステイは二度目。前回は約19年間のオーバーステイで摘発されたとのこと。本人は前回が何年のオーバーステイだったかを明確には記憶していない様子で、検察官から「20年近くでしょう」と言われて「はい」と答えていました。

ああ、これだけ日本社会にいれば日本語も出来るようになるのだろうな、と思いつつも、オーバーステイの状態では相当に不自由だったはずで、いったいこの人はどのように日々の生活を送っていたのだろうかとも感じました。

おそらくはブローカーの存在

その上で、改めてここに今のオーバーステイの一つの実態があると感じたのは、おそらくは裏側に違法なブローカーの存在があったであろうということです。男性はオーバーステイ前の日本での在留資格は「永住者の配偶者等」だったが、その配偶者、即ち婚姻届を出している法的な妻は所在がわからないとのこと。その配偶者の所在がつかめないために在留特別許可の申請が許可されなかった→オーバーステイで居続けた、となったといいます。

所在が分からないのは当然で、法律上の配偶者である永住者はおそらく偽装のための存在でしかなく、本人にとって活動に制限がほぼないこの在留資格が得られればそこで終わります。裁判内では在留資格の取得については触れられていないためあくまで個人的な推測ですが、典型的なパターンでもあり、また本人はこうした背景は概ね理解していたことでしょう。

近年の不法残留の問題として相変わらず残り続けるこのような方法につき、入国管理局は結婚の実態を確認するプロセスを採るなどしているとしていますが、当然「本当の」婚姻関係に基づいて在留資格を申請する人も多くいるわけであり、しかも男女の婚姻関係には様々なパターンがありますから一概にこのかたちでなければならないということも出来ないかもしれません。

雇う側の意識。雇う側があるから無くならない。

このような裁判を見ると、本人やブローカーの責任はもちろんのことですが、もう片方、即ち「雇う側の意識」にいつも疑問が生じます。外国籍である者を採用するには旅券又は在留カード等により、「在留資格」「在留期間」「在留期限」を確認することが必要です。ただ、このルールが等しく守られているならば当然このようなオーバーステイで働いているというケースになることはないわけで、実態は安い労働力として雇う存在が常に国内にあるため、結果として需給のバランスが出来上がっています。

ブローカーや違法な採用をする企業を取り締まるためにも不法就労助長罪(入管法73条の2)の適用があるわけで、摘発事案は毎年徐々に減りつつあるものの、その強化には引き続き努力していただきたいと思います。

正しく働く。正しく雇う。隠れた問題を残さない。

一方、日本で働く外国籍の大半の人たちは必要となる仕事に応じて在留資格をもって働いています。当社も既に15年近くにわたって外国籍従業員と一緒に働き続けてきたという歴史があります。ただ正直なところ、実務の現場としては、本人の申告に基づくものだけではなく、もう少し管理を網羅的にしてほしいとも感じます。

その一例は入管法第19条の資格外活動で、1週間あたり28時間の制限について、自社では28時間未満であっても複数のアルバイト先で合計されているため、本人の申告が正しくない場合には把握する術が限られています。

きれいごとを言うつもりは全くありませんが、より国際化する社会に突入していく流れである以上、正しく働く、正しく雇う、隠れた問題を残さない、という3点についての議論がより深まってほしいと考えています。

クレームへの対応から学んでみる

味噌汁の香りがするコーヒー?

このような出来事がありました。日系の国際線でコーヒーをお願いしたところ、どうも薄く味噌汁の香りがするのです。「コーヒーと味噌汁の香りは近いのか、いやそうではないはず」「たまたま豆の香りが味噌汁の香りに近いものなのか、いや、今までもそう思ったことは無い」「冷めたからか?」「そもそも今日の自分の鼻がおかしいのか、、、」と、3分ぐらい悩みました。そして、色々と仮説を考えてみたのです。味噌汁とコーヒーのポットが同じ? そうだったとしてもさすがに香りは残らないぐらいに洗っているだろう、などと。

迷った末に、代わりをお願いすることにした

結論、とにかくコーヒーが欲しかったので、伝えることにしました。歩いてきたCAの方にお願いし、「すみません、このコーヒー、味噌汁の香りがするような気がして、気のせいかもしれませんがもう一杯いただけますか」と話したところ、すぐに新しいコーヒーを頂きました。そして、この入れなおしていただいたコーヒーからは味噌汁の香りはしませんでした。

お詫びに来られる

この後です。まずすぐに一人、別のCAの方(恐らくはリードキャビンアテンダント)が来られて説明とお詫びに来られました。そして、ポットから注がせて頂いたコーヒーでしたか? などいくつかの質問が。こちらも個人的な興味では、コーヒーと味噌汁を同じポットを使うことがあり得るのかどうか知りたかったのですが、これは言い方によっては「機内でクレームを言っている嫌な人」になる気がして、新たにいれていただいたコーヒーは大丈夫でした、ありがとうございました、とだけ伝えました。ことが大きくなるのは好きではないので、出来るだけ短く話そうとしました。

その後に起きた出来事

するとさらに15分後。この便のチーフキャビンアテンダントと思われる方が温かいコーヒーを持ってさらに来られ、丁寧なお詫びを伝えて頂きました。ただ正直なところ、既に代えていただいたコーヒーをいただいていたのでもういいな、と思ったわけです。とはいえせっかくなのでと頂いたところ、飲んでみてわかりました。恐らくはビジネスクラス用のコーヒーです。でもそのようには言われませんでした。周りもいますし、私がそこまで求めているわけではない、ということもあったでしょう。

ここから学んだこととは

この一連の流れで逆に私が学んだことは、いくつかあります。ある程度はマニュアルとして整備されているような気もしますが、大変勉強になりました。

  • 情報は、すぐに共有する。そして、内容だけでなく、どのような言い方だったのかを適切に共有する。
  • 一回目のお詫び、説明は出来るだけ早いほうがいい。
  • 最終的な責任者がこのことを認識している、ということを伝える。 – 今回の場合、クラスの責任者だけでなく、フライトの責任者が来られたことでそれが伝わりました。ものの1分もかからないことですから、出来るならばした方が良いわけです。
  • 満足を得るために工夫する。 – 実は、最初は「なぜ15分後だったのだろう」と思いました。後で気づいたことは、この間隔によって、取り替えて頂いた1杯目のコーヒーは飲み終わっています(そこまでの工夫かどうかは本当のところは分かりません)。しかし仮にすぐに来られていたら、2杯目の効果はなかったでしょう。

深読みしすぎでしょうか。でも、深読みした時にも矛盾の無いことは、結果的にズレていない話のようにも思います。

帰化申請

おはようございます。最近、オフィスに着いてからの朝の日課は、官報をざっと見ること。官報には面白いことがたくさん書いてあるので、色々な発見があります。最近の発見は、「空港の航空灯火を**カンデラに変えました」ということを航空法の規定で官報で告示しているということ(という趣味の話だけに偏ってみているだけではもちろんありません…)。へー、こんなことを官報に載せなくてはいけないんだ!と思う発見が出てくるので興味深いのです。紙でなくWebで見られるのも便利。縦横混在のPDFというのだけは何とかならないかと思いますが…。

官報を見ていて「左記の者の申請に係る日本国に帰化の件は、」で始まるリストを見ていると、そうか、これだけ多くの人が日本に帰化申請しているのか、思うわけです。許可数は直近で年間約1万人。離脱・喪失があわせて年間約1000人。差はおよそ9千人。一時期は年間1万5千人以上の帰化許可があった年もありましたが、申請数自体が減少傾向でもあり、平成24年度の申請数は1万人を久々に割っています(参考:法務省民事局, 帰化許可申請者数等の推移)。

住所や年齢構成からの勝手な推測ですが、一家・一族で帰化している人も多いと感じます。帰化は決して遠い話題ではなく、身近なところでもこういった話を聞きますが、韓国・朝鮮籍の帰化者数が10年前の半分ぐらいに減ってきたというところを見ると(ニューカマーの一たちの割合も一定数あるのでしょうが)、在日社会の一世代が過ぎようとしているのかなとも感じるところです。

家庭用浄水器と家庭用品品質表示法・水道法など

皆さんのご参考になるかどうかわかりませんが、家庭用浄水器について一つの視点を残しておきたいと思います。

日本国内で販売される全ての浄水器は、家庭用品品質表示法により、ろ材又は媒体に使用されている材料の種類の名称を浄水器自体に記載することが義務付けられています。この中には、ろ材、即ちフィルターの交換目安についても記述することが義務付けられており、これらのいずれかに違反した場合には違反の改善指示や氏名の公表、または表示命令に従わない場合には罰金が規定されています。浄水器という名称であるかどうかについては関係なく、よくある活水器という表現をされていた場合でも同様です。その定義は、同法の施行令である家庭用品品質表示法施行令によって、「飲用に供する水を得るためのものであつて、水道水から残留塩素を除去する機能を有するものに限る。」とされています。

日本国内では家庭用浄水器は平成21年度での普及率は3割を超えているとされ(一般財団法人浄水器協会による)、様々なメーカーから多様な製品が販売されています。一方で、人間の口に入る水を扱う機器であることから製品に関する規制は従来から様々なかたちで設けられており、特にその浄水器の除去性能試験及びろ過能力試験の表示にあたっては、JISで定められた「家庭用浄水器試験方法」(JIS S 3201)が存在します。直近では平成22年3月に改正されました。

最近、近いところで家庭用浄水器のとある製品を手にする機会がありましたが、この製品についていくつかの疑問点がうかびました。これについて箇条書きで書くと、

  • 家庭用品品質表示法に定められた記載が製品に無い。
  • 濾材(ろ材)の交換は不要としているが、備長炭とセラミックスが含まれているとされており、いずれにしても濾過に相当する機能がある。しかしろ材を交換しないで使い続けることができる浄水器は現時点では想定されないため、消費者の誤解を招きやすい。ろ材の永久的な交換が不要という点については、たとえば断水時の赤水の発生時において、ろ材が正常に機能していれば付着する異物等への対応に関する批判に耐えられない。
  • 特許番号がWebサイトに記載されているが、浄水器の機能に関する特許などではなく、土壌等の廃棄物処理に関する特許である。水については特許の詳細な説明に現れるが、これはこの発明で使用される機器について取り上げられているものであり、浄水器の構造や機能自体に関する特許ではないため、消費者の誤解をうむ可能性がある。
  • ビルトイン型(キッチンのシンク内に設置するタイプの呼称)であるため水道法施行令の給水装置の構造及び材質の基準に関する省令による性能試験(JIS S 3200)への適合が必要だが、資料等に記載が見当たらない。

という、4点が主に挙げられます。ちなみに、業界基準、具体的には前述の浄水器協会の適合マークや日本水道協会の適合認定はこの製品にはありませんでした。(これ以外にも疑問点がありますが整理できていないので省きます)。なお、様々な類似製品がある中で、2番目の濾過の点については、1-2ヶ月単位で洗浄を要するとしているメーカーもあるようですが、その違いは不明です。

また今回の場合、JIS S 3201の家庭用浄水器試験方法に関する表示はパンフレットにはありましたが、メーカーが通販をしているWebサイトにはありませんでした。

いずれにしても、浄水器を購入する際の重要な点として、念のため確認すべきポイントとしてはこの視点は活用できるはずです。特許については特許庁がそのデータベースを公開していますし、どのような適合を受けているかについては製品の資料に記載されているか、メーカーに聞けば教えてくれるものです。わずか30分もあれば済む話なので、面倒がらず。